無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ 第13話 「悲しみ散りゆく桜」
「その恨み、私が受け止めますッ!」
「二槍流・・いや、斧か・・良いだろうッ!天魔酒様・・俺に力をッ!行くぞッ!【妖刀夜月丸】ッ!」
「来るッ!だけど私にはこれがあるッ!・・空間の理、世界の軸を揺るがす大魔術ッ!私だけの時間を歩いて行こうッ!私だけの時間ッ!」
詠唱を始め地面に光出す大魔術の魔法陣、
あの銀がジャックにやられそうになった時に使った秘術の奥義ッ!
世界の時さえも止めてしまう大魔術を今放つッ!
魔法陣から一気に溢れ出す大きな力ッ!
これで全ての時を止めたッ!
「マナを大きく消耗するからたった一度しか打てない奥義ッ!これが私だけの時間ッ!私の世界だッ!」
素早く瞬時に動き、2本の斧を持って切りかかるッ!
近づいたら大きく飛び上がり、一気に大きく振り上げて振り下ろすッ!
「ハァァァァッ!!!」
「その程度かッ!」
ガッッッ!!
ど、どうしてッ!?
確かに私は今時を止めているはずッ!?
どうして、彼がその中でも動いていられるッ!?
どうして今私の攻撃を持っている刀の鞘で止めていられるッ!?
「言い忘れていたが俺の能力は【正常動作】、何があろうとこの体に影響する効果は受けない、例え毒だろうと時を止められようとどんな場所でも体に影響は受けないッ!空気を無くされようが、世界全てを海にされようがッ!私の体にそんな姑息な手が通じると思うなよッ!小娘ッ!」
「グッ・・そうでしたか・・私の魔法も効かない・・」
「残念だったな・・小娘ッ!!」
私を軽々と力強く鞘の付いた刀で跳ね除ける。
力強い一撃で思わずズザァと地に着いた足を這いつくばさせる。
「グッ・・」
「今度はこちらか行くぞッ!【大地の茨道】ッ!」
ドドドガガガガッ!!
大地に刀を両手で突き刺して放たれる一直線に放たれる大地のトゲッ!
いくつもいくつも大地から飛び出し、巨大な鋭いトゲが押し寄せてくるッ!
私は焦らず考え、あえてこの大地のトゲを壁を蹴るごとく利用するッ!
少ない隙間から上と登れば多少なりとも避けるのに苦労はしないッ!
「【月光の頂】ッ!!」
「ッ!?いつの間に上にッ!?」
「食らえッ!」
ズシャァッ!!
私はとっさの彼の攻撃にかわす事が出来ず方に傷を負ってしまう。
この棘の攻撃すらおとりだったと言うのかッ!
計算された動きでここまでやるなんて・・、
私は真っ直ぐ構えられた刀になすすべなくこのまま地面へと叩きつけられてしまうッ!
ズガシャァァンッ!!
辺りのトゲが崩れてまた普通の地面へと戻る。
私は叩きつられた衝撃でとてもじゃないが立たない体、
目の前には刀を持って立つ殺意の眼を持った男、
私は殺されてしまうのか・・?
「どうだ?これが俺の実力だ、貴様など恐れるに足りないッ!」
「・・ッ!まだ・・ヴっ・・」
「湶の五、六本はやったはずだ、まともに立てるはずがあるまい」
確かに痛い・・体全体が・・このまま死ぬかもしれない、
殺されるかもしれない、
私が殺される・・命を失う・・
「もう視界も限界のはずだ、この辺で大人しく死ね、そうすればせめて苦しまず殺してやる」
「・・嫌・・だ・・ッ!」
「なんだとッ!?貴様今の状況でもまだ抵抗するかッ!」
「命を簡単に奪う奴に・・私の命を渡してたまるかッ!!私の命は里のみんな、ショコラさん達を守る為にあるッ!それだけじゃないッ!ガーネット邸のみんなやお嬢様を守るためにもッ!誰かを守るための命をここで取られるのなんて・・そんなの嫌だッ!!」
そうだ、まだだ・・
まだ・・こんなところで死んでたまるものかッ!
「何もできない癖に調子に乗るなァァッ!!」
「ガッ・・・ァ・・ッ!?」
こ、この男・・喉に鞘を押し付けて・・ッ!
このままだと・・殺されるッ!
意識を失って・・ッ!
「ふざけるなよッ!俺がどれだけ天魔酒様をッ!あの人の側にいたか分からない癖にッ!いつも泣いていたッ!兄の不貞行為もあってそれはそれは泣いていたッ!奴はッ!天魔酒様にふさわしくない男だったッ!それだけじゃないッ!四季の一組が裏切ったせいで天津酒様は深い悲しみを負ったッ!!今まで積み上げられた物を手放さなければいけない悲しみに違いないッ!必死の報いや抗いで手に入れようとしていた幸せを貴様ら愚か者のせいでッ!様らの・・せいでェェェェエッ!!」
「ッ・・ッァァ・・グァ・・ヴぅッ!!」
私は必死の抵抗で強く押し付けられた鞘の付いた刀を跳ね除ける。
離されたのにまだ苦しい・・け苦しんでる暇は無いッ!
「ガハッ!ガハッ!・・天魔酒様は・・里の者を殺して私を蘇らせろとでも言っていたのッ!?貴方は・・ッ!貴方は何もわかってないッ!命の重さをッ!」
「分かっているッ!一度失ったら蘇らない物だって言う事もッ!!失えばもう話す事もできないッ!あの美しい声を聴く事も出来ないッ!もう微笑を見る事もできないッ!もう・・もう・・もうッ!もうあの優しいまなざしも・・暖かな思いも一生感じられないッ!そんなの・・俺が一番分かってるんだァァァア小娘ェェェェェッ!!」
「や゛・・や゛めろ゛ォ・・」
またコイツッ!今度は手で首を・・ッ!
苦しい・・息が・・できないッ!
伝わる・・コイツの怒り、憎しみ、妬み、どれだけ全てを恨んで生きて来たかわかる。
腕に力が入るたんびにそれが伝わる・・
「貴様を裁くッ!!ここで裁いてやるッ!!俺が裁くゥッ!!」
「や゛だ・・死にたく・・無いッ!!」
私は掴まれていた腕を自らの腕でと足で夜桜さんの体を跳ね除けるッ!
「貴様ァッ!」
「私は死にたくないッ!みんなが待っているからッ!死ぬわけにはいかないッ!貴方に裁かれる筋合いも無いッ!」
「ふざけるなァァァァァアアッ!!」
刀を持ってこちらへ襲い掛かかってくるッ!
もう、何も言えないぐらいに正気が失われているッ!
私は近くに落ちていた二つの斧を持ち迎え討つッ
「ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるなッ!ふざけるナァァァァアッ!!」
何度も何度も刀で乱暴に振り回す夜桜さんッ!
駄目だこのままでは・・力に押し負けるッ!!
「ルァァァァッ!」
ガンッッ!!
武器がッ!しまった2つとも飛ばされたッ!
このままでは・・ダメだ・・、
私は目からボロボロと泣き崩れた。
これから死ぬとわかった瞬間恐怖が止まらなかった。
一度崩れてしまった体勢と感情は戻りはしなかった。
目の前に渦巻く絶望を受け止めるので精一杯だった。
もう、笑う事もできない、
もう、誰にも微笑めない、
ああ、終わるんだ・・殺されるんだと思うと、
私はもう、抑える事のできない恐怖に怖気づいてしまった。
「ああ・・あぁ・・やだ・・」
必死に恐怖から目を背けようと両腕で守ろうとする。
こんな事無意味なのに、なんでだうろ。
「ここで・・くたばれェェェェエッ!!」
「しに・・たくない・・たすけ・・て・・」
思うだけ無駄なのに、考えるだけ無駄なのに、
助けてと心の中では必死に願っていた。
誰もいないのに、誰もこの場にはいないのに、
なんで思ったんだろう。
「助けて・・たす・・けて・・助けてぇッ!」
ああ、短い人生だった。
さようなら、みんな・・
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