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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第三章 夜桜編
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無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ 第12話 「枯れてしまった心」


前回までの私達は何をしていたか、

これまで洗脳されていたコメット、山の番人(笑)柘榴、門番の光太郎、

三人を倒していよいよ残すところ夜桜と言う人を倒すだけだ。

しかしこの物語は単なる復讐物語ではない事に私達は改めて知る事になる。


「夜桜と言う人物について?」


私は疑問に思った夜桜と言う男について知りたいか?

と聞かれたことだ。


なぜ、そんな事を私達に話すのか、話そうと思ったのか、

開幕見当もつかない、私は疑問に思うばかりだ。


「その顔はなぜ?と言う顔だな、まあ聞けばわかるさ」


「時間の無駄だったら承知しないわよ」


「(全裸魔術師が何を言ってるんですか・・)」


「まあ聞け、お前らもこれを聞けばなぜ事件が起きたのか、何故里を襲ったのかわかるぞ」


事件のきっかけが分かると言う事ですか、

まあ、それなら確かに聞く価値は十分にありますね、


「いいでしょう、わかりました話してみてください」


「よしわかった、一度しか言わない良く聞け、分からなくなったら読み返せ」


「・・・」


「日輪亭に住む天魔酒様と夜桜様の関係は知っているだろう?奴らはただ結婚させられて里を守っているわけじゃない、天魔酒は代々【魂】を黄泉へと誘う家系でもある、この世界の冥府の神と呼ばれるくらい天魔酒様は霊に強かった、しかしいざそれをするにはいっぺんに高い霊力を必要とする、できて一年に一回、そして天魔酒様がいなくなった今、霊力は永久に保証された人柱になっただろう、だがこの日輪亭の人柱はただ里を守るだけじゃない、日輪亭に伝わる【妖刀夜月丸】を使って魂を集めこの人柱へと誘う、

一定の数に満たすと冥府の門が開き、そこから死人が一人だけ呼び戻せる、もうわかったな?夜桜は今里の者を生贄として再び天魔酒様を呼び戻そうとしているんだ」


なんという事だ、まさかこれほどまでに恐ろしい計画が立てられていたとは・・、

それじゃあ、あの里の人たちを主君の復活の為なら容赦なく命を奪うと、


「・・そうだとしてもやる事がひどすぎますッ!第一に死者を蘇らせるなんて世界への反逆ですよッ!」


「わかっている、俺も一度は止めた、だが奴が言う事を聞かない以上はしかたがあるまい・・奴は誰よりも天魔酒様を愛している、奴は誰よりも天魔酒様に幸せになってほしいと願っている、そのためならたとえ世界への反逆でもやってやると言っているんだ」


「沢山の人を・・里をあんな風にして、貴方達の主君はそれで満足なんですかッ!?」


「ッ?!今なんと言った!?」


「えっ?だから沢山の人や里をあんな風にしてと・・」


「我々はまだ何もしていないぞ・・ましてや里を荒すなどそんな傲慢極まりない行為誰がするかッ!」


「そ、そんなッ!?どういう事なんですかッ!?」


衝撃の真実だ・・あのコメットさんの暴走から全てがこの人達の仕業ではない、

だとすると一体誰が何の目的で?


「・・他に誰か犯人がいる?」


「そうなんですかッ!?ショコラさんッ!」


「可能性としては十分にあり得るわ、こいつらがまだその犯行に至ってないのは確かよ、さっき言ってたけど妖刀使ってやる作業ならわざわざ人里荒してからなんて事しなくてもできるはずよ、第一に目的が誤認してるわ」


「それじゃあ・・他に真犯人が・・」


コメットさんの一見も里の暴動も全て別の人物による所業、

一体なぜそんな事をしたのだろうか?


「いやな予感がする・・コレは夜桜に言わなければッ・・」


「無茶しないで、バハムートの攻撃直で食らって生きている方がおかしいのに今無茶したら死ぬわよッ!」


「・・グッ!不覚ッ!おそらく俺達の無力化を図るのも真犯人の作戦だろうッ!出なければここに来るまでにッ!」


「分かったから、アンタを下まで運ぶわ、手伝ってちょうだい天野川さん」


「わ、わかりましたッ!」


「面目ない・・」


ショコラと天野川さんが光太郎さんに肩を貸して下へと向かう事になった。

これは大事件の匂いがし始めた。


なんだかとても嫌な予感がする・・。


「・・ッ!そうだ、そこのメイドの御嬢さんッ!あんたに虫がいいのはわかっているが頼みがある・・」


「なんでしょうか?」


「夜桜に会って話をしてくれ、もうこんな事は止めろとッ!基本的に人の話を聞かん奴だ、たとえ戦闘に入っても諦めず話しかけろッ!」


確かに今の夜桜と言う人物を放っておいてもいずれ動き出す。

なら今のうちに話し合いで止めるのが一番と言う事ですね。


「・・わかりました、私が力になれるかわかりませんが、説得をしてみます」


「頼むッ!」


「気を付けてね、リアリナッ!」


「健闘を祈るッ!」


「ええ、任せてくださいッ!」


私はみんなに見守られながらも門をくぐり石段を駆け上がり、

3人と別れた。

ここからはついに一人、いよいよ夜桜と言う人物と対面する事になる。

はたして話し合いは通じるのか、少し心配になる私だった。


そんな心配しながら階段を石段を上ると、門が見えた。

恐らくこの先に夜桜と言う人物がいる。

一体どういう人物なのか、私は心臓がバクバクと緊張が止まらなかった。

とにかく怖い思いが募りつつも、両手で門を押し開ける事にした。


ギィィ・・


その門の先に待っていた物は・・とても神聖なオーラを漂わせた和の屋敷の様な巨大な建物、

広い庭、いくつも咲き誇る桜の中、目の前に屋敷の屋根を貫通させる様にそびえ立つ大樹、

ヒラリヒラリと桜の花びら舞い散り、月光がこの暗いはずの夜を照らす。


そして私が唖然としながら視界を目の前へ戻すと、

屋敷の庭に立っている男が遠くから見える。


その男は黒い銀髪のショートヘアーをなびかせ、目を閉じていた両目をゆっくりと開け、

鋭いまなざしでこちらを見た。

黒い和の軍服の様な服を着た、一つの刀を持った男、アレが・・夜桜秋斗ッ!


「・・彼方は、夜桜秋斗さんですか?」


「そうだ・・俺が夜桜最後の代、そして夜桜家当主、主君は天魔酒霖雨様ッ!我こそが、夜桜に咲く月光の剣であるッ!」


「・・なるほど、貴方が今回の事件を起こそうとした・・答えてくださいッ!里を襲ったのは貴方ですかッ!?コメットさんを操り、里を襲わせてたのはッ!」


「・・そうか、やけに里が騒がしいかと思っていたが・・どうやら別の事件も起きていたのか、俺が出る前に里に傷をつけるとはな・・」


「やっぱり貴方でもないんですね・・今、貴方以外にも事件は起きていますッ!お願いですからこんな事は止めましょうッ!光太郎さんも言っていましたッ!」


「止めるわけなかろう、今の今まで散々天魔酒様に無礼を働いておいて何様のつもりだ、貴様は自分が何を言っているのか理解しているのか?俺に、裁きを下すのを止めろと言っているのだぞ?」


やはりこう言った方は一筋縄ではいきませんか・・、

ですが諦めるわけにはいきませんッ!


「あなたの言う天魔酒様が本当にそれを望んでいるのですかッ!?里の命を生贄として復活できた天魔酒様が悲しむとは・・」


「無礼者がッ!貴様ごとき余所者が天魔酒様を語るなッ!天魔酒様は今の今まで里の者に責任を取れだ生き埋めになって死ねなど・・アイツらは里が無茶苦茶になる事を恐れて天魔酒様を追い込んだッ!貴様らの様な横暴的たる愚民がいるから・・何も終わらないッ!だったらこの手で終わらせてやるッ!貴様らの命も貴様らの横暴も怠惰もッ!」


「それで人の命を奪って良いなんて事があって良いはずがないッ!第一に死者の蘇生なんて貴方が死んでしまうんですよッ!?死者を蘇生させたらその代償として払った対価だけじゃない、神が作ったルールによって貴方は永遠に冥府に彷徨う事になってしまうッ!」


「それがどうしたッ?俺程度の命で天魔酒様が蘇るのならさぞ喜びになるだろう、俺も無礼を働いてしまった一人だ、それぐらいの義務はある」


義務って・・義務なんかで自分の命を引き換えにして人を蘇らせて良いだなんてッ!

そんな身勝手な行為誰も望んで無いッ!


「あなたが命を落とす必要なんてないッ!そんな事で天魔酒様が喜ぶはずか無いッ!」


「そうか・・貴様も天魔酒様にあだ名す愚か者の一人かッ!」


「話を聞いてくださいッ!誰もそんな事はッ!!」


「問答無用ッ!もはや話などせずとも十分だッ!貴様があの人柱の一人目として葬ってくれるッ!」


「・・ッ!!やるしかないッ!」


こうなってしまったら一度武器を取って彼と交えるしかないッ!

多少なりとも荒い方法でも聞いてもら分けなければッ!

私はスカートの裾をつまみあげて、

私の武器である2つのハルバードの様な斧を取り出すッ!

※スカートの中は謎の魔術技術で収納されています。


2つの斧を持ち、夜桜さんに構えるッ!



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