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無限空想世界の幻想的な物語  作者: 幻想卿ユバール
第三章 夜桜編
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無限空想世界の幻想的な物語~夜桜~ 第2話 「鶴の様に舞い降りて」

ロンディニア市をしばらく歩いて10分後ぐらい、

私は今馬車乗り場にいる。


ロンディニアには数多くの馬車が存在し、

この大陸を早く移動する手段とも言える。


一見馬車は車や列車に比べると遅いとも取れるが、

その辺は済む世界が違う。


常識を超えた見た事も無い法則無視の常識がここに存在する。


一見素早く動く馬は誰かを引き倒しそうに見えるが、

この世界の馬は利口に育てられている為、

事故が起きる前に止まる事もちゃんとできる。


事故なんて滅多に起きないし、

活気が戻ったばかりだししばらくは安全運転が相次ぐだろう。


終始どうでも良い事を話してすまない、そろそろ本題へ移ろう。

こんなどうでも良い事を話ているからコメントにも

「いらない部分多すぎ」と言われるのだ。


だが、安心してほしい。

今度こそこのロンディニアから旅立って行こうと思う。


さて、どの馬車に乗れば春風の里に行けるのか、

私は辺りをキョロキョロと見渡して探す。


すると、なにやら違和感のある馬車があった。


「スヤァ・・スヤァ・・」


「ね、寝てる!?」


嘘だろ?この商売人寝てるぞ、

商売でロックするんじゃなくて、将来にロックかけようとしてるぞコイツ!!

流石の私もだらだらと汗を流してしまうほどびっくりだ。


だが、もしかするとコイツはお嬢様の言っていた奴なのかもしれない・・、


「いい事?もし明日馬車がわからなかったら異様に違和感のある人物を探しなさい!その人はきっと貴方を里へと導いてくれるわ!」


異様に違和感のある人物・・、

絶対にサイズのあってない袖の服装、なにやら本やワンドを腰に付けている。


おそらく魔術師であることは推測できるが、

なんだか凄い模様があったり、色々ごちゃごちゃしてる服装だ。


全体的に緑がが多い、

唯一違う色は白い肌と明るい銀色の髪型だ、

後ろ髪が七色綺麗にエクステの様な物が見えるけど・・、


この漂う別物感、絶対にこの人だ。

私はこの人に話しかける事にした。


「あの、すいません!」


「スピー・・スピー・・」


「私、春風の里に行きたいんです!」


「うーん・・僕ちゃん・・そんなに果物たべれグラッサージュ・・」


「起きないと今すぐ二つの斧が貴方を貫いてパターンを入れますよ?」


「おっと、それは困る、ようこそ、白馬の送り屋へ」


「あ、起きた」


その男は先ほどまで全然目覚めなかったのに、

急に危機を察したのか起きた。


眼がパッチリと開き、

服装もゆるければ顔のゆる加減もひどい、

それほどゆるいというわけでもないが、

なんともまあ、お人よしな顔に見える。


「強引な起こし方をしてすいません、春風の里へ行きたいのです」


「あーはいはい、そういう事ね完全に理解した!仕事てっ奴だ、わかるよ~この季節になってくると豪邸はだいたい資材を枯渇させるからね、僕はなんでも御見通しさ」


「理解してくれるのは良いのですが、貴方本当に馬車を動かせるのですか?」


「もちろん~、僕は世界一有名な馬車の使い手リミトだよ?キミも知ってるはずだよ?」


「知りません、そんな方、興味ないね」


「あらー、僕もまだ、マイナーてっ事かな」


「さあ、自分の評判くらい自分で確かめたらどうですか?」


「それもそうだね~」


この相手、中々にやりづらい、

私はこんなお茶らけた人物は銀くらいな物ですが、

銀よりは少し冷静ですね


それでもまだ完全におちゃらけてる銀の方が私は良いのですが、

ここまで中途半端に何か詠めない感じを漂わせているとあまり私的には無理ですね。


銀も大概ですが、いやもうどっちもどっちだな。


「それで、春風まで行くのは良いけどキミはどこの者だい?」


「ああ、ガーネット家の使用人です」


「ほほーう、あのガーネット家ね、最近巷ではローゼリッテ様復活の話題を浴びて、さらには専用の使用人まで上り詰めた【英雄ポチ】でさらに有名になったガーネット家!」


「(英雄ポチ・・銀はどこへ行ってしまうの・・)ええ、そうそのガーネット家の使用人、もといメイド長をしています、名はリアリナ」


「ハハーン、これはまた凄いのが来たね~、こりゃあ僕様責任重大だよ」


「ええ、でも気にしないで、むしろ馬車を守り通してあげるから」


「ハハ!これは一本取られた!それじゃあよろしく・・・」


私が馬車に乗る許可をもらえそうだったその時だった。


『キャーッ!誰か助けてーッ!』


背後から女性の悲鳴が聞こえて来たのだった。


ロンディニアで騒ぎが起こるなんて珍しいと思ったが、

それ以前にかなり響く悲鳴だった、これは相当やばい事が起きたに違いない。


「悲鳴!?女性の悲鳴です!」


「あちゃー、面倒事かな?でもここはロンディニア警察が来るのを大人しく・・」


「待ってろと?私はガーネット家に仕える者、目の前の危険を放棄するわけにはいきません!」


「ああー!リアリナ君!行っちゃだめだよー!」


商人に呼び止められたが私は悲鳴が上がった方へと走る。

急いで行って助けなければッ!

私は足を加速させ例の現場へと急行する。


するとそこには若い女性の姿2人、

遠くであまり詳しい事は分からない身形だが、

1人は金髪で髪にウェーブがかかっているセミショートヘアーの女の子、

なにやら令嬢の様な雰囲気を持つ服装だ。

もう一人は辛そうな表情で防衛している魔法使いの様な女の子、

黒くて前髪に紫が少し入っているロングヘアー、

魔法使いと言うよりは服装が若干魔女に偏っているような気もするが、

スタッフを持って防衛していたようだがとても苦い表情をしている。

これは早急に助けにはいらないと!


「そこの子悪党ッ!」


「ああッ!?」


私は素早く飛び上がり、

囲まれていた円の中へともぐりこむ、

そしてそこに立っていたのはいかにも悪人の様な人相の人、

筋肉質でとても品の無い山賊だ。


「おうおう、人の悪事に仲裁かい?お嬢ちゃん?」


「ええ、貴方の様な子悪党を見過ごさない正義の鉄槌が来てやったわ」


「ほーう、こいつは良い、女となれば良い金儲けに・・グへへ・・」


「気持ち悪い笑い声ね・・一度その喉を掻っ切ってさしあげても?」


「た、助けてください!あの人達私たちを人身売買の道具にしようと・・」


「肉体・・労働・・断固・・拒否ッ!!」


このいかにもか弱いと言わんばかりのオドオドした声はやはりどこかのお嬢様だろうか?

もう一人は声が小さく、すこしテンポも遅い、

もしかしたら疲れているせいなのかもしれないけど。

まあ、そんな事はどうでも良い、今は彼女達の安全を確保する事だ。


「そう、任せなさい、若い女子供を見捨てたりたりなんてしないからッ!」


そうだ、私だってガーネット家に仕える者の一人

市民一人守れずメイド長なんてできない!


私はジャックや銀の様に誰かを守れるような正義の人間になれる!


「女だからって甘く見ないでよねッ!」


「ウヒヒ・・当然よッ・・(こんなチャンス滅多にねぇ・・おいッ!わかってるよな!)」


なんだ・・コイツ、

動きの挙動が少しおかしかった様な・・、


「(わかってますよアニキ!)」


「挑発するのは構わないが、私が挑発程度の煽りで怒り狂う人間だとでも・・」


「今だ!睡眠ガスッ!」


「はっしゃ・・」


今は無き白銀蝶(ホワイトバタフライ)ッ!!』


ズドォォォォンッ!!


「ウワァァァァッ!?」


私の後ろから謎の詠唱と爆発音!?

一体何事!?


「な、なんだ!何が起こった!?おい、下っ端ッ!」


「君の下っ端君なら今片付けた所だよ?最も、本当ならリアリナ君と共に現れたかったけど」


上空から声?

しかもこの声は・・リミトッ!?

私がバッと空を見上げていると空にはあのリミトが浮遊していたッ!


「やあ、御機嫌よう・・僕に魔法を使わせるなんて・・中々素晴らしいメイドさんだね!」


「お、お前・・その魔力の放出量・・あふれ出るマナ波・・間違いねぇ!魔法使いじゃない俺でなくてもわかるッ!【全能魔術神白鶴(はくつる)鏡之介(きょうのすけ)】ッ!!」


「その通りッ!いやー、あんまり目立つことしたくないのよねー、僕目立つの嫌いだからサ!」


「(それ、その髪型で言いますか?)」


何と言う事だ、まさかあの男が本職の魔術師だったとは・・、

気配もマナの波動も感じなかったという事は殺して隠していたという事か、

噂では姿なんて滅多に見れないからどの人物か分からないとまで入れてるのに、

こんなところで出会えるとは、まさに奇跡と言う奴だ。


「こ、こんなの勝てるはずねぇだろ!逃げるぞッ!野郎どもッ!」


「そうはさせない・・昼寝を邪魔された八つ当たり、僕に魔法を使わせた怒り、そしてこれが昨日おやつを取られた八つ当たりッ!!『黄金束縛輪(ゴールド・ザ・リング)』ッ!!」


「ただの八つ当たりじゃねぇぇぇかぁぁぁぁッ!!」


私が鉄斎を下そうと思ったら事は一転、

あの止めに入った男が今この場で少女達を助けている!

次から次へと悪人を謎の光の輪で身動きを取れなくして、

まるで三角の建物の様に積み上げている。


「さて、こんな感じかなー」


全て積み上げると鏡之介が上からふわりふわりと落ちる。

そして、腕を伸ばしながら疲れたように仕草をしてこちらに向かってくる。

あんな大した事なさそうな奴がここまで凄い人物だったとは・・、

にしてもわざわざ町出歩く為に偽名を使っていたとわね。


「貴方、偽名だったのね、驚きだわ」


「本当はあんまりこの名前をさらしたくなかったんだけどね・・まあ、いいや、僕様が三大魔術の一人・・名は白鶴 鏡之介・・鏡之介で良い、よろしくッ!」


その男は先ほどのやる気の無い顔とは打って変わって、

今度は元気そうな顔でこちらに手を差し伸べ、

握手を求めて来た。


「はい!よろしくおねがいします!」


こうして、私の旅への1ページが刻まれた。

まだ外へと赴いてはいないけれど、

ここから、さらなる旅へとなるだろう、

私の旅はまだ始まったばかりだ。


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