表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

ひつじのお昼寝風景



「はい、では今日はここまで。」

「ありがとうございました。」


バタン。


はぁぁぁぁ…

思わず深~いため息がもれる。

今日の淑女講習がやっと終わった。

体のいたるところに変な力が入って凝りまくっている。


「うぅぅぅぅん…」

バクスター夫人が出て行ったので思いっきり伸びができる。

こんな姿を彼女に見られた日には「はしたない!!」と眉を吊り上げて怒り、テーブルマナー講習2時間コースは間違いない。




「ユキ様、お疲れ様でございます。」

後ろから声を掛けられ振り向くと、ワゴンを押したクララちゃんがいた。

「うん、疲れた。バクスター夫人厳しすぎ。」

クララちゃんは最初にお世話してくれたこともあって今じゃとっても仲良し。

この屋敷で一番歳が近いのも彼女だし。

だから本音も彼女にはつい話してしまう。本音を言える相手がいるってのは幸せなことなんだけどね。

「ふふふ。でもバクスター夫人は、ユキ様は筋がよいと褒めておいででしたよ?」

クララちゃんはそう言いながら、流れるような美しい動作で紅茶を入れる。

今日は私が好きなダージリン風紅茶だ!

「えー本当?いっつも怒られてばっかりだよ。」

元いた世界じゃあぐらかいてパソコンしたり、頭をわしゃわしゃしたりと、レディとは程遠い振る舞いをかれこれ20年近くしていたので、そう簡単にはいかない。

お嬢様は一日にしてならず、だ。

「バクスター夫人は厳しいですが、それもユキ様の為に心を鬼してらっしゃるのです。わたくしはあの方こそ真の淑女だと思います。

さ、ではこちらをどうぞ。」

クララちゃんは笑顔で話しながら紅茶とデザートをテーブルに並べてくれた。

「あ、アップルパイ!」

「ええ。ユキ様の大好物と聞いて料理長も張り切っておりましたわ。」

「わーい、いっただっきまーす!」

「どうぞお召し上がりください。」


「ああ、忘れるところでした。そちらをお召し上がりになられたら、執務室まで来るように旦那様から言付かっております。」

「う…。」

焼き立てのアップルパイをぱくっと口に入れたまま思わず固まる。

「…どうしても行かなきゃダメ?」

こっちに来てから覚えた必殺上目づかいでクララちゃんにダメもとで聞いてみる。

「そうですねぇ。ユキ様をお連れしないとわたくしがお叱りを受けますので行っていただけると助かるのですが…。」

美少女の困り顔はひつじの上目づかいより何百倍も効果がありましたよ、ええ。

「食べたら行きます…。」





少しでも行く時間を遅らせたくてクララちゃんも席についてもらって一緒にお茶をしていたら、ノックと同時に私の部屋のドアが開いた。


「ユキ、遅いから迎えに来たよ。」

にっこり笑顔でキラキラさん、もとい、旦那さまが入ってきた。

「おまたせしてしまい申し訳ございません。」

クララちゃんが急いで席を立って謝るもんだから私も慌てて立ちあがった。

「違うの!私がクララちゃんとお茶したいってワガママ言ったから…!」

「ユキ、私は別に怒っている訳じゃないよ。早くユキの顔が見たくてこちらに来ただけだから。クララも気にしないで。」

苦笑しながら私達にそう声をかけると、旦那さまは私をひょいと持ち上げてしまった。

「だ、旦那さま!」

ちょっとそれやめて!旦那さまの腕にお尻がのる形で、よくちっちゃい子がされてるみたいに抱っこされてしまった。

「さ、では行こうか。」

そう言うと旦那さまはすたすたと歩きだしてしまった。

バランスが取れなくて、わたしは思わず旦那様の頭に抱きついた。

「ユキ、それじゃ前が見えないよ。」

くすくす笑いながらそんなことを言ってくる。

「だ、だって!」

他にどうしろというのだ!

「ま、いいか。今日は隣の部屋で。」

そう言い終わる頃には隣のにある旦那様の私室に入っていた。

さらにお部屋の中の扉を開けて、そのままベッドに下ろされた。

そして白いレースのふりふりふわふわの部屋着を渡される。

もう何度か目なので私も黙って受け取り、ヒラヒラのドレスを脱いで、それに着替える。

一応着替えている間は旦那さまには後ろを向いてもらってる。

見た目9歳児でも中身は立派な乙女なのよ!恥ずかしいの!



「もういいかい?」

「…いいですよ。」

私がむすっとしながら答えると、旦那さまはくすっと笑ってベッドに上がってきた。

「さ、ほら横になって。今日もたくさん勉強して疲れただろう?」

旦那さまはそう言いながら、私を抱きしめるようにしてベッドに横になった。

もちろん腕枕だ。

まさか元いた世界でも経験したことのない腕枕をこっちにきて(しかも幼女で!)体験するとは思わなかった。

女友達は腕枕なんて硬くて寝にくくて10秒ももたないとか言ってたけど、旦那さまの腕枕は肩枕?って感じで割と平気。まあお昼寝だから数時間だけってのもあるしね。

「大丈夫です。旦那さまのほうがお疲れじゃないんですか?」

最近お仕事忙しそうだし。それなのに私と毎日のようにお昼寝してるし。しかも腕枕してるから肩とか凝りそう。

「腕枕して疲れませんか?」

「…ユキは軽いから全然大丈夫だよ。それにユキと一緒に寝ると疲れなんか吹っ飛んでしまうよ。」

……さようで。

ああもう、なんでこんな恥ずかしいセリフをさらっと言えるのかなーこの人は!しかもそれが嫌味なくらい似合うんだよ!

だから私の顔がトマトみたいに赤くなってたって決しておかしなことじゃない!はず!

「ふふ、照れてるユキもかわいいよ?」

キラキラスマイルでからかわれるのがムカついたので、反対側に寝返りをうって叫んだ。

「おやすみなさい!!!」
















「本当にユキはかわいい。だから寝顔に思わずキスしてしまうのも、しかたのないことだろう?」




あまり推敲せず投稿しているので、おかしなところがあったら教えてください。すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ