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偽りの呪い(3)

アンブラは一人で戦いに備える

広いアジトで武器を選び、整備する

薬を調合し、戦いを組み立てる

嫌に響く、独り言と共に


嫌に響く、装備の音と共に


 アンブラは自分のアジトに戻ると、戦いの準備を始めた。そこは、ワイナリーを改造した広めな地下室で、ある程度の武器の演武が出来るほどのスペースと、壁には多くの工具と武器が並べられている。作業台の上にはルーンを刻むための道具が並んでいる。その他にも多くの道具が置かれている。そこから少し離れた場所にもう一つテーブルがあるが、そのスペースは多くの薬学とモンスターの本に薬品の棚が並んでいる。

 メイン作業台の上に並んでいるのは、両手のガントレット・薬液のナイフ鞘・棒手裏剣だ。


「武装を増やすか。流石にこれだけだと手抜きも良い所だ」


 そう言うとアンブラは部屋の壁に飾られているグリップが太めな短剣を取る。そのグリップを捻ると、それはガシャ! と伸びて槍になった。

 この槍もドワーフ製だ。かさばらない槍であり、ドワーフ達はこの槍を大昔にアンブラの部族に伝えたのだ。部族の者達は幼少の頃に初めて触れる多くの武器はこの槍だ。最初に学ぶ武器である。

 アンブラも一番得意で、信頼を置く武器はやはり槍だ。

 軽く振ると、空を切る音がする。そのまま彼は槍を振るう。その動きには淀みは無く、的確に獲物を殺す突きと斬撃を繰り出せるだろう。

 この槍は刀身に二つ魔石がはめ込まれており、それは属性ではなく便利な無属性魔法だ。強度を増す、そして、遠くへ飛ぶ魔法が付与されている。


「やっぱりこれが無いとしっくりこない。これからはいつも持ち歩くか」


 槍を短く治すと、彼はそれを作業台の上に置く。

 次に彼はメイン作業台の横にあるテーブルに向かう。ガントレットからエルフの浄剣を取り出すと、教会で作られた聖水に剣を浸した。浄剣は清潔な水で洗った後に聖水へと浸す。すると、切れ味と剛性、浄化の力が強まるのだ。浄剣とは、持ち主の手入れによって成長する剣だ。


「この剣も随分と強くなった。今や、並のアンデッドは一撃で浄化し、闇の眷属はこの刀身を見るだけで怯む。兄者の武勇の証。俺が継いだ……いや、今は明日の狩りだ」


 アンブラは呟くと、次はドワーフの魔剣を取り出す。

 そして、砥石で研ぎ磨き始めた。ドワーフの魔剣は魔石を変える事で、魔法を少し使用できる。彼は魔石を外すと、出血の魔石から斬撃を強化する魔石に嵌め直す。

 アンデッドスパイダーの糸は強靭だ。剣で斬れなくては絡めとられて毒を打ち込まれてあっさりと死ぬだろう。

 ガントレットも点検する。剣を収納、固定する魔法の動作確認。刻まれた魔法陣の起動確認。これらも異常は見られない。

 棒手裏剣はだいぶ今日で使ってしまった。

 アンブラは鍛冶屋から仕入れていた棒手裏剣のストックを確認する。


「また仕入れないとな。出来るだけ回収したいが、それも難しい。数本は浄化のルーンで行こう。出血の魔法は腰に差す短刀でいいか」


 アンブラは雑に数本をストックから取り出すと、作業台の上に置く。

 その他にも、壁にある片刃の刀を手に取る。

 この刀は、東の国の技術で造られている。これも、信用できる武器の一つだ。柄にある窪みに出血の魔石をはめ込むとそれも作業台へと置いた。


「武器はこれくらいでいいな。鍵縄も欲しいが、明日鍛冶屋で買うか」


 アンブラは装備を整えながら楽しそうに笑う。

 色々あるが、やはり狩りは楽しいのだ。


「解毒薬も調合しなければな。傷のポーションも持って行くか」


 静かな空間に、彼の独り言が響く。


独り言のように

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