第1話 ざまぁの鐘が鳴る朝に
登場人物の設定を変更して、書き直しました。
すいません(;´A`)
誤字脱字や、ちょっと分かりにくいとか、ありましたら
御教授くださいませ。
白亜の大広間に、ざわめきが渦巻いていた。
豪奢なシャンデリアの下、金髪碧眼の王子──リオネル・ド・グラントは、茫然と立っている。
本来なら、ここで涙を流す役なのだ。
マリエル・フロレンス嬢が高らかに叫ぶ。
「リオネル王子! あなたの行いは、到底許されません! アンリエット様を泣かせ、他の令嬢たちを弄び……!」
群衆がざわめく。
この瞬間、ゲーム内では“バカ王子”リオネルの人生が終わる。
断罪、国外追放、そしてプレイヤーはすがすがしく次の攻略対象へ――。
だが。
リオネルの唇が、ふっと笑みに歪んだ。
「……ああ。やっぱり、そういう展開だったな」
その一言で、マリエルの動きが止まる。
そして彼の中に、ざらりと記憶が流れ込む。
かつて王族として生きた“自分”の記憶――。
姉たちに囲まれ、女心に翻弄され、戦場に散ったあの人生。
(……また、王子か。懲りないな、俺)
だが今回は違う。
周囲の侍従も、兄王子アーロンの冷笑も、
“前世を思い出したリオネル”には、まるで茶番劇に見えた。
「マリエル嬢。僕があなたにした“罪”とやらを、もう一度説明してくれないか?」
「えっ……?」
「できれば、証拠つきでね」
その声音は穏やかで、どこか柔らかく。
だが、広間にいた誰もが息を呑んだ。
“バカ王子”のはずのリオネルが、まるで人を試すような眼をしている。
アーロンの眉がわずかに動いた。
マリエルの唇が震える。
「そ、それは……貴方が、アンリエット様を――」
「……泣かせたのは、僕じゃない。泣いた理由を、君はちゃんと聞いたのか?」
静寂。
ほんの数秒の間に、空気が変わる。
リオネルは、ゆっくりとマリエルの手を取った。
ゲームの中では“悪役王子断罪”の場面のはずなのに、
まるで“王子がヒロインを慰める”イベントのように。
「君が正しいと思うなら、それでいい。でも――君の瞳に、まだ迷いがある」
「っ……!」
マリエルの頬が紅潮する。
断罪のはずが、攻略フラグが立つ音がした。
(……はは。なるほど、これが“乙女ゲーム”ってやつか)
リオネルは、軽く息をつき、笑う。
その瞬間、前世の姉・セレスティアの声が脳裏をよぎった。
『リオ、ちゃんと恋愛ゲームくらい、やりなさいよ。女の子の気持ち、分からないままだとダメだからね?』
(……お姉さま。俺、今度こそ“ちゃんと”やるよ)
断罪の鐘が鳴る。
だが、誰も気づいていなかった。
この日を境に、“乙女ゲーム《ロイヤル・メモリーズ》”のシナリオが、
静かに崩れ始めていたことに――。
少しずつですが、書いていきたいと思いますので、宜しくね。




