プロローグ
「姉たちに乙女ゲームをやらされた俺は、攻略対象として転生した」
~プロローグ~
王国の第三王子ルシアンは、生まれながらにして「王家の末っ子」で「五人の姉たち」に囲まれて育った。
泣けば誰かが抱き上げ、失敗すれば誰かが代わりに謝ってくれる。そんな温室育ち。
だがある日、彼はひとつ上の姉・第五王女セレスティアに言われる。
「ねぇルシアン、ちょっとこの乙女ゲーム、代わりにプレイしてよ。私、忙しいの」
渋々コントローラーを握ったルシアン。
ゲームのタイトルは──《薔薇と王冠の恋歌》。
王子や貴族たちを攻略する乙女ゲームで、彼が操作するのは“脳天気なバカ王子・リオネル”。
プレイ中、彼は思わず笑っていた。
渋々コントローラーを握ったルシアン。
ゲームのタイトルは──《薔薇と王冠の恋歌》。
王子や貴族たちを攻略する乙女ゲームで、彼が操作するのは“脳天気なバカ王子・リオネル”。
プレイ中、彼は思わず笑っていた。
「うわっ、こいつ本当にバカだな……
でも、悪いやつじゃないのかも。」
──しかし、次に目覚めた時。
彼はその「リオネル王子」そのものになっていた。
しかも、ゲームのストーリーはヒロインによってバカ王子が破滅させられるルートの真っ最中。
「裏切り」「婚約破棄」「民衆の怒り」「断罪イベント」──ざまぁフルコースだ。
「……え? 俺、ざまぁされる側?!」
こうして、前世は姉にいじられ、今世ではヒロインにいじられる王子の奮闘が始まった。
だが、彼の中身は姉の教育で鍛えられた“庶民力”と“処世術”の塊。
物語の進行を知る転生者として、
彼は次第に“ただのバカ王子”から“誰も知らない英雄(バカ?)”へと変わっていく——。




