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スラムバレット  作者: 穴掘りモグラ
221/238

バハラタ都市へと

シドとゴンダバヤシのレースが終わる。

縺れ合いながらもゴールを先に潜ったのはゴンダバヤシであった。

「よっしゃーーーー!!!!」

大きくガッツポーズを決めながら旋回して戻ってくるゴンダバヤシ。その後ろをシドもついて来てデンベやフィアの前にバイクを止めた。


「くっそ~!もうちょっとだったのに!!!」

「はっはっは!コース取りが甘ぇーぞシド。それじゃレースには勝てねーな!」

機嫌よく子供の様に笑うゴンダバヤシ。

エリア管理企業の取締役が楽しそうに笑っている姿を見て、驚きを隠せないフィアであった。


「・・・・・・普段からこの様な方なのですか?」

小声で護衛のデンベへと質問する。

「シド達と相対する時くらいですね。素の顔が表に出るのは」

声を潜め返答を返してくるデンベ。これくらいの情報なら問題ないと判断したのだろう。

返答したデンベは無表情であったが、ゴンダバヤシを見るその目はどこか穏やかなものがあった。重役とは言え人である。どこかで息抜きは必要だろう。

ゴンダバヤシにとってシドと相対する時がそれに値するのかもしれない。


「おっちゃんもシールドの上を走れるようになったんだな。結構練習したのか?」

「・・・まあな。俺もやるもんだろ?」

「おう!迷いが無かったからな!俺も頑張らねーと!」

「はっはっは!おう!頑張れ小僧!」

大きく胸を逸らし大笑いするゴンダバヤシ。


実際にはゴンダバヤシはシールドで足場を作る訓練等していない。

あの後、トラブルの連続でその様な時間を取る事など、彼には不可能だった。しかし、彼は当時兵器開発部門の部門長だ。

自身の持つ権利で、自分の想定したシールドロードを生成できるシールドスーツのサンプル開発を部門に命じていたのだ。

当然命令を受けた研究員たちは困惑した。

コレが何の役に立つのか?と。

銃弾を弾くのではなくバイクの重量とGに耐えられ、しっかりとタイヤがグリップできるシールドの道を作れるスーツを作れと言われても意味が解らなかった。

だが、部門長からの命令である。彼らは必至に研究し、短時間で脳の思考を読み取り、着用者の思い通り、且つバイクの重量と速度、圧力に耐えられる最適なシールドを発生させるシールドスーツの開発に成功した彼らは間違いなく優秀な研究者と言えるだろう。


数年後、この技術を取り入れたタイヤ式バイクがワーカー達の間で評判になり、喜多野マテリアル・リバーケープ・唐澤重工がそれぞれ商品をリリース。

ワーカー達のバイク需要の50%を喜多野マテリアルとリバーケープが占有し、空前の大ヒット商品となり、危険地帯のみの空走許可が大量に発行される事態になるのは、また別のお話・・・・



2人のレースが終わると、ライトも武器の選定が終わったようだ。

彼はバランス型を選択し、バイクもエネルギーガンもそのまま受け渡される。


「俺達はバハラタに移動しようと思うんだけど、問題ないかな?」

シドがゴンダバヤシに尋ねる。

「ああ、ミナギ都市の事は俺達に任せておけ。お前等はワーカー活動に精を出せばいい」

ゴンダバヤシからの許可も貰い、スラムバレットはミナギ都市を後にすることになる。

しかし、ラルフも新しい同行者であるフィアも今すぐに出発できるかと言われればそうではない。他都市へと移動するのであれば、それなりの準備が必要となるし、シド達も弾薬等の消耗品や食料の買い出しを行う必要があった。


翌日、準備の終った2人とワーカーオフィスで合流する。

「これからよろしくね。シド、ライト」

フィアは2人に向かって笑顔でそう言ってくる。

「ああ、こちらこそよろしく」

「よろしくお願いします」

「次はバハラタでしたね。何か予定はあるんですか?」

ラルフがバハラタでの予定を聞いて来る。

「まずは唐澤重工の本社に行ってみようと思うんだ」

「・・・唐澤重工ですか」「唐澤重工・・・」

バハラタ都市を本拠地にしている唐澤重工は、ワーカー業に携わる者たちには色んな意味で有名だった。

突飛な発想と高い技術力で、ユーザーを選ぶ装備を生産する変態企業である。

「俺の防護服が壊れちゃったしさ。クレームの一つも付けてやろうと思って」

シドの防護服は壊れたというより壊したと言った方が良い。

外部からの攻撃であるなら分かるが、内部から即死級の電圧が流れる事を想定をして防護服を作成する企業などないのだから。

「・・・そうですか」

ラルフは不安であった。


ピーキーな性能を持つ兵器を好んで作る企業と、スラムバレットが混ざった場合、どの様な化学反応を起こすか分かったものではない。

それに、スラムバレットには旧文明のオートマタが追従している。

イデアのボディーを唐澤重工の研究員たちが目にすればどの様な騒ぎになるか・・・・

今から不安でいっぱいだった。


だがスラムバレットの行動指針はリーダーであるシドが決定する。

ラルフがごちゃごちゃ言うのは筋違いというものだ。


「よし!バハラタ都市に向かって出発!!」

「りょ~か~い」

4人はT6に乗り込むと、バハラタ都市に向けて荒野へと飛び出していくのだった。


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― 新着の感想 ―
最近キクチが余裕かましていて淋しい。 心身を消耗して朝から瞳孔かっ開いてるくらいがいい。 そろそろシドも賞金首扱いにならんかな?
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