表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/45

呪いの解き方?!



「まずは御礼を申し上げたい。レナトゥス殿と申したかな?よく私の目配せを気づいて下さった。」


落ち着いた男の人の連れが駆けつけて、ゴロゴロと倒れていた人々はあっという間に消えた。もちろん、お姫様もな。

レナトゥス…目配せを分かるとはやはりイケメン枠は皆、ナンパのプロに違いない。昔、聞いた事がある。ナンパとは目で決まるって!!(うーん…最近所々記憶が蘇るけど、内容が問題なんだよ。なんで屈辱系ばっかりなんだよ…)


「名前は知らぬが、其方はバンデ王国の王太子ではないか?まあ、今は単なる一地方になったかもしらぬが。」


お歌い師じゃないよな?

むっ。勝手に潜り込んだ癖にクザンの奴、可哀想な目でこっちを見るなよ。

分かってるって。和まそうとだな…。


「主人はな、コレでも良い所もある。が,今は無視してくれ。で、要件を聞こう。」


むっ。しかし、彼はせっかくの賄賂の和菓子セットに手をつけずため息とは…よほど深刻な内容なのだな。



「ダイエットを手伝って欲しいのだ。」


ぱこっ。


ハリセンはこういう時に活躍するな。

え?何でラスさんと護衛の人が戦い出したの?


「やめよ。普通に聞けば誰もが笑うのだ。だが、事は深刻なのだ。我が国は今や存亡の危機なのだから。」


良かったよ、王太子さんからの止めが入って。ギャグは命懸けとお笑い芸人が言ってたのは本当だったんだな。ハリセンを握りしめながら彼の目を見て固まった。

そこにあったのは本気で憂う人だったからだ。

本気の人間には、こちらもマジに向かい合うべきだ。しかし、笑みを消して聞いた内容は深刻だった。


「呪いなのだ。」


まあ、俺も肥満は呪いだぁーー!!と叫ぶ女の人を見た事は何回かあったけど。この世界の呪いと言う言葉の重みは違うようだな。あのキリの顔色の悪さが何よりの証拠だ。


「気づいのは半年前だった。そして気づいた時には深く街中に浸透していた。それこそ我が妹も、だ。なのに、なす術がない。呪いを受けた者達は、何でも食べる。それこそ毒キノコですらだ。命を落とすより食欲が勝るからこその『呪い』なのだ。」


沈黙が続く。

信じられない。だが握りしめた彼の手から滲む血の雫が教える。彼の口惜しさを。


呪い。

全く知識はないが、何と恐ろしいモノなんだ。


「いったい誰が?」キリが震える声で聞いた。


「分からない。分かれば苦労はしないが。」


打開策すらない我々に訪れたのは長い沈黙だ。


俺も呪いなど知らない。

でも、ダイエットならば少しだけ知識がある。もしかしたら…。


「な、レナトゥス。旨味成分のあるキノコを探せないか?それと港町はないか?」


とっぴな俺の台詞に相手方からはキツネにつままれた顔が見えた。だけど、仲間たちは違う。


「さすがはカズキだ。もう思い付いたんだね!!」興奮して聞いてきたクザンの期待のこもった瞳がちょっと辛い。だって、上手くいうかどうか。でも…やれる事全てやる。

危機的状況は、藁にも縋るべきだと思うのだ。



「それと、積んできた食べ物をお配りしてくれよ。また、作れば良いんだから。呪いで止まらない人達を一旦、止めたいから…」


頷いたラスにホッとする。こういう場合のラスは頼りになるんだ。ほら?もうキリに命令して動いているし。走り去ったラス達を見てたらレナトゥスが助力を呼ぼうと言い出した。でも…。


「ならば、カレン姉さん達にも助力して貰うべきだな。取り敢えずアルクトスの元へ転移してくれ。」


転移って、まさかの俺に言ってるのか?!

レナトゥスも冗談が過ぎるな…あ、そうか。

命令がないと部下はやれないって意味だな。

よしよし、了解!!


「レナトゥスはとべぇー、アルクトスの元へ!!」「それはっっ」


消えた、消えた。

ん?何か言いかけた気がしたけど、アイツならすぐに帰って来れるしな。


「大丈夫だよ。カズキの事は僕が守るから!!」ん?クザンにルーナスってば両手広げてそんな事を言ってくれたんだよ。可愛いなぁ。もちろん俺も二人を守るぜ!!


何故…無言?!


「と、とにかく。君に託すしかないのだ。だから必ず私が守ってみせるから。」


おや?王太子って気さくな人柄なんだな。

良かったぁー。


さて。

旨味作戦に取り掛かるとしますか。。



***


我が君の心労がいかばかりか、察するに余りある。だが、役立たずの我が身が不甲斐ない毎日だ。


そんな時我が末の姫さまの脱走が秘密裡に報告された。そう、王族でただ一人呪いを受けたから監禁していたのだが。

側仕えは堪らなかったらしい。その隙を突いたのだ。付き従うのは忠誠心と猪突猛進を勘違いした輩だ。


妹君を心配される我が君が、父王様に逆らって抜け出したのはその直後。遅れをとった我々が駆けつけた先にいたのは…なんと行方不明だと聞いていたフリド殿らしき人物で。


恐らく、我が君もそれに気づかれたらしく、見慣れぬ輩と話し合いの席にいた。(ヌケサクとは言え姫君直轄の近衛隊が全て気絶されられていたのは驚いた…)


油断なく見ていれば、なんと油断していた少年が我が君の頭を。。思わず抜刀した私を止めたのは予想通りフリド殿だった。


睨み合う私を止めた後の展開は、全く予想外のモノだった。



そして最大の驚きは、あの少年から齎される事になるのだ(まぁ、あの容姿で成人している方が驚愕したが。)





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ