ココに存在しない場所で…。
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
未熟なこのお話にお立ち寄り下さりありがとうございます。
ちかず
ー王城の会議室ではー
「それでは、捜索隊が解散した件については満場一致とする。宜しいか…」
当然、反対はない。
唯一反対していたのはガーエン国主だけだ。まぁ、既に『元』国主だがな。
彼の活躍でこれまであった国を一つに纏め上げるのを邪魔する者はいなくなった。
後は傀儡を作るのみだったのに。
逃したのは痛かった…。その為に優秀な騎士団すら失う事になったのだ。
しかし、さすが異世界からの招致者だ。
逃げ出した勘の鋭さにはワシですら予測不能だったのだ。アレこそ異世界の救世主らしい能力だな。
行方を特定するのに暫く時間を要したが、呆気なく見つかったのだ。
まぁ、邪魔になるようならば影を使うしかないが今のところ無害そうに見えるから見逃してある。
だが…。
気になる事もある。
時折、奴の存在を感じられなくなる瞬間があるのだ。紐をつけてあるのに不思議だ。あれほど強固に…。
今一度、紐を呼びつけるかな。
暗示が解けるはずはないが、念のためだな。。。
***
穴の中は、程よい暖かさで満ちていた。
まるで巣穴のようなこの場所にぼんやりとした灯りもある。色々ツッコミどころ満載なのをこの際無視して尋ねた。
「ポンタ、何者?」
もみじの手のひらを口元に持っていったポンタがクスクスと笑う。
「分からないのに、ココに来たんだね。そうか…記憶を封じてるのか。」
ポンタの目が一瞬、赤く光ったなんて見てないから!!
「この場所は、今はない場所だよ。ソレが導いたんだね。久しぶりだねレナトゥス。」
え?レナトゥス?!
振り返るとレナトゥスがその場に跪いていた。
「我が主人のあるところに、吾は在る。」
「ククク…レナトゥスの台詞とは思えないなぁ…。」
まだ笑ってるよ、ポンタ。
でもさ俺は気づいている。ポンタの目が笑ってないって事を。
「じゃあ、この場所にワザと連れて来たんだな。ソレは面白い。」
「あのさ、俺を置き去りにして何の話だ?この場所の説明は?」
二人の意味ありげな会話にブチギレて俺が割り込むとポンタが真顔になった。
「奴らに捕まらずに、この場所の出口を探してみせろ。『いにしえの扉』へのヒントがある筈だ。」
その台詞聞いた瞬間、俺はまた公園にいた。ひとつだけ違うのは、レナトゥスが側にいる事だ。
「主人よ。この場所に捉えられると抜け出せなくなる。だから振り切ってくれ。約束してくれるか?」
せ、迫りすぎだよ。思わず頷いちゃったじゃないか!意味不明なのに…。
ガチャガチャガチャ…、
また、あの音だ。
「こっちだ!」
レナトゥスに手を引かれて走り出す。何故転移魔法を使わないのか?と聞けば。この場所では魔法は使えない。
自分も剣には戻れない…らしい。。
ええーーー!!!
じゃあどうするの?
「大丈夫だ。必ず道はあるはずだ。」
きっぱり話すレナトゥスを信じて、いや走るのに息が切れてそれ以上の質問は出来なかっただけだけど…。
祭りに間に合うように帰りたい。
そんな事を考える俺は、レナトゥスの必死の形相を気づくはずもなかった…。




