表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/45

お祭りをしよう!!のはずだったのに…。



香ばしいソースの香り。

醤油の焦げた匂いが立ち込める。


そんな夢を見た…。


夢の中で俺は乏しい記憶の中にある祭りに来ていた。懐かしい風景だ。そんな思いが込み上げる。

ねじり鉢巻のオヤジの作る焼きそばを350円で買って食べようと口を開けた瞬間だった。



夢から覚めた。。


俺は決めた(怒ったとも言う!!何で夢って食べる前に覚めるんだぁーー!!)

もう、こうなりゃソースの開発をするしかない!!

そしてこんな時、やっぱり頼りになるのは『タンラ』のお婆さんだ、と乗り込んだのに。



いつの間に、俺だけノケモノなんだけど…。

張り切ってみんなをソース作りを引っ張っているのは、何故かフリドの部下の一人で、確かキリ。

そんな名前だった気がする。ソースの味、俺の説明で1発理解とは出来るな男だな(クッソぉ。イケメンの癖にやるな…)


「お婆さん、野菜の種類をもう少し増やしてみて下さい。特に香菜があるといいのだけど。」


なんと言う的確さ。


と、なれば必要なのは麺だな。とお爺さんの方を振り返れば…あれ?


「ですから、コシを出さねばならないのです。」

こっちは、アルクトスかよ、しかも的確。


じゃあ鉄板がいるよな、屋台も作って…あ。


「人手を集めろ。各自、屋台作りに取り掛かれ!!特に鉄板の下に火魔石を置く場所の安全性に注意せよ!!」


フリド以下工作部門、総出なのか。しかも仕事が早い。


お祭り開催が決定なのね?

やったー。めっちゃ楽しみだーー!!


でも暇だ。やる事がないんだよ。。。


麺のついでにラーメンもついでに作ろうと思ったのにこちらも既に動き出してた。

カレン姉さん一家がラーメン作りに張り切ってるし。(最強と呼んでたのがバレて…あー思い出したくないよぉぉ。カレン姉さん呼び一択です。、)

バスクさんが大量の獲物を仕留めて来たからチャーシュー作りはガラ達兄弟の役目だ。



と、言うわけで暇な俺は街中に一人きり。


いつも付いてくるレナトゥスはアンナさんとラーメンの味付けが、塩味、味噌味のどちらか一番かで揉めてたから置き去りだよ。


公園が最近出来たと聞いて遊びにきたんだ。

あの後、領主さんがやたらと『タンラ』に来るから。


「公園欲しい」と口を滑らしたら。


翌日には街の端にある領主さんの庭が公園になってたのに、絶句した。行動力がエゲツないな。


でも、公園が素敵な場所になってるから良いか。

ブランコとかないけど、ベンチに花壇。

並木道。木漏れ日。癒される…。


陽だまりの中で俺がぼーっとしていたら、いつの間にか子供達に囲まれてた。



「ねえねえ、暇でしょ!!遊ぼうよ!!!」



いいさ!!

暇だからね(別名、役立たず…)

小学生くらいの子供達に囲まれてた俺は、鬼ごっこを教えて盛り上がる。歓声をあげて逃げ回る子供達を捕まえようと走り回っているうちに。。


「ねえ、ポンタが居ないよ。何処に行ったのかな?」と女の子が言い出した。



え?

一二、三…あ、ホントだ。

一人足りない。不味いな。


「ポンタはチビだから迷子になったら大変だよ!!」と、慌てる子供達に引かれて街外れまで来た。


「ポンター?」と皆んなで呼び合っていたのに。


ん?


あれ?子供達は何処言ったんだ…。

気づけば誰も居ないじゃないか??


慌てて振り返ってドキッした。

何故なら、見慣れた街の様子がオカシイからだ。



だって…


何の音もしない。

何も動かない。


ゾクリと背筋に冷たいモノが走る。変な予感を胸の奥に押し込めながら歩き出す。

でもら、ゆっくり歩いていた足がいつの間にか駆け足になり遂には激走になる。あっという間に『タンラ』に着いた。


はぁ。ここにさえ来れば皆んながいるはず…。


ど、ドアが開かない?

窓から見る中身は、埃だらけで人のいる形跡がない。


何で?


まるで、人のいない異世界に彷徨い込んだみたいで心臓がバクバク音をたてる。


その時!!



ガチャガチャガチャガチャ…。



遠くから近づいてくる、異音が聞こえた。

音があれほど欲しかったのに。

気配があれほど欲しかったのに。


音のする方向と真反対に逃げた。

本能が無理だと言う。


アレに捕まってはダメだと。


だが、不思議と逃げても逃げても音が近づく。


「お兄さん。こっちだよ、こっち!!」



その時、地面の穴から顔を覗かして俺を呼んだのは…ポンタだった。



どうする?!

迷ったのは一瞬だった。


近づく音にビビりまくった俺はそのまま、ポンタを手を取った。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ