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『タンラ』の覚醒?!




この世界には五つの国が存在した。それを壊したのは、あの魔獣だったのだろうか?

それとも招来した異世界人だったのか?


後世の歴史家は何と言うのだろう。


ただ一つ言える事は変化には痛みが伴なる。

それが良い変化だとしても。。。



***


『タンラ』


甘い匂いが立ち込める店に叫びが重なった。


「信じられないーー!!この世にこんなに美味しいモノがあるなんて!!!」

興奮している最強(カレンママに相応しい呼び名だ…と言ったら殴られた。。)の横で姉御が人間の限界に挑戦している。


あれ何皿目だ?

たぶん…120皿くらいかな?

(姉御…まさかまだ食べる気じゃ。。)


お汁粉

お萩

羊羹

どら焼き


そして…たい焼き(大好物だぁー!)


何故か大福しかないこの世界のレシピに物申したのは俺だけど。それを実現出来るお婆さんも凄いよ。

グラン達がファンなのも分かる!!


でも、ここで次の怒声が響く。

「俺たちは何でこんなうまいモノを知らなかったんだぁーーーー!!!!」

ダラさんの声のデカさは耳が痛むから本気でやめて欲しい。あ、姉御の鉄拳制裁が来た!!


こちらは大豆ランドだよ。

それを作るのはお爺さん。


納豆…が欲しいけど煮豆でも美味しい!!

豆腐

油揚げ

厚揚げ


とくればバリエーションは広がるぅー!


更になんと味噌まで。

無言のままでけんちん汁を洗面器大の大きさで食べてるのは、父(最強の足の下にいた人ですよ…)が超難しい顔でおかわり10回目ですけど。


負けてられない人達がまだいた。

ヤランさん達ネスカ村の人達だ。


こちらはメープルシロップ祭りか?


ケーキ

クッキー

スコーン

パンケーキ


その全てにあのメープルシロップが使われている。

あれ?何故かヒーちゃん達まで。

もう鳥の姿で脅すのはやめたらしいオーツ(怖い青い鳥は人に変化しても怖い…イケメンすぎて。。)まで参戦中だ。


俺もその横で、美味しいモノが齎す幸せを噛み締めながらたい焼きをパクつきつつも、レナトゥスに小声で囁いた。


「なぁ、お婆さん達若返ってないか?」と。


明らかに肌の艶が、皺が、たるみが…。この変化に皆んな気づいていないのか?不思議に思いつつ聞けば、レナトゥスがこちらを睨んでるし。何でだ?



「主人よ。己のした事には責任を持つのが人間ではないのか?」


「待ってくれよ。俺はレシピを言っただけで。何もしてないし!!」

今、冤罪が生まれたぞ!

裁判長、意義ありです!!!


そう言って興奮する俺に疲れた表情のレナトゥスがため息混じりに言った。


「いいか?あのメープルシロップもコレの卵も。そしてコムギコやダイズも全て主人の吐息が掛かっているのだ。そりゃ食材も人も変化するだろう。」


ひっ!!

まさかの吐息問題とは思わなかったよ。


どうしよう…俺の唾がそんな責任重大なことを仕出かすとは。


「あー。やっぱり主人に理解するのは無駄だな。しかし、こんなに夢中のヒーやアルクトスは初めて見たな…」


え?

アルクトス??


まさかの元球(モトタマ)のアルクトスが人間みたいに食べるなんて思わなかったよ。



「まあ。ある意味アルクトスや吾は特殊なのだ。それよりも『タンラ』が有名になると困るのではないのか?」


ふふふ。レナトゥスめ、侮るなよ。

そんな事バッチリ考えているさ!!


あのヤランさん御用達の商人さんにお願いするのだ!!秘密裡に行商を進める。

店舗は、秘密のままで…。


「まあ、主人が良いならば吾に言う事はないがな…」

諦め口調がちょっとムカつくけど、レナトゥスが賛成してれたのでちょっと自信ついたよ。


ちょっと欲が出たんだ。

記憶は曖昧だし、見た事のないモノに囲まれて動揺していたけど。


美味しいモノ好きの俺を。


俺の夢が出来たんだ!!


美味しいモノ=正義 を集めたい。


開発してしたい。


もっと、もっと。。。


そしてそれを皆んなで食べたい。


そんな夢だよ、ってレナトゥスに言ったらイケメン力全開の笑みを向けられたから困ったよ。


でも、応援してくれるって言われて,嬉しかったよ。

ありがとう。。


美味しいモノって、凄いよね。


だってさ、人を幸せにするからね。

例え…一人ぼっちでも。。



***


「ここでもない。痕跡だけはあるのに…。

あれは。」


目に止まった屋台の親父と目が合う。

妙な間の後で、部下達を呼び寄せ夕飯にしようとすれば。


消えていた。


これはもしかして。。





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