シャブ中の老人
車イスの元ヤーさん爺さんがいた。
62歳のその男は色んな所で嫌われていた。
コンビニ、駅、飲食店、役所
色んな場所の従業員が男を嫌っていた。
何せ偉そうなんである。どこに行っても
「早よせい!遅いんじゃ!」とチンピラ風情
また、何回も来てて知ってるはずなのに駅で乗る時は改札の駅員、降りる時はスロープを敷く駅員に
「エレベーターどっちや!」
となぜか怒鳴りながら聞き、返事が遅いと
「早く言えや!」とさらに怒った。
駅に車イス対応でいる黄色いジャンパーの派遣の人達にも同じ調子で怒鳴った。
「お前何も知らんのか!黄色いしょうもないジャンパー着やがって!知らんのにナメてんのか!」
って感じだ。
コンビニでも
「コーヒー牛乳どこにあんねん!」
なぜか怒鳴りながらいつも買うコーヒー牛乳の場所を聞き、店員が
「あっちです」と答えると
「お前も付いて来いや!手ぇ届かんやろ!」
とさらに怒鳴った。
役所や飲食店は頼んで1分もしないウチに
「早よせいや!」と怒鳴る。
そんな何かに付けて怒鳴るジジイの誇りは
「俺はなぁ!深江橋組で鉄砲玉やったんや!だから車イスになった事は誇りや!お前らあんまナメた態度取ってたら仲間呼ぶぞ!俺は名誉勇退やねんぞ!」
と言っていたので、従業員や駅員、役所の人達はみんな深江橋組の元ヤーさんって事を知っていた。
しかし、みんなビビっていなかった。
いつも怒鳴るので慣れていた。
また、名誉勇退の割りにいつも1人なので、実は大したこと無いんじゃないかと思われていた。
しかし、そんな深江橋組のジジイはたまにめちゃくちゃ機嫌が良かった
満面の笑顔で来たらそうなので、分かりやすかった。
駅員やコンビニ店員に満面の笑顔で
「オレはポン中やってんや。いや、昔やで。昔の話やで。そんなオレでも今度な、飛行機乗って熊本行くねん。こんなポン中でも飛行機予約取れて感謝しますわ」
機嫌の良い時はポン中自慢もしていたが、みんな本性を知ってるので苦笑いだった。
また、駅員さんからしたら疑問が確信に変わった。
ある日、降りて来た時は怒鳴りチラシ、周りにいた客にも
「オレは車イスやねんぞ!お前らどけや!どけぇ!気ぃ使え!」
と杖をぶん回しながら歩いてたのに、10分くらいで帰って来た時には満面の笑顔で
「◯◯駅まで乗せて〜(笑)」
10分の間に何があったんや?
今もヤッてんちゃうんかと思っていた。
駅員さんの今もヤッてる読みは当たっていた。
実はこの車イスのジジイを警察はマークしていた。売人でもあったからだ。
さぁ、今夜が勝負だ。警察は意気込んでいた。
しかし
昼間、車イスのジジイが家にいるとチャイムが鳴った。
開けると、深江橋組の仲間が2人いた。
「おう!久しぶりやん!元気してるん?」
聞くと1人が真顔で
「…深江橋組の名前汚してるらしいな。お前、色んな所で深江橋組やった事言ってるらしいな」
「えっ?」
「駅に車イス対応のボランティアの人おったやろ?」
「黄色いジャンパーの奴か?」
「そうだ。その中の1人が組長の身内でな。エラそうに深江橋組や言うてたらしいやん」
「えっ?いや、あの…」
「シャブの話もしたらしいな」
「してませんよ」
ジジイはウソを付いた
パンッ!
もう一人の男が拳銃をぶっ放した。
近隣住民からも嫌われていたジジイなので、みんな銃声を無視した。
警察は男の遺体を見た。
日頃の行いやね




