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藤本落語  作者: 藤本GJ
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ムスッとさん

あのオバちゃんはいつもムスッとしてるねぇ。


いつも不機嫌そうな顔をしてるので、近所の人たちから『ムスッとさん』と呼ばれていた。


ただ、ムスッとさん自身は毎日愛犬の散歩に行ってるのでおそらく面倒見は良いはず。



顔で損するタイプだ。



ムスッとさん、話しかけると時おり笑顔になるが、笑顔からムスッとした表情に戻るのがまた恐かった。



ムスッとさんは「睨んでない」と言うが、こっちからしたら睨んでるようにしか見えない。


周りはビビって気を使っていた。




ある日、青年の散歩する犬とムスッとさんの犬が散歩中にケンカした。




それ以来、青年を見るたびにムスッとさんは睨むようになったが、元々睨んでるような顔なので青年も気にしなかった。



しかし、青年の犬とムスッとさんの犬がお互いの散歩中にまた鉢合わせをした。


その時、ムスッとさんは嫌そうな顔で青年を見て、別の道に逃げた。


ムスッと→嫌な顔の変化を青年は見逃さなかった。


「そんなにウチの犬が嫌ですか?」


青年は聞くと


「元々こんな顔なんや!」


ムスッとさんは若干怒りながら答えた。


「いや、それやったらコース変えなくて良いじゃないですか。」


「前にケンカしたやろ!」


ムスッとさんはキレた。




青年は黙って向こうの方に歩いて行った。



ムスッとさんはホッとした。内心ビビってた。





仲の良い友達にムスッとさんは青年とモメた話をした。ご近所さんから



「えっ?あそこの青年、だいぶ前に亡くなりはったで。あなたがこっちに越して来る2年ほど前」


「えっ!じゃあ私が見てたのは誰や?」


「俺だよ」



相手のオバちゃんの口調が急に変わった。普段"俺"なんて使わない。



「あんた、愛想良くしな死後の世界で知らんで。ウソでも笑いや」


直後、取り憑かれたオバちゃんは元に戻り


「まぁ、似た人とちゃうかな」


と答えた。




それ以来、オバちゃんはニコニコするようになった。



それはそれでご近所さんから気味悪がられ、『宗教』と呼ばれるようになった。

ムスッとしてたら周りが気を使う。


気を使わすとどっかでしっぺ返しが来る。

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