副産物
ホテルへと戻ったのだが…俺の予想通りの結果となっていた。
ミレイとアイラさんは辛うじて立っていたが、沙月とサキとカナタはベッドで固定されたいた。
「何あれ…どうしてああなったの」
とカレンが疑問を呈していた。
「長年の姿勢やらそもそもの筋肉の質を変えようとするとさ一朝一夕ではいかない訳よ…ただ、それって継続しないと戻っちゃう訳」
「ああ、確かに私もランも姿勢矯正するのにかなり時間かかった気がする」
「自分の身体を100%把握するために姿勢の矯正とか筋肉の調整とかするわけだけどまぁ治すには時間かかるわけ…」
そう、長い時間をかけてカレンとランは矯正した。
まぁ元々ランはほとんど出来ていたのでそこまでだったわけだが…恐らくカレンは『超回復』が良い方向に働いたと思われる。
「普通の人間だったら身体痛めるからダメなんだけど俺達の身体って丈夫な訳よ」
「それって…」
「固定し続けて筋肉や骨を痛めつけた上でポーションで治療すれば…」
「筋肉痛にはポーションは効かないんじゃ?」
「筋肉痛じゃない、いったろ…骨も筋肉も一度折ったり切れば良いんだよ」
と言った所で3人が固まった。
「じゃああの死屍累々なのは…」
「多分骨の歪みを折って矯正したんだろうな…」
俺でも気になる位には沙月とカナタ、サキの骨の歪みは気になっていた。
ミレイは比較的その辺りは優秀なので起きているのはそういう事だろう。
ちなみにアイラさんの姿勢が綺麗なのは恐らくバレエをやってた影響だろう。
3人がドン引きの表情を浮かべていた。
「いや、まぁほら一瞬で治るのはポーションのおかげだしな」
俺はそんな無茶はしていない、ただベッドで寝てる時に縛られただけで…。
「あら、戻ったのね」
「やると思ってたけど本気でやったんだな」
「筋肉の方はさすがにもう少し様子見したいから骨だけね」
今後の事を思えばここで矯正してもらっていた方が確実に力になる。
それを人体を知り尽くしている母がやったというのであれば何も文句はない。
「私とアイラさんは背骨だけだったので…まぁそこまでいや痛かったですけど…」
とミレイが答える。
「2人ともその重量物のせいね、少し削ろうかしら…」
「「ひぃ!?」」
と2人が声を上げる。
「冗談よ、そればっかりは生まれ持っての才能もあるから感謝しときなさい」
個人差はあれど胸の大きさは遺伝だったり骨格だったりと個人ではどうしようもない部分が大きいというのが母の言だ。
医学的に可能だって言うならもっと恩恵を受けてる人間がいるはずだそうだ。
大きくなりやすい人間にすることは出来ても、あくまでも最後は個人のポテンシャルによる所が大きいそうだ。
「ああ、衝撃の光景で忘れてたけどこれかどうか見て欲しいんだが…」
そういって赤い葉っぱを差し出す。
「えっなにそれ初めて見たけど」
と逆に驚かれてしまった。
「じゃあ目的の品じゃないのか?」
「残念ながら、それじゃないわね…ただそれは見たことがないわ」
と言って手に取る。
「私の『鑑定』でも判別不能ね。かなりレアドロップみたい」
「「鑑定!!!」」
俺と沙月が声を上げた。
他の皆も注目している。
「そんなに驚かなくてもソロで活動する上ではかなり便利よ。ちなみにランクアップスキルでその前は『判別』」
「誰がドロップしますか!?」
と食い気味に沙月が聞いていた。
「ネズミ系獣人を倒したらドロップしたわね」
獣人は一部のダンジョンでのみで出現するモンスターである。
それには理由があって、初期ダンジョンでは配置が出来ずたくさん来場するダンジョン等で配置されている事がある。
獣人系は階層そのものに設定される物ではなく人気なダンジョンでは、色々な階層に出現する。
しかし非常に逃げ足が高く、逃げられてしまう事が多い。
「なるほどレアエネミーのドロップなんですね…」
道理で手に入らないわけである。
目的の品ではないが、レアなドロップ品なのは間違いなさそうなので沙月から鑑定石を借りる。
鑑定結果は、赤い葉っぱ→【若返りの霊草】
自身の年齢を特定の年齢に戻す3つ薬の材料のうちの一つ。
「うぉい、とんでもアイテムすぎるだろ…」
その場にいた沙月以外の全員が驚きの表情を浮かべていた。
「まぁでもどこかにあるだろうなとは思ってました」
「そうなのか?」
「ダンジョンとしては健康でずっと潜ってもらえるなら得ですから」
「ああ、確かに…」
残念ながら材料の一つなのでこれだけでは完成しない上に材料も不明である。
「でも、こんなの判明したらとんでもないパニックにならないか?」
「長寿薬はすでにありますけど…あれは現状の肉体を維持する効果らしいのでこれとはまた別物ですからね」
長寿薬自体はすでに出土している。
それなりにレアではあるが、そこそこの数がドロップしている。
しかし長寿薬は現状の肉体の状態を引き延ばす薬であって若返りさせる薬ではない。
若い内に手に入れば現役の肉体年齢が伸ばせるので各国では現役の探索者に与える話になっている。
まぁ一部の国は既得権益者が独占しようとする動きもあるらしいが…。
「手に入らなかったけど45層へ転移は出来るようになったから今度は本格的に狩りまくれば出るだろ」
そしてアラクネを倒したときに手に入れた1本の糸を思い出した。
それも一緒に鑑定石にかける…。
低ランクの鑑定石では不可だった。
「こいつも激レアアイテムか…」
仕方なく鑑定石Aにかけると…。
「まじか…これであいつなんとか出来るんじゃないか?」
と沙月と一緒に顔を見合わせる。
棚からぼた餅的な感じではあるが…これで日和の件が解決出来る可能性があった。
◯あとがき
公開設定を忘れるという凡ミス。
失礼しました。




