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とある廃墟
それなりに復興が進んでいる日本であっても未だに廃墟となっている場所は、多い。
人口の密集地ほど被害が大きく、首都機能含め、主要都市部にかなりのダメージが入った。
地震には強い建造物が多かった日本ですら甚大な被害を受けた。
どんなに耐震構造をしていようと建物ごと奈落に落ちてしまうような災害には無力だったということだ。
そして都市機能自体を移転した所や、そもそも復興を諦めてそのままになっている土地も多い。
そういったデッドスポットが日本を含め世界には数多く存在している。
そういった場所は、犯罪に使われることも多く定期的に見回りを行っているのだがやはりそれにも限界があり今日もその場所で密談が行われていた。
「どうやら日本に二人目の魔力値Aが現れたそうだ」
「相変わらず危機管理能力の低い国だな」
探索者に対する防衛システムの構築が遅れている日本において情報はすでに筒抜けといってもいい状況であった。
「さて問題は、どうやって我が国に連れていくか、情報系の防衛はさておき連れ出すのは結構厄介だ」
「下手をするとアメリカも出てくるからな・・・本人が一人になった所をといきたいが監視の目が厳しい」
いまいる廃墟のような場所の監視は薄いがすでに復興済みのところは最新のセキュリティシステムが設置されており、潜入自体が難しい。
「人的被害には敏感な国だからな、陸路がない以上海路か空路になるが、正規ルートは絶対に不可能だ」
飛行機と船に関しては、セキュリテイが厳重過ぎて拉致監禁で輸送なんてことは不可能だ。
本人が自発的に乗るのであれば問題ないがターゲットにはすでに渡航制限がかけられており不可能。
家族を人質にする作戦も天涯孤独の身では効果はない。
「魔力値が高い人間は高確率で身内がいないことが多いのは何か理由があるのか?」
「閣下なら知ってるかもしれんが我々には理由はわからん」
そんな話をしつつも二人は計画を詰めていく。
「やはり本国から応援を派遣して貰わなければこの任務は不可能だ」
厳重な警備、監視をされている中で拉致することは困難だという結論が出た。
そしてそれを解決できるスキルを持った人間を本国から呼び寄せる事となった。
「まだ警戒の薄い今がチャンスだ、迅速に作戦を遂行する」
通常魔力値Aともなると国家として厳戒態勢を敷くことになるのだが日本の探索者に対する地位は低い。
国としての重要度は、有名スポーツ選手位の扱いに留まっている。
高魔力値持ちが注目されてきたのはつい最近であり、日本はまだそれに追いついていない。探索者に対する待遇も悪く世界的に見ても下から数えたほうが早い。
すでに各国では高レベルの探索者は、国賓級もしくは国の中枢で働かせていたりとかなりの地位を与えられており警備も厳重な上に本人達も生半可な強さでは手が付けられなくなっている。
「しかし、そんな状況でも日本人は、日本を捨てないのはなぜだ?」
「正攻法の勧誘を行っても成果は芳しくないからな」
これまでに有能な探索者に声はかけているのだが、獲得出来たのは5人に満たないほどだった。
「愛国心だけは、高いんだよな日本人は・・・」
「今回は正攻法では不可能だ。しかし、諦める訳にはいかない。この任務が成功すれば俺達は、一気に幹部候補だ」
魔力値Aを本国に連れ帰ったとなればこんな諜報活動員ではなく本国で幹部待遇で迎えられることを約束してくれた。
「最後の仕事だ、しっかりやりきるぞ」
「当然だ、今まで日本で準備した仕込みをすべて使ってでも達成してやる、そうと決まれば・・・」
そう言ってある人物にメッセージを送る。
「しかし、切り捨てるには勿体ないな」
「所詮魔力値だけなら大した価値はないやつだ。優先順位を間違えるな」
「わかっているさ」
二人を巻き込むある計画がすでに始まっていたが当人達には知る由もなかった。




