自主練習
安全の為に、夜はダンジョン内で過ごすようになり便利になったことがある。
鍛錬が捗る事だ。
寝る前にもスキルの練習をすることが出来るのでとても捗るようになった。
「ほんとに訓練が好きねぇ」
シトリーが声をかけてくる。
「まだまだ未熟だからな…それに魔力もないんだから色々考えないと」
俺の運用出来る魔力は非常に少ない。
考えて…そして最大の効率を考えないといけない。
普通に魔力があるのなら電気操作もあんなピンポイントで狙わなくても放射して感電させた方がよっぽど効率が良い。
磁界操作に関しても魔力があればもっと大量に発生させて撃つ事も可能だ。
触手に関してももっと魔力があれば大量に生やして伸ばす事も出来るのだが俺は伸ばすことが出来ないので生やした触手を繊細にコントロール出来るように心がけている。
「物理無効の敵が出てきたらなんもできないのがなぁ…」
俺の攻撃は、物理に偏っているというかほぼ物理攻撃しか出来ない。
電気操作の攻撃は一応通るかもしれないが俺の電気操作ではほとんどダメージは与えられない。
「大放電とかしてみたいなぁ」
実際これを落とした敵は雷を落としていたのでその気になればやれるということだ。
「こっちは練習しないのぉ?」
といって俺のデリケートな部分に手を触れてくるシトリー…。
絶倫スキルの事を言っているのかもしれないが…
「使用予定がないからな」
「くっ無駄な精神力…」
反応しない俺の事をいっているのだろうが実際の所、現状は理性が働いているのでなんともないが不意なときにどういう反応をするのか怖くはある。
「振動操作も覚えたけどこっちはイマイチ使い方のイメージが出来ないんだよな」
振動とはそれだけでエネルギーであり色々と応用が可能な能力なのは間違いないのだが…その応用方法が難しい。
「それこそ頭を振動させてやればいいんじゃない?」
「それは電気操作と役割が被るからなぁ」
現状脳みそに電気ショックを流せば麻痺状態に出来る事は確認済みだ。
脳を揺らして脳震盪を起こしたとしても結果としては似たようなものだ。
まぁモンスターに関しては倒してしまうのであれば脳震盪を起こして気絶させることができるのであればそっちのほうが都合が良さそうだ。
そもそもの振動という動作についての理解が薄いせいもあるので先ほど地上に行った時にダウンロードした振動という現象についての本を読み理解を深める事にした。
そんな俺に抱きついてくるシトリー。
「練習をやめたと思ったら勉強ってほんとに勤勉ねぇ」
「勤勉ねぇ…まぁ親の背中を見て育ったからな」
母は2人とも俺の前では緩い姿を見せてはいたが、俺の見ていないところで必死に努力をしている姿を俺は隠れて見ていた。
日々筋力、歌などのトレーニングに励む聖歌、日々ミステリー作家として色々な知識を学んでいた京香…2人の頑張りを見て育った身としては努力をするに越したことはないと思っている。
勤勉か…俺は沙月と会うまで…いや魔力を得るまでずっと努力を怠っていた。
日々を生きているだけ…そんな俺が勤勉になったのは沙月と会えたからに他ならない。
きっかけは彼女を守らないといけないという義務感からだったのかもしれないが、俺の能力を見出してくれた恩みたいな物を感じている。
だからこそあの時、彼女を危険に晒してしまったことをとても後悔している。
もっと強くならないと。
しばらくは、沙月と行動を共にするので今後の方針も含めて沙月と話あった。
対応力を上げるという方針になったので物理耐性持ちに対する対処法を模索しているのだが突破口が見えない。
「なんかいい案はないか?」
シトリーに問いかける。
「…現状では無理ね」
何か思わせぶりな言い方をしているが現状では無理というならその方法は使えない。
将来的にというのならその将来に届くように努力を重ねよう。
ある程度身体を動かしたので風呂に入る。
せっかく特注した風呂場だったので残念ではあるがこのホテルの風呂もかなりのものなので満喫させてもらう。
そしていつも通り入ってくるシトリー。
「普通、女性のこんな姿を見たら反応するのが礼儀だと思うのだけど?」
といって思わせぶりに身体を見せてくるシトリー。
「なんか毎回見せられたせいでありがたみというか新鮮さが無くなってきた」
「はぁ!?」
と怒った様子のシトリーは、ふんっと言って身体を洗っている。
実際の所、理性で必死に我慢している状態である。
勘付かれた瞬間に何かが終わる気がしているので本当に必死である。
そのまま身体を洗い終わったらそのまま湯船に入ってくるのだからさらに困る。
俺にもたれるように入ってくるので
「おい、少し離れろ」
「そういう作りになってるんだからこう入るのが普通でしょ?」
この色欲悪魔め…。
俺がその気になったとしてもシトリーには何も出来ないのだから結局俺が悶々とするだけである。
それを考えると冷静になり落ち着くことが出来た。
「力を得られるとしたらどこまで代償を払える?」
「死なない程度なら」
先ほどの強くなりたいという話の延長なのか急に話を振られた。
死なないのであればある程度の代償は払うつもりはある。
「即答するのね…とりあえず魔力を上げなさい。共有ではなくあなた自身の魔力をね」
「りょーかい」
まぁ出来なくはない。
他人頼りになるのは情けないのだが当てはある。
「ワタクシを抱かないとだめって言ってたらどうしてたの?」
「そんな条件を提示しないと俺をその気にさせれないことをお前が許容できるのなら諦めるさ」
「くっ…」
それなりに長い付き合いなのでシトリーの考えがなんとなくわかるようになってきた。
実際にそういう条件だったとしてもシトリーがそれを条件として言い出さない事は予想していた。
「ちなみにそれが出来たらどうなるんだ?」
「それはその時のお楽しみ」
「さようで」
まぁ予想していた返しでもある。
そして、すぐに風呂をあがり寝支度を整えベッドに横になった。
色々と限界だったのでシトリーはトイレに放置した。
置く直前に何か言おうとしていたのだが無視である。
今日は調子に乗りすぎだと反省を兼ねてでもあったが今日はアレをしないとさすがに我慢出来そうもなかった。
そして『絶倫』の効果を初めて自覚すると同時にその効力に恐れ慄くことになった。
これは、誰にも言えない…そして2度目の風呂に入ってから就寝することになった。




