スキル報告会
かなり強いオークだったのでスクロールに期待した。
戦闘に役立つスキルを多数所持していたのでそれのどれかがドロップしてくれればと思っていたのだが…。
「これはちょっと…」
そういって拾ってきたカレンが気まずそうな顔をしていた。
「まさか絶倫か?」
オークの上位種族だったので同じように絶倫スキルは所持していた。
気まずそうな様子のカレンからもしかしてそれがドロップしたのかと思ったのだが…。
「いえ、うーん…これです」
そういって差し出されたスクロールには『子宝』スキル。
なんともまぁ…確かにこれは気まずい…。
「おお、良いスキルではないか」
そうぶっこんできたのはシトリーだった。
「お前なぁ…」
「そのスキルは、男女共に使えば確定で妊娠するオークの上位種しかもってないスキルなのよ」
「そんなもんいらん!!!」
という一言でこのスキルはお蔵入りすることになった。
変な空気になってしまったが探索を終えて10階層に帰還した。
魔法耐性の事は先程あった時に報告済みだったので、一応先ほど拾ったスキルを差し出す。
その結果変な空気になったがまぁ当然の如くこのスキルはお蔵入りとなった。
現状使う必要がないからだ。
将来的な話を考えれば非常に有用なスキルになる可能性はあるのだが今は不要だ。
ちなみに正式なスキル効果は…
『子宝』
男性が使った場合は、相手を100%妊娠させることが出来る。
女性が使った場合は、100%妊娠することができ、子どもに親の能力の一部が継承される。
少子化社会の世の中なので市場に放流すればかなりの高値が付くのは間違いなさそうな能力だった。
「価値が高そうなスキルなので市場に放流して資産に変えます」
と沙月が言っていたのでこのスキルが少子化社会の改善の為に役立つことを祈る。
そしてひとまず地上に帰宅して飯を食べる事になった。
食事をしながら報告を行う事になったのだが、カナタのゴーレムの討伐特典に関しては6日で100体だったそうだ。
俺と比べると日数の割に討伐数がそこまで増えていなかった。
カウントアップの特典を得れば俺よりも恩恵が大きいカナタとしては早々に特典を取りたいそうで午後だけで50体の討伐を完了したそうだ。
以前と比べるとゴーレムの出現数も増しているのでかなりハイペースだ。
「さっさとゴーレム終わらしてレベル2にあげたいしな」
ゴーレムが終わればカナタもスレイヤースキルを5つ取得したことになるので俺と同じであればレベルがあがるはずである。
「まぁゴーレムの地獄のドロップランクがあるから気長にな」
「考えないようにしてたってのに…」
まぁこれで討伐数が半分で済むようになるのとレベルが上がれば俺のように特攻モンスターのスキルを使えるようになるので頼もしい限りだ。
「新しいメンバーが近日中に到着します」
沙月が全員に伝える。
先日話は聞いていたのだがもう少し先になるかと思っていた。
誰が来るかも含めてすでに全員には共有済みの上で了承を得ている。
「向こうは割と切羽詰まっているそうでこちらとしてもかなり早くて驚いてます…」
しかしこうなってくると問題なのはパーティの編成である。
パーティマネジメントを持つ沙月と彼女が組む必要があるのだが…現在はゴーレム狩りの真っ最中でさすがに彼女を入れる余裕はないというかレベルが低レベルに下がってしまうので危険が伴う。
「まず彼女がきた時のパーティの編成ですが…」
沙月の提案した案は…
俺、沙月、ソフィア、カレンに彼女を加えて5人。
ミレイ、カナタ、サキでゴーレム狩りをしてもらう。
能力面では、ミレイ達3人でも問題はない。
どちらかというと問題なのはこちらのパーティだ。
「そうなるとオークの討伐を早々に終わらせてもっと上層のモンスターを対象に変更するか?」
とはいっても上層のモンスターはすでに討伐済みのものがほとんどで討伐していない上層のモンスターは…
「そうしたい所ではあるんですけどいけますか?」
「やれと言われれば…」
沙月もわかっているようでこちらに訪ねてきた。
そう、残っているのはインセクト系のみ。
あいつらほどではないが苦手ではある。
いや、ここらへんで苦手の一つは克服しておくべきかもしれない。
「まぁインセクト系は毒なんかの特殊攻撃もあるので狩りません」
俺の覚悟を一瞬で不意にしないで欲しい。
「じゃあどうするんだ?」
「討伐特典が得られなくなるのは痛いですが彼女のレベルが追いつくまではゴブリンを狩ります」
「なるほど」
経験値アップの恩恵がある上にここはフィールドも狭く大量に狩るにはうってつけだ。
「でもそれなら私の方が適任じゃないか?」
カナタが突っ込む。
カナタの音操作を使えば大量に一気に狩ることが可能だ。
狩り効率を考えるとカナタの方が適任とも言える。
俺のスキルはどれも単体で効果を発揮するスキルなので多数を相手にするのは向いていない。
「それに関しては今日、手に入れたスキルで解決するかと」
「ああ、なるほど」
そういって差し出されたのは『振動操作』のスクロールだった。
「これは具体的にどんな効果があるんだ」
「文字通りで振動を操作するスキルです」
イマイチピンとこなかったのだがスクロールを使用して取得する。
「10層に戻ったら試してみてください」
ということだったので食事を終えて10層に戻って試す事にした。
セーブポイントから浜辺に移動する。
「空気も振動できるみたいですけどここなら水面に使えばわかりやすいと思います」
そう言われて手を海につけてスキルを発動する。
発動したことで振動が広がり水面に波紋が広がる。
意識的に振動数をあげると波紋がより細かくなる。
「これでどうやって複数倒すんだ?」
パッと見ではこれが攻撃になるとは思えなかった。
「これを使ってきたシェイクリザードは空気を振動させてこちらに攻撃してきたのでそういった使い方が出来ると思ったんですけど…」
そう言われても空気を揺らすイメージが出来ず今度は、空中で使ってみるがうまく発動しなかった。
「音で空気が振動するだろ?それと同じ感じ」
カナタからアドバイスされる。
「あれは音によって振動が発生…なるほど?」
なんとなくイメージが出来たので発動してみる。
砂浜の砂が振動によって跳ねた。
「なるほど…これを強くするイメージか」
さらに激しい音が鳴っているときの空気の振動をイメージする。
砂が大きく動き跳ねる。
「おお!出来た」
成功はしたのだがこれでダメージが入るのだろうか?
「原理は音操作と似たような感じなので恐らくそれで洞窟内であればダメージが入ると思います」
「ちょっと練習しとく」
「よろしくお願いします」
まだ電気操作も完全にマスターしたとは言い難いので並行して練習を重ねるしかない。
特に電気を纏うのは未だに制御が出来ないが、あれはサキがいないと練習出来ないのでしばらくお預けだ。
熟練度をあげる為に、スタンガン的な技の練習はしているがあれはあくまでも補助技になるので出来ればもう少し火力の出るスクロールが欲しかったのだが…まぁおもしろそうなスキルではあるので練習をしてみようと思う。
まずは振動という現象について勉強するとこからかあいまいなイメージで使っても十全の効果は発揮出来ない。
その後、カレンに頼み一度1階層にとばしてもらって外に出てから振動に関する本等を片っ端からダウンロードしてから10層に戻った。




