7冊目『怪談実話集 ひとり百物語』立原透耶(MF文庫 ダ・ヴィンチ)
〇あらすじ
作者やその家族の体験を中心とした実話怪談集。
姉は介護関係の仕事、弟は鉄道関係の仕事をしているということもあり、その職場での怪異も複数掲載されています。
また犬や猫といったペットに関わる話もあり、怖いものから心温まるものまで幅広く掲載されています。
〇感想
前回の『オトリヨセ』に引き続き実話怪談の本・第二弾です。
この本の中でも特に印象深かったのは「第二十六夜 レモン」ですね。
亡くなったお父さんが夢に現れて、「向こうの世界にはレモンが足りない。お供えする人が少ないからだ。供えてくれ」と訴えてくるお話です。
たったこれだけ、本文は六行しかないお話ですが、なるほど! と思いましたねぇ。
たしかにお供えでレモンが並んでる映像ってイメージがないですもん。
前回の『オトリヨセ』では聞き書きした話が多いこともあって三人称視点で書かれた話が多かったですが、こちらは著者の体験が主ということで一人称視点のお話が多いですね。
短編集なので一人称・三人称が混在していても私はあまり気にならないですが、混在はダメ! 派の意見もちょこちょこ目にしていて。
こうやって書籍で出ている作品でも取り入れられている手法なのだと確認できたことが何よりの収穫かな。
また、こちらの短編集では明確な時期や場所が書かれていないものもちらほら。
前回のようなテンプレはないようでしたね。
こちらの作品もシリーズとして続篇が刊行されているようなので、見かけたらまた手に取ってみたいですね。




