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『最弱ダンジョンの配合士 ~誰も知らない配合で最強ダンジョンを目指します~』  作者: もかどら


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197/223

第197話 蒼穹の塔の反撃

蒼穹の塔の侵攻部隊は確かに被害を受けていた。


白翼ハーピー部隊は拘束。


風刃イーグル部隊は分断。


飛竜兵も数を減らしている。


普通のダンジョンなら、この時点で戦線は崩壊していた。


だが。


蒼穹の塔はそこまで甘くない。


上空。


蒼天竜将が大きく翼を広げる。


咆哮。


空気が震える。


次の瞬間だった。


散らばっていた飛行部隊が一斉に高度を上げる。


忘れられた洞窟の罠を避けるように。


いや。


理解したのだ。


このダンジョンは通路を進むほど危険だと。


「対応してきましたね」


リリスが映像を見ながら呟く。


「当然だな」


アルベルトも頷いた。


むしろ安心していた。


五百位台なら、この程度で崩れる方がおかしい。



その時。


終号が警告を出す。



上空高魔力反応



広域術式展開中



中央広間が静まる。


アダプトキングが即座に反応した。


「来る」


次の瞬間だった。


忘れられた洞窟上空。


巨大な魔法陣が出現する。


青白い光。


そして。


無数の風刃。



リリスが目を見開く。


「広域攻撃!」


蒼穹の塔は飛行戦力だけではなかった。


空から地上を制圧するための術式を持っていた。


数百。


いや。


千近い風刃が降り注ぐ。


研究施設。


地下都市入口。


防衛設備。


全てをまとめて破壊するつもりだった。



しかし。


そこで終わらない。


忘れられた洞窟にも研究施設がある。


終号が即座に反応する。



防衛結界起動



中央広間全体が震えた。


研究施設の外壁。


地下都市入口。


各所に刻まれた魔法陣が光る。


三十年前の研究施設。


その防衛機能だった。


風刃が降り注ぐ。


結界が受け止める。


轟音。


衝撃。


だが。


耐えた。



「残ってたんですね」


リリスが驚く。


「研究施設だからな」


アルベルトも少し感心していた。


三十年前の設備。


それでもまだ動く。


異常だった。



その頃。


蒼穹の塔側も驚いていた。


風刃が通らない。


研究施設が壊れない。


想定外だった。


「本当に研究施設を持っているのか」


蒼穹の塔の指揮官が眉をひそめる。


情報はあった。


だが半信半疑だった。


六百位台のダンジョンがそんな物を持っているはずがない。


普通なら。



その時。


別働隊が動いていた。


飛竜兵部隊。


正面突破をやめた部隊である。


彼らは研究施設ではなく地下都市へ向かっていた。


そして。


すぐに止まる。



目の前には巨大な扉。


左右には防衛砲台。


さらに天井には監視結晶。


完全に要塞だった。


「ここもか」


飛竜兵達が固まる。


忘れられた洞窟はただの洞窟ではない。


地下都市。


研究施設。


複数の遺産。


もはや一つの都市国家だった。



その瞬間。


ガコン。


嫌な音が響く。


飛竜兵達が上を見る。


遅かった。


天井が開く。


大量の岩。


崩落。


轟音。



中央広間。


リリスが顔を覆う。


「またですか」


「まただな」


アルベルトも否定しない。


だが。


今度は違った。



飛竜兵達は崩落を避けた。


数体が回避。


数体が防御。


対応が早い。


六百位台の相手なら終わっていた。


だが五百位台は違う。


訓練されている。


経験もある。


罠を突破する力があった。



「良いですね」


アルベルトが言う。


リリスが止まる。


「何がですか」


「ちゃんと強い」


完全に研究者の顔だった。



そして。


戦場はさらに激しくなる。


夜狼王と蒼天竜将。


空の王同士の戦い。


ヴァルクと重装飛竜兵。


力と力の衝突。


そして。


影王。



蒼穹の塔指揮官。


その背後。


影が揺れる。


誰も気付かない。


影王だけが笑った。


ここまで来れば十分だった。


罠。


戦闘。


防衛設備。


全ては囮。


本命は最初から変わらない。


指揮官。


それを落とせば戦場は崩れる。



一方。


蒼穹の塔の指揮官も忘れられた洞窟を分析していた。


罠が多い。


防衛設備が多い。


研究施設がある。


だが。


一つだけ。


違和感があった。


「なぜ攻めてこない」


普通なら主力を投入する。


夜狼王。


ヴァルク。


影王。


もっと前へ出してくるはずだ。


それなのに。


何かを待っている。



その直後だった。


終号が新しい通知を出す。



侵入確認



第二防衛線到達



中央広間が静まる。


アルベルトが小さく笑った。


「ようやくだな」


リリスが嫌な予感を覚える。


第二防衛線。


昨日一日かけて作った場所だった。


百三十二の罠。


その本命。


忘れられた洞窟最大の歓迎会が。


これから始まろうとしていた。

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