7.明け方のドタバタ劇
旅立ちの日とはかくも清々しいものか?
そう思いたいが、何歳になっても旅立ちの前夜と言うものは胸が高鳴るものなんだよ。そう、つまりは遠足前の小学生の気分で寝れなかった私は、ひどいクマを作っていた。眠いのだ。
その上、寝れる感じになった所でスティが乱入してきたのだ。
「エフォリアさん、旅立ちの前にお伝えすべきことがあります。大事な事ですので、ちゃんと聞いてくださいね?先ず、与えたスキルの……」
「あの、スティ?私はやっとねれるかな~って感じだったのですが?」
「まぁ!?ダメですよ?健全な若者が夜更かしして睡眠不足なんて!あ、遠足前夜の子供みたいな気分でした?可愛い所あるんですね♪」
グゥの音も出ないと言うか、グーパンチかましたくなってきた。
そう考えるも、流石に女神クリスティアーネ様は女神様だ、女性だ、こんな事でいちいち目くじらは立てませんよ?ええ、前世ではもう50手前のオジサンでしたからね。
ふぅ……睡眠を諦めスティの話を聞くことにしようか……
「はぁ……わかりました。では女神様、如何なご用件でしょうか?できましたら手短にしていただけますと、私としても非常に助かるのですが?」
「エフォリアさん……他人行儀が過ぎますと、半裸で泣きながらミルシナ様のところに駆け込んで、有る事や無い事を言っちゃいますよ?」
「ヤメロっ!勘弁してくれ!?」
母様を巻き込むんじゃぁない!?本当に女神様なんですか!?実は邪神ちゃん!?駄女神様ですか!?うっかりで前世の私の命を散らしておきながら、なんと言う言い草するんですかねスティ!?あの開幕土下座は嘘だったんですかねー!?
「う……エフォリアさんにそれを言われると立つ瀬も無いんですけどぉ……」
「あ、一応は土下座は本心だったわけですね?」
「当たり前です!流石に悪いと本気で思ってるんですからね!だから色々とマシマシでサービスしてますし!その、えっと……場合によっては私も人の身を得て付いて行こうかな~とも……」
「あ、それは大丈夫です」
「なんでぇ!?」
スティが気の良い女神様なのは、やり取りしていてよく理解している。流石に私個人に縛る訳にはいかない、キッパリお断りしておかないと、みんなの女神を独占してしまう。それは色々と問題があると思うんだ……好みの年齢に設定できますよと言われても駄目です!
それよりも本題に入ってくれないと仮眠する時間さえ無くなってしまう。
「ところでスティ、伝えたい事の内容とは?」
「はっ!?そうでした。うっかり話さずに帰る所でした。
エフォリアさん、転生前に私が伝えた事を覚えていますか?」
「世界を浄化する話ですか?」
「はい、本来ならエフォリアさんを中心に浄化される予定でしたが、不浄の勢いが強くその場に行かないと祓えそうに無いのです。」
「それは……ちょうど良かった」
「ええ……エフォリアさんの気持ちもわかります……
本来は好きな事をやっ……え?」
「スティ、私は王都学院を卒業したら世界を巡ります。
その次いでって事なら、お役目を承りますよ」
「あ、はい。それでは女神の使徒としてその役割を担ってくれるのですね?」
「あぁ、この称号はそういう事ですか」
女神の祝福を授かった者が女神の使徒の称号を得ると、不浄に対する耐性が大幅に上がる。そして、女神であるスティとの連絡がし易くなるらしい。つまりは、いつでも女神というこの世界の管理者に文句が言える受付窓口を得たわけだ。
「弊社はクレームの窓口は設けてませんよ?」
「弊社言うな」
「コホン……ストレージに関しては今より解禁となりますので後で確認をお願いします。念じるだけで手持ちの荷物などを異空間に収納できます。コレはエフォリアさんの固有スキルに近いですね。」
「容量とかはありますか?」
「わかりません♪」
おい女神?分からないってのはどう言う事だ?と言いかけたが、恐らく容量に関しては個人の魔力が大きく関わる。魔力の才を貰った私のストレージ容量がどうなっているか、予測不可能なのは仕方がないのか。
「察しが良くて助かります。では鑑定に関してですが、文字通りですね。あらゆる識別が可能となります。物だけではなく人の価値や人生なども含めて、全ての存在に対して鑑定が可能です」
「なるほど、では鑑定……」
名前:クリスティアーネ
種族:女神
B:92 W:61 H:87
体重:乙女の秘密
称号
【生と豊穣の女神】【管理者】【慈愛神】
【おっちょこちょい】【恋する乙女】
【横恋慕】【猪突猛進】【婚活中】
【超越者】【異世界の導き手】
【女神なのに使徒に暴かれし者】
あっ……なんか見てはいけないものを見た気がするぞ?というか、女神様のステータスまで鑑定で見れるとは思わなんだ。笑って誤魔化し切れたら御の字なんだけどなぁ……だめ?スティさん?あ、俯いているが、耳が赤いようにも見えるなぁ……
しばしの沈黙の後で、スティは震えるような声で……
「エフォリアさん」
「はい……」
「責任とってくださいね?」
「はい……え?」
「言質とりましたよ?」
スティは有無も言わせぬ程の圧力で言うと、ニチャァ的な微笑を浮かべながら部屋を後にして行った。
責任とはなんぞ?そう考えるも、女神を辱めた責任をとり、使徒として働いてね!と言う事だろうだ!と自分を言い聞かせようとするが……
「って、そんなわけないよなぁ」
万が一にも、女神に対しての鑑定が『契りを結ぶ』行為に相当するのであれば、私はとんでもない事をしでかした気がするが、後の祭りである。気を取り直して、今は少しでも睡眠を取る事にしよう。そう考えると、微睡の中に身を委ねるのであった。
そうして日は登り切り、旅立ちの時間が迫ってきた。
誤字報告、本当にありがとうございます。
スマホで改行が読み辛いと感想を頂きました。
意図的な改行を減らし段落を付ける等
書き方を変えてみました。
PC投稿だとスマホの方が分かり難いのでです。
(PCでもスマホプレビュー出来ればいいのに……)
何か良いツールがあれば教えて頂ければありがたいです!
このポンコツをお導き下さい!
いつも読んで頂きましてありがとうございます。
今後ともできる限り読みやすいように、面白くするように
勉強していきたいと思います!ご贔屓にして頂けると嬉しいです!




