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幻獣調査団事件簿~その依頼、マジでオレがやるの? 最強ナイトキラーと幻獣ジェンザーの件~されど胸の灯火は消えずに歩ませて  作者: ザイン=エル
プロローグ

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天命の鼓動

「その条件で構わない!頼む──早くこいつを、再生してやってくれ……!」


 叫ぶようにそう言った瞬間、ノクトの左肩に鋭い衝撃が走った。

 何が起きたのか、とっさにはわからない。


 熱い──

 赤くなるまで熱した焼きごてを左肩に押し付けられたような、凄まじい熱。


 覚悟はしていた。しかしその熱さは、数多の痛みを受けてきた彼でさえ経験したことがないものだった。


 一瞬、全てが空白になったような喪失感が、彼を襲う。

 状況を把握するため、猛烈な熱を訴えてくる左腕を押さえようとした手が、空を切る。そこに、自分の左(・)腕(・)が(・)な(・)い(・)。


 左腕は、肩口から切断されていた。


 息が詰まる。

 自分を中心にして、床に無限の赤が広がっていく。

 広がる赤を見た瞬間、先ほどまで左肩があれほど熱かったのに、急激に力が抜け、体が冷たくなっていく。


 目の前には──

 彼の左腕を切断して奪い取った、黄金に輝く孔雀のような、巨大な幻獣。

 孔雀の羽根や尻尾の合間には数多の琥珀がキラキラと輝き、この世のものとは思えないほど美しい──ノクトは一瞬、自分の腕の喪失さえ忘れて、その輝きに見惚れてしまった。


 だが遅れて、焼けつくような熱とはまた違う、意識を飲むほどの圧倒的な痛みが容赦なく押し寄せた。

 ノクトは思わず歯を食い縛るが、喉の奥から長い苦痛の呻きが漏れるのは留めようもなく──


 脈打つ鼓動が、一気に血を押し出し、一打ごとにその命を失わせる。

 凄まじい激痛に、冷たい汗が背中を伝い、唇が震えた。


 意識だけは手放すまいとした。

 だが、すでにそれは混濁し、視界の端が急速に暗くなりはじめていた。

 遠くのほうで、穏やかだが厳しく、どこか傷ついているような声が響いていく。


『供物は受け取った。人間よ──貴様が、再び立ち上がるに値する存在だと、証明してみせろ』





 これは、幻獣調査団の戦闘エキスパートである《ナイトキラー》、ノクト・アシュベルの物語。


 その始まりは、今より前に大きく遡る──

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― 新着の感想 ―
ちゃんと代償を払ったという場面からの書き出しで主人公の今後の活躍が期待されます。どんな背景があり、そして左腕をなくしたことがどうカバーされるのかも楽しみになりますね。読みやすくて楽しい書き出しでした。
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