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第9話 こっくりさんが見える!?(1)

 午後3時、令太は帰りの会を終え、いつものように帰ろうとしていた。普通なら下駄箱で文也と合流し、一緒に帰る。だが、今日はサッカー部の練習があって、サッカー部の文也は練習に参加しなければならない。なので、今日は1人で帰る予定だ。


「さようなら」

「さようなら」


 令太は担任の中川勝治なかがわかつはるに挨拶をした。中川は職員室に戻っていく。今日も早く帰って、勉強をしないと。


「さて、帰ろか」


 令太は廊下を歩いていた。廊下は子供たちの叫び声が聞こえて、とても騒がしい。彼らはみんな、家に帰るのだろう。自分もそうだが。


 そんな中、隣の4年2組では、子供たちが集まっていた。机の上には、紙がある。だが、令太は全く見ていない。


「ねーねー、こっくりさんやろや!」

「おう!」


 その声を聞いて、令太は反応した。こっくりさんか。僕には興味がないな。面白いんだろうか? 全くわからないな。どういう遊びなのかは、図書室で借りた『学校の怪談シリーズ』で知っている。危ない遊びだと聞いている。やりたくないと思っている。


「えっ・・・」


 本当にこの子たちはやるんだろうか? 変な事にならないだろうか? とても不安だな。令太はその様子をじっと見ていた。


「危ないな、大丈夫かいな」


 ふと、令太は思った。僕はお化けに変身すれば、姿を消した他のお化けが見える。果たして、こっくりさんは見えるんだろうか? こっくりさんには興味がないけれど、なぜかこれには興味があるな。自分の目で確認してみたいな。


「そや、こっくりさんって見えんのかな?」


 だが、令太は考え込んでしまった。この校舎に自分を覆いかぶせるような布は思いつかないな。あきらめよう。また今度調べてみようかな?


「うーん・・・」


 令太は保健室の前を歩いていた。すでに保健室の先生は帰っていて、中は暗くなっている。だが、鍵はかかっていない。


「あっ・・・」


 と、令太は思いついた。保健室にはベッドがある。そのベッドの布を借りて、お化けに変身すればいいじゃないか。令太は保健室に入り、すぐにドアを閉めた。誰かが入らないように気をつけないと。お化けに変身する瞬間や、お化けを見られたら大変だ。


「よし、誰もいないな・・・」


 令太は素早くベッドに横になり、布にくるまると、お化けに変身した。そして、すぐに姿を消した。これでこっくりさんが見えるんだろうか? とても楽しみだな。


 その頃、4年2組では子供たちがこっくりさんをしていた。


「こっくりさんこっくりさん、いらっしゃいましたらおいでください」


 伊藤泰輔いとうたいすけが質問すると、コインが『はい』に動いた。どうやらこっくりさんがいるようだ。


「来はった!」

「すげー!」


 その横にいる三宅宙みやけそらも驚いた。本当に要るんだ。2人は感動していた。


 と、そこに令太がやって来た。だが、姿を消しているので、誰にも見えない。令太は教室を見ていた。令太がよく見ると、生徒の他に、白い九尾の狐がいる。これがこっくりさんだろうか? こっくりさんは生徒たちをじっと見ている。


「み、見えとる! これがこっくりさんなんか?」


 だが、こっくりさんはその声に反応していない。どうやら気づいていないようだ。


「次々と質問しとるな。怖くないんかな?」


 その後も次々と質問していく。生徒たちは興奮している。本当にいるんだな。すごいな。これはみんなに自慢できるぞ。どんどん質問していこう。


 そして、質問が思いつかなくなった。そろそろ終わろう。


「こっくりさんこっくりさん、おかえりください」


 だが、コインは『いいえ』に動いた。まだ帰ってくれないようだ。令太はその様子をじっと見ている。まだこっくりさんは教室にいる。終わりたくないようで、生徒たちをじっと見ている。


「えっ、帰らん!」


 宙は焦っている。どうしよう。帰ろうとしない。このままでは帰れないよ。早く帰らないと、家族が心配しちゃうよ。


「どないしよ。はよ帰らんとおかんが心配するわ」

「そやな」


 泰輔も焦っていた。早く帰って、勉強したい。テレビゲームもしたい。だけど、こっくりさんが終わらないよ。


「でも、こっくりさんが帰ってくれんと終わらんよ。どないしよう」

「帰るで!」


 と、宙は指を離してしまった。離したら、とんでもない事になるのに。とりつかれてしまうかもしれないのに。


「やめて!」

「うわっ!」


 突然、宙は倒れた。何だろう。令太はその様子を見ていた。こっくりさんは宙の体に入っていく。令太はそれを知っている。お化けの能力にある、動物にとりつく力だ。やってはいるが、見るのは初めてだ。


「どうした?」


 泰輔は驚いた。急にどうしたんだろうか? まさか、とりつかれた?


「コーン!」


 宙は性格がまるっきり変わったかのような表情だ。そして、狐の鳴き声を発している。泰輔は驚いた。宙がとりつかれた。どうしよう。泰輔はアワアワしている。


「えっ、とりつかれた?」

「ほんまや」


 一緒にいた星野学人ほしのまなとも驚いている。どうしよう。


「どないしよう・・・」


 どうにか帰ってほしい。泰輔は願いを込めて、こっくりさんに命令した。


「こっくりさん、帰ろ?」

「いやだ! こいつの体を使ってやる!」


 だが、宙は帰ろうとしない。そして、宙の体を使ってやろうとしているようだ。


「どないしよう。この近くに稲荷神社、あらへんだかな?」


 令太はその様子を見て、何とかして除霊する方法を探さないとと思った。この近くに神社はないんだろうか? 令太は携帯電話を使って、神社を検索した。


「ここや! 行こう!」


 すると、この近くにあるという。ここに行けば、何とかなるんじゃないかな? だが、令太は思った。神様は見えるんだろうか? わからないけれど、こっくりさんが見えるんだったら、神様も見えるんじゃないかな?


 令太はすぐにその神社に向かった。早く彼らを救わないと。




 令太はすぐに神社にやって来た。神社には誰も来ていない。とても静かだ。この辺りは閑静な住宅街の中にあり、人通りが少ない。


「ここやったな」


 令太は神社に向かっていた。目の前にはさい銭があり、その奥には扉がある。この先には神様がいるはずだ。令太は疑問に思っていた。本当に神様は見えるんだろうか? わからないけれど、やってみよう。


「あっ、ここやな」


 令太は神社の中に入った。神社はさい銭にお金を投げるだけで、その先はあんまり見ていない。どうなっているのかはわからない。


「あっ、おる!」


 令太が神社の中を見渡していると、そこには1匹の狐がいる。その狐は、服を着ている。おそらく、ここにいる狐だろう。狐は鋭い目つきだが、どこか優しそうだ。この狐なら、どうすればこっくりさんを追い払う事ができるんだろうか? この狐に聞いてみようかな?


「すいません、狐様」

「どうした、そこのお化けちゃん」


 まさかお化けが訪ねてくるとは。だが、どこか普通の子供のような風貌だな。どうしてだろう。


「小学校で男の子たちがこっくりさんをやってたんですけど、帰ってくれなくて、しまいにとりつかれたんです」


 それを聞いて、狐は慌てた。まさか、こんな危険な遊びをする人がいるとは。これをやって、ルールを守らなかったらとりつかれるというのに。


「そんな・・・。それは何とかしないと」

「ありがとうございます」


 令太はほっとした何とかしてくれるようだ。狐は袋から何かを出した。どうやら塩とお札のようだ。何だろう。


「清めの塩とお札を持っていきなさい。これをとりつかれた人にかけなさい」

「ありがとうございます」


 令太はお辞儀をして、急いで小学校に向かった。今頃、とりつかれた生徒はどうなっているんだろうか? とても心配だな。

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