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線路はいつか途切れる  作者: 秋村 楼
2/9

タイムストップ


止まった世界で彼は一つ疑問があった。さっきの預言者のような人は誰だったのか?


見た目は知らないが青年ような声だった。


「あんたにはこの光景見えるのかい」


また後ろから聞こえた。


「ええ、見えますよ。私は理解に苦しんでいますけどね…ってあれ?口が動かせるようになってる…?!」


さっきまで動かなかった口が突然動き、心の声が漏れてしまった。

コツコツと足音を立てて浩介の後ろから前へと歩いてきた。


姿を現した時、彼は目を疑った。老人だったのだ。白雪姫に出てくる7人の小人達みたいに小柄だった。


(声を想像する限り、青年だと思っていたがどういうことなのだろうか。)


さらに理解は追いつかなかなった。


「ねぇ君?世界を救いたいとは思ったことはないかい?」


青年いや老人? 男は喋り出した。浩介は黙っている。


「あれ、救いたくないの?普通あるだろ、一回くらいヒーローになりたいとかなんとか…」

男は、転びかけている男の子の姿勢を戻し、話を続けた。


「あ、あんたは一体誰なんだよ。これはなんのつもりだ。」


浩介は焦りの表れか、彼の話に一切耳を傾けようとはせずに返した。


男は鼻を薬指でほじりながら

「なーになになになに?君さあ僕の質問にちゃんと答えようよ、ね?まぁいいや私は黒って自分を呼んでいる。世界の奴らは、俺のことをクロノスとかいう変な名前で呼ばれてるがね、私はそんな好きじゃない名だよ。」


黒はそのまま宙のアイスを二つとも鷲掴みし、男の子の持っているコーンへと戻した。


「まぁ聞いた限り普通の人間じゃないみたいだな、ははは…」


「ああ、その通り、話のわかるやつじゃないか。あとなんだっけ?何故こんなことをやったかだっけ?それは簡単さ、あんたにチャンスを与えに来た。」


「チャンス?なんで私なんだよ、ここはショッピングモール。約何百人近くもいるってのに何故私なんだ。」


彼は手についたアイスを一つも残さず舐めに舐めてて、少し雰囲気というか、人が変わったように喋り出した。

「空っぽだったからだよ。君が電車なら、ゆっくり快適なスピードで走ってるのに、景色一つない砂漠のような草っ原を走ってるからさ。

この中で一番楽しそうにしてなかった。そのように見えたんだよ。」


彼の言ったことは全て正しいような気がした。

一切言い返せなかったのである。


「だからね、君の周りにいい景色が眺めるように来たって感じかな?まぁ別にお節介なら良いんだけどね?」


黒の挑発は思いっきり浩介を乗せた。


「な、なるほど。やってみせてくれよ。俺は好きなブランドの靴を買っても、嬉しいと思わなかったんだ。お前にやってみれるんならやってみせてくれ。クロノス…」


クロノスは笑いながら

「ほほーん。いいねぇいいねぇ、そうこなくっちゃ!んじゃなんか起きたら「()()」って言いな、あんたの使い方次第で景色に木くらいは生えるでしょ。」


「え、どういうことなんだ。おい!」


「それじゃ、またどこかで。」

そう言って黒は浩介の視界から見えないところまでコツコツ音を立てて去っていった。


時間は知らないうちに動き出した。


一体どういうことなんだ…本当に楽しい人生になるのだろうか…。


浩介が手を顎にあてて考えている最中、

男の子は何事もなかったようにアイスを笑顔でペロペロと舐めていた。


〜続く〜





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