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創作の協奏曲  作者: 久遠未季
第零章 創作の序曲――機兵少女フリージア・ザ・クロニクル(連作短編)
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※『エターナル・ミキのロボつく各企画評価(二〇一四年六月十五日)』

※『エターナル・ミキのロボつく各企画評価(二〇一四年六月十五日)』


●Star Carriage――星の乳母車

イグナイテッド


A4用紙3ページ程度にまとめられた、非常に読みやすい企画書。

最大の特徴は人間キャラクタの存在を切り捨てているということでしょうか。

同企画の中では数少ない非操縦型メカで、なおかつ人型ではない模様。

そのあたり、『ロボつく』ではなく『メカつく』とでもいうべき印象。


今現在のところ、シナリオもデザインも投稿は少なめ。

企画書の段階でシナリオ詳細が作り込まれていないことに加え、細かいキャラクタ設定がされていないために、手を出しにくいのでしょうか。

あらすじは明示されているので方向性は固まっているものの、細部の設定がない分、シナリオに参加する人間の力量によって方向性が大きく変わる可能性があります。

また、メカデザインの如何によってもシナリオに大きな影響が出るので……ああ、やっぱり書きにくいのでしょうね。


おそらく、メカデザインとキャラデザインとシナリオを一挙に募集する方式が、この企画書になじんでいないのでしょう。

本来、デザイナとシナリオライタが喧々囂々と意見交換しながら作る必要がある作品なのだと思います。

あるいは、デザイナとシナリオのどちらか一方が強引に引っ張って行くべきなのか……。


ともあれ、この公募企画の展開方法になじまない、ある意味で不幸な企画といえるでしょう。

また、一クールのアニメとして作ると、よほど良いシナリオが集まらない限りは退屈な作品になりそうです。

……ワタシは結構好きなのですけれどもね、この企画。



●SMプロジェクト

ロック


アニメ化を最終目標とする場合、実は案外と実現が難しいかもしれない作品。

マンガや小説のネタとしては、非常に優秀かもしれませんけれどね。

これを映像化するには、高い技能と才能を持ったクリエイタが集結しないといけないかもしれません。


……いえ、作るだけだったら、どんなスタッフでも作れるでしょうけれどね。

ただ、詩情的な雰囲気があるので、下手に作ると非常に陳腐になる気がします。

悲劇的な作品って、アニメに限らずですけれど、作るのが難しいですから。


今現在のところ、シナリオもデザインもそれなりに集まっている模様。

企画書の段階でストーリーの骨子がしっかりとできているため、イメージしやすいのでしょう。

また、そうでありながらも設定を細々と指定しているわけでもないので、シナリオにしろデザインにしろ自由度が高いです。


ただ、自由度が高すぎるために、せっかくのストーリーラインがつぶされる可能性があります。

『みんなの意見を結集する』と言えば聞こえは良いですが、下手な意見の寄せ集めになると……。

その可能性が高いのが、ちょっと怖いです。



●弾痕のメタファー

照月


ストーリーもデザインも、何もかもが決まっていない企画。

『ロボットが情報戦を物理的に体現する』などのアイディア一発勝負で通ったものなのでしょう。


この企画の魅力を最大限に引き出すためには、現代兵器について正確かつ豊富な知識を持っている必要があります。

メカデザインにしろシナリオにしろ、それを欠いた人間が下手に参加しようものなら、途端にこの企画の魅力は消え失せます。

もちろん、知識がなければ知識を得る努力をすれば良いだけなのですけれどね。

ただ、付け焼き刃の知識で作ろうものなら、いざアニメ化された際に大顰蹙を買う可能性があります。


今現在はそうでもないようですけれど、応募開始からしばらくの間、まったく参加作品がありませんでした。

おそらく、敷居が高いということに加え、軍用兵器に関する下調べなどに時間を要したためだと思われます。


また、重厚な物語が展開できそうだという期待感が強い反面、いざアニメ化した場合には「見るのが面倒くさい」と思ってしまうかもしれません。

リアリティを追求しすぎてドキュメンタリー映画みたいなつまらなさ(心躍るということもない退屈な作品)に仕上がってしまう可能性があります。



●ジェットストリーム!

絹製ナプキン


ワタシ個人としては、この手の作品はあまり好みじゃないです。

……いえ、単純に、車の類が嫌いなだけなのですけれどね。


ただ、『ロボつく』という公募企画自体が今までにないメカアニメを作るということにあるわけです。

この類のアニメがまったくないというわけではないですけれど、個人の趣味嗜好が強く打ち出されているという意味では『ロボつく』の企画趣旨に最もかなった作品ではあると思います。


他のメカアニメと差別化するという意味でも、多分、アニメ化した際の成功確率は一番高い気がしますね。

シナリオ投稿なども今のところ少ないので、実は一番狙い目かもしれません。


ただ、やはりワタシの好みではないので、仮にアニメ化されたとしても見ないでしょうね。

あっ、いえ、口ではそう言いつつ見てしまうかも知れませんが。

ともあれ、この企画についてだけは、参加しようという気はまったくないです。



●eternal force blizzard

manumanu


正直、企画書を読むのが一番つらかった作品。

ただ、非常に細部まで練られたストーリーは、うならされるものがあります。


ところどころに粗が目立つのが難点ですが、そのあたりはあくまでも企画書ですからね。

デザイナやシナリオライタの主な役割は、それらの粗を削ってあげる作業でしょうか。


一方で、ストーリーなどに関して指示が多いです。

それがデザインにしろシナリオにしろ、投稿が少なくなってしまっている要因でしょうか。

なによりも、キャラクタの関係性を把握するのが大変で……。


ワタシ個人としては好きでも嫌いでもない企画ですが、多分、アニメとして放映されていたら何となく見てしまう気がします。

他の作品は趣味じゃなかったり、見るのが面倒くさそうなのですけれどね。



●明星のチューリングマシン

橘なる


非常に安定した作品。

企画書もイラストと文章のバランス感覚が絶妙で、企画書を読んでいるだけで楽しかったです。


ストーリーも設定も、破綻しているような箇所はほとんどありません。

この手のロボットは描写が難しいのですけれど、それがこの作品の売りでもありますからね。

ビジュアルにしても、ストーリーにしても、どの切り口から見てもほとんど隙がありません。


この段階で制作会社に持って行っても企画が通りそうで、「何故、こんな場末の公募に?」と首をかしげたくなります。

企画書自体の完成度の高さのためか、シナリオもデザインも、非常に多くの投稿があるようです。

競争率は激しいですけれど、それだけの価値はあることでしょう。


強いて欠点をあげるとすれば、インパクトに欠けるということでしょうか。

企画書の完成度の高さに隠れてしまいがちですが、実は突き抜けた売りがありません。

そのあたりはメカデザインあたりの出番でしょうか。

(今現在投稿されているメカデザインなんかは、ターンA的な足バーニアがいい線いっていますよね)



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