2章14『思いが糧になる』
うう、眩しい……
蛍が光っているその時プルルルルと電話音が聞こえる。
「蛍、ストップ。電話。」
「は……はい。」
俺はいち早くその音に気づき蛍にそう言うと蛍は光を発するのをやめた、
そこで速く奏さんは電話を取り拡散ボタンを押す。
「はい、こちら異能課です。」
『助けてくれ……切り裂き咲が……イヤァァァァァァ!!』
その言葉が聞こえるとともに信実さんが
「探君逆探知。場所を割り振れ!」
「はいッ!」
そう元気よく返事をした【探知】の異能を持つ捜査探さんが深く念じる。
彼の異能は【探知】。その名の通り物や場所を探す異能。エレインの方が範囲も何もかもが格段に上だがな……
「出ました。お台場のガ〇〇ム像の前です!」
「奏君、診君、願君、祈君、蛍君。行くぞ!」
「「「「「はい!」」」」」
警視庁からお台場まで有楽町線からりんかい線に乗り継ぎで40分はかかる。クソッ。
俺はそう考えながらみんなについて行く。
「祈君。何をしている? 早く乗れ!」
え? 何に乗るって?
みんなは早々とパトカーに乗ってゆくパトカーに五人乗るのは辛くないですか?
……じゃなくて。俺ら未成年なのにパトカーは誰が運転するんだよ!?
そんな疑問を持ちつつも俺は後ろの座席に乗り込む。
運転座席に座っているのは奏さんだった。
「奏君は、今は19歳でパトカー運転免許も持っているんだよ。実は奏君がこの科の最高年齢だったりするんだ。」
パトカー運転免許って結構面倒な資格が必要だって聞いたことがあるぞ? それなのに19歳でパトカー運転免許を取得しているって……この課本当に何もんだよ?
「まあ、私が上に掛け合って半ば強制的に貰ったと言ってもいいけど……
そうだ。祈君面白い話を聞かせてあげよう。
実は君には……いや、君たちには発信機が付いてるんだ。生存確認とその他もろもろを含めてな……
その発信機だが、祈君がこの世界外に行っていた時にもちゃんとその場で反応していた。
どうしてこんなことが起きたかは分からないが、今後の足しにしておくと良いよ。」
発信機がね……。今後の役に立ちそうだ。でも何でだ? 俺の持っている能力ではそんなことできないし……。色々と不思議なことが盛り沢山だな……
その後はあまり会話は弾まずお台場前についた。
「あらァ? これは珍しい客が来ましたわねェ。警察が来ただなんてェ北海道ではそんなことありませんでしたわァ。アハハハハァ! アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァ!」
そう少女……斬崎咲がそう狂い、笑う。
その辺り構わず人を切り刻む犯行法と斬崎咲という名前、狂った羨望その全てから、俺のこの世界の最強にして最大の敵別名切り裂き咲と呼ばれている。
まるで殺すために出来たような彼女の異能【武装】は彼女の傲慢たる自尊心で増幅された力を持て余すことなく使いこなし、1時間で四万人という尋常なほどのスピードで札幌を壊滅させた。
それが斬崎咲。
「咲。今度こそお前を断罪する。例えお前の中にある何千万もの人を殺すことになろうともな……。」
「嗚呼、祈さん。あなたの目は素晴らしいですわァ。殺すという言葉の重さを知っている強い意志を持った目ですわァ。素晴らしいですわァ、素晴らしいですわァ。
そこのアナタ方手を出さないでもらえますかァ? 殺しますよ?」
そう殺すの言葉の意味を何重にも知って、その殺すという言葉とその目だけで人を殺せる目だった。
「俺からも手出し無用だとだけ言っておく……この戦場にいると命が一つじゃ足りないぞ?」
俺からもそう冗談交じりに忠告する。……いや、違うな。この忠告を冗談交じりに受け取る人は一人もいないな……俺も殺気の様なものを手に入れたのか、みんなは後ずさりをする。
「そう……それでいいんですわァ。さぁ、殺り会いましょう……」
咲は、そう妖艶な笑を浮かべて言うと同時に【武装】で双剣を具現化する。
だがな、今回は大常備まだこんなに日は高いんだからな。
「アハハハハァ。アナタの強さの理由はだいたい目星がついていますわァ。【夜】ォ!」
先のその言葉とともに、あたり一面が暗くなり月が出ていた。
日が沈んだだって!? そんなそれじゃあ俺の力が……
「アハハハハハハハハハハァ! ワタクシのこの新たな異能【夜】と【夜月】のお陰であなたの力は全く通用しませんわァ。
説明してあげますとォ、【夜】は夜にするゥ……月を出す異能、
【夜月】は月の力で30倍に力が増大する異能ですわァ。」
「なんだそれ……そんなんじゃ全く歯が立たないじゃねぇか……
なんて言うとでも思ったか? 咲さんよぉ? 俺は日に日に進歩する。言葉の通りな……」
そう、俺には【成長】の個性を持っている。その足す数は今で1日分5033164800×3日で150994944000になる。約1500億もの数が足される。夜間で30分の1になる俺の低い力でも前少し張り合えた。という言葉を三十倍された彼女の力にも劣らずともいける。
俺はカリバーン、クラウ・ソラスを呼び出し、咲の二連突き×2を片手で振り払い、片手のクラウ・ソラスで先に一撃を入れる。
だが俺の一撃は通らず床から創り出した剣で振り払われる。
「ンな……」
俺は当たったと確信してたのでその驚くべき光景に声を漏らす。
だがその少しの動揺を見せて俺はすぐ二激目を切りかかる。
それを咲は防衛戦に出て両剣とも鍔迫り合いになる。
よし貰ったァ。力戦なら俺の方が上……
「【滑走】」
そう咲が呟くと、俺の剣と俺の足が滑りバランスを崩してしまう。
うおぉぉ……危ない……
俺は、【飛行】の羽を出しバランスを崩した直後に空を舞う。
「祈さん。アナタ何者ですかァ? 」
「そうだな……。国の狗だよ……」
「【羽化】」
そう咲が呟くと俺と同じような光の羽ではなく、カラスアゲハの羽の様な羽が背中から生えてくる。
そこからはもう空中戦となる……。
「凄い……あれはもう常人の域を超えてる。」
そう言葉を発したのは信実 真。この科の責任者だ。
私たちが今見ているのは戦っているお兄ちゃんと咲ちゃん。
最初は地上で戦っていたと思ったらお兄ちゃんが羽を出し咲ちゃんも羽を出して、今は空中戦に突入している、だが見えるのは金属と金属がぶつかり合う火花しか見えない。
お兄ちゃんの羽は初耳だな……。
「凄い……カッコイイよ……。」
クソッ、空中戦はあまり望まないな……朝にできればまあいいんだけど……。
俺がそんなことを考えている、ほんの少しの隙をついて咲は総勢一万もの刃を俺の周りに球状に配置されている。
「詰みですわァ。さて、あちらにいる方々でも殺してきますかァ……」
「【消去】。それはこっちのセリフだぞ。咲。」
俺かそう言った理由はただ一つ、咲が配置した剣の中心に咲がいるのだから。
俺は今咲の全ての異能を封印した。これで蘇生もできない。
「はッ。【じかn……」
グサッグサッとその数一万の剣が一斉に刺さる音が聞こえる。
「ウワァァァァァァァ……」
その悲鳴とともに【羽化】の羽も消えてその場から落ちてゆく。
終わったか……この戦いも……。




