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2章11『グィネさんはネタキャラ?』

「ああ、そうだ。俺急に消えるかもしれないけど気にしないで進んでください。」


そう俺は、聞いたことがないだろう2人に言った。義兄さんはあるかもしれない。

そう考えるとシュタさんがいて正解だったな。急に俺消えたら義兄さん1人だからな。

ちなみに今の場所は、エレインが見つけた地下への道の前に居る。

まさか書斎にあんな仕掛けが……よくロビン伯爵見つけられたな。


「え? どうゆう事ですかぁ?」


「んんと……まあ、後になったらわかるよ。」


そう言って俺は簡単に誤魔化すような感じに言ってしまう。


「じゃあ、行こうか」


地下は勿論暗く俺が消えると光がなくなってしまうので義兄さんの光の魔法で灯をつける。

地下迷宮をイメージするような作りでエレインがいなかったら完全に迷ってるだろう。かと言ってモンスターの類はいないようだ。ちなみに罠もなかったりする。


「シュタさんの頭は抱えないんだな……」


そう俺は呟く。デュラハンと言えば自分の頭を抱えてるのをイメージするが、シュタさんは違って、首の上に頭を乗っけて何かで固定している。そうじゃないと激しい動きができないからかな?


「ええと、何をイメージしているかは知りませんがぁ。わたしの個性は【接合】何かと何かを金属のような物質で合わせる個性ですぅ。

あの時はちょうど金属がもろくなってきてたので取れてしまいましたぁ。

他のデュラハンは、抱えてますよぉ。」


シュタさんは俺の小さな呟きを聞いてそう答えた。

【接合】。頭と胴体が離れてるデュラハンにとって一番丁度いい個性だ。

元から戦闘能力が高いデュラハンにとってこれほどのものは無い(ちなみにさっきティターニャに聞いた)。


「へぇ〜。その金属に弱点とかあるの?」


「この金属融点が低く錆びやすいのでぇ。熱と水に弱いですぅ。

あと、水と熱に強くすることもできますがぁ、その文強度が下がりますぅ。」


「へぇ〜。熱と水に弱い代わり強度が強いか……まあそれくらいの代償で強い力が手に入るんだからいいよな。」


要するには、俺と戦うのはよした方がいいと……だってそうだろ? 『太陽の魔剣士』と呼ばれた理由でもある、炎の等身を持つクラウ・ソラスがあるんだからな……

その言葉にムスッとしたシュタさんは俺の靴底と地面を接合した。


「このように、手を触れなくても遠隔操作でできますから熱系の個性がない限りわたしを倒すのは無理です。」


ほぉ、地面と接合させてしまえば動かせないし、水系で錆びやすいとはいえ早くは壊れない。弱点は1対1(タイマン)なら実質熱だけが弱点か……団長様なのも頷ける。

でもな……

俺の足から熱のような光と煙が出てくる。


「まさか、祈様熱系の個性をお持ちなんですかぁ?」


「いや、少し違う。俺の個性は【成長】。今使ったのは魔法。俺異世界人だから……」


金属融点は100度水の沸点と同じか……あと沸点が300……たしかに脆いな。


「異世界人!? そんな有り得ないですぅ。」


「いや、ホントだよ。」


俺の異世界人の証明に一役かってくれた義兄さんマジあざす。


「陛下が言うのならそうなのでしょぅ。」


そんな会話をしながら進んでいるともう一階下に行く階段に差し掛かっていた。


「あと、28階下にあるはずです、パパ。」


でも俺が消えたらナビゲーションも居なくなるからこいつら迷うんじゃ……


「あ、あれ? 地図が変わって……」


ザザザザザザザザと音を立てて地図が砂嵐になり消えてしまう。どこからか声が聞こえてくる。


「フハハハハ。私の迷宮をそんなチートでクリアはさせないぞ。」


そんな声が反響して聞こえてくる。ええと元をたどってやっぱり地上から30階目にあるっぽい。


「何でしょうかぁ。今の……」


シュタさんのその声と共に俺の体が光り輝く。


「これ、これがそうだから。」


そう言って俺は光とともに消えていった。



□□□



目を覚ますとそこは馬車の上だった。

どうやら座標指定ではなく場所指定らしいな、馬車の上に乗ってた俺が30キロ動いたとしても馬車の上にいるということらしい。


「おかえり。祈。」


「ああ、ただいま。」


「今日はもう遅いので、近くの街に寄って宿を借りるらしいですぅ〜。」


「話は聞きましたえ。すごい能力をお持ちのようですえ。凄いですえ。」


この少し変な当方の言葉はやっぱり慣れないな……

お、見えてきたな……今日はあそこの町の宿に泊まるのだろう。


「オラオラオラ、テメェらか? 俺様のガキを懲らしめてくれやがったのは!?」


そうさっきの山賊のような格好をした男が1人俺らのに出てきた。

え? どこから現れた?

その男は短剣と長剣をそれぞれ右手と左手に持った無精髭の男。


「この魔双剣ゲイ・ジャルクとゲイ・ボーでガキの仇を取る。」


その男の発言にグィネがこう言った。


「アタシがアンタの相手してあげる。その代わりあたしが勝ったらその魔剣頂戴。」


と、そう言ったニヤケ顔のグィネは真っ白な魔剣を取り出し馬車の外に出る。


「良いだろう。その代わりテメェが死んだらテメェら全てをぶっ殺す。」


と言い狂った顔をした男は馬車から外へ出る。


「はッ、貰ったぜ!!」


そう言って男は長剣を振り上げ一生懸命走り出す。

何が魔剣の力なんだ? 全くわからない。


「グフォ。」


そう言ったのはグィネではなく山賊の男だった。

男は何故? というような顔をして倒れ込む。


「……な、何故……俺の時を……止める魔剣が……」


男の長剣を振り上げる動作あれは多分魔剣の効果発動なんだろう。

じゃあ何故……。


「ん? 教えてあげようか? アタシが一番最初に手に入れた魔剣マルミアドワーズ魔剣の力を封じる魔剣。これで魔剣狩りして増やしてんの。

んじゃ、ありがと〜♪」


そう言って男から二つの魔剣を奪い取った。

俺らはグィネを乗せると再び進み出す。


「グィネお前強いんだな……」


「アタシはこの方法でたくさんの魔剣を奪い取ってきた。この魔剣はさっき言った能力の他にも身体強化も出来る。」


「魔剣の力を封じる魔剣とか強すぎだろ、ならアロンダイトの不死属性も消せるんじゃないか?」


俺はそう気になったから言ってみた。


「やってみる? 液状化もあるし、マリンもいるし……」


「でも、その液状化って服が……」


「まあ、やってみよう。」


俺の言葉は聞き入れない模様ですね。はい。

一度閉まったマルミドワーズを出して少し力を入れたような感じがした。なるほど思うだけなのね。

そしてそれを確認したランスは、アロンダイトで自分の手に切り傷を入れる。

……すると、それに反するように切り傷は回復して傷一つなくなる。


「回復した……」


「じゃあ、俺のカリバーンは?」


「それは無理だったよ。持ってたやつが雑魚だったから余裕で奪えたし、魔剣の力を十分に理解してなかったから……。」


なるほどな、魔剣の力は奪えても、4代魔剣は奪えないと……。

そんなことをしているうちに俺らの馬車は街についていた。


「姫様。今日はここに泊まります。宜しいでしょうか?」


そう白髪頭の執事さんが言っていた。


「構わないえ。」


ダンテ姫がそう答えると俺らは宿に向かう。


「祈様方の分は妾が出しますえ。まあ、妾が出す訳では無いのだがえ。」


「僕と祈は同じ部屋で……」


「祈さんは私とぉ〜」


「祈君は私の旦那さんなの〜!」


「ランスはアタシと〜」


「ウチはニマーヌと……」


「わたくしもタリシエン様と……」


「ええい、ごちゃごちゃ言うでないえ」


ううん。俺が何故か自主権はない気がしてならないのだが……


「姫様。部屋を幾つ確保しましょうか、四人一部屋ですが」


そう有能な執事さんが言った。


「では、男はふた……三人で一部屋、女は3・3で分けるえ」


今、ダンテ姫が男は2人と言いかけたのは俺は聞き逃さなかったぞ。

騎士の3人は馬車で寝るらしいなんと言うか騎士の鏡だと思う。

それからというもの誰と寝るか女軍は争いになっていた。

争いの果てアーサ、マリン、ダンテ姫ついでにエレインで一部屋。ランス、タリシエン、ニマーヌで一部屋。に決まった。最初から俺はこれしかないと思ってたんだけど……

グィネはと言うとさっきから不貞腐ふてくされている。

まあ、ああいうのはほっとくのが吉。


俺らはそれぞれの部屋に荷物を置くと食堂に向かう。なんとこの宿は結構高い方で朝晩のご飯と温泉付きらしい。なんと豪華な……とは地球の文化に入り浸ってしまっていた俺的には言えないな。


食堂は流石に席自由にして、片側4人の机で合計八人座れる中の俺が真ん中にその右隣にランス。左隣がアーサ。ランスの右隣にグィネが座り、片側は埋まる。

俺の前にマリンが、その右隣に……アーサの前がダンテ姫。マリンの左隣にタリシエン、ニマーヌと座りこれでもう片側も座る。

後は悲しくひとり席の執事さん。なんかすみません。

ちなみにエレインはと言うとアーサと俺の間の机の上にちょこんと座っている。


メニューはステーキにスープにパンと前菜。前菜の名前はよくわかりません。後は葡萄の果実水だと思いたい。

それをナイフとフォークを器用に使い食べてゆく。

確か中世ヨーロッパって素手で食べてたんだよね? 違ったっけ?


「んー。美味しい。」


「美味しいですぅ〜。」


「ん、美味い。」


あまりにもの料理の美味しさに俺らは思わす声を出してしまう。

何この料理の出来加減ここのコック天才じゃね? 地球でだってこんな美味い料理は食べたことがないと思う。

そのくらい美味しいのだこの料理は。


「「「「「「「「んー。お腹いっぱーい」」」」」」」」


多少語尾とかが違ってずれたりはしたが俺らは一言も違わずそう言った。

本当に美味しかったです。

俺らは食事を終えると一度部屋に戻り温泉の準備をする。

今は、ランスと一緒になれなかったグィネも浮かれまくっていた。

何てったって……


それは、数分前に遡る。


「「「「「「「「混浴!?」」」」」」」」


「はい、そうでございます。」


このジジイ……ゴホンゴホン執事さんもしかしてこれが目的で……。ナイス……じゃなくて全くけしからんです。


「そんな……」


という訳である。

どうやら執事さんはお疲れのようで朝早く起きてから温泉に入るらしいから……申し訳ございませんでした。

鼻歌を歌いながら向かうグィネとあまり乗らない足取りで進む俺。


「ハアハア。ランスの肢体を……ハアハア……」


脱衣所にて脱ぎ中の俺はグィネの犯罪紛いなその言動に少し引っかかる。

それにしても本当にこいつ男なんだな……まだ信じられないよ、肌すべすべだし余計な体毛が一つも生えてないし……

まあ、そんな誰得だよと思う男の……グィネの解説は置いておいて俺は脱ぎ終わり湯船に入る。


「ハーーーァ。生き返るー」


そう思わず俺は声を漏らす。

ちなみに、グィネは、下にタオルを巻きただひたすらにランスが来るのを待っている。


ガラガラガラ。

そんな音が聞こえると同時に女の子たちの声が近くに聞こえてくる。

ランスを見つけたのだろう、グィネは鼻血を出し多量出血のショックにより絶賛気絶中。弱っ!?

煙越しだししっかりタオルまいてるし、よく分からないがやはり良い。タオル越しのそのはっきりとしたラインがクッキリ見える。

ランクをつけるつもりは無いが、やはりアーサが一番その次にニマーヌ悪マリンと言ったところか……何がって? 聞くな。

そう言えばマリンが今は悪マリンなんだな……どうして?

なんと言うか、混浴ってやはりあんまり無いよな。あっ、誰かさんの陰謀で女子風呂へみたいな事はあるけど、コソコソしなくていいってやることないよな。


危なく刺激が強すぎて俺も意識が飛びかけてしまった、危ない危ない。

こんなんじゃ危険を感じるというかなんというか……


「マスター、月が綺麗だナ。」


「ん? あ、ああ、そうだな。」


俺は意識をこの場にとどめておくのに精一杯で上手な返事ができていないよう。いや、何を勘違いしているのかな? ただのぼせているだけだよ?

なお、グィネは今母なる大地とキスしてるよ。


「もしかして、俺様じゃなくてちっこい方が良かったか?」


「いや、そんなことないけど。」


「ねぇねぇ。祈君あの星綺麗だよ♪」


「祈。僕の体の方が綺麗。」


そう体をペタペタしてくる3人あの……本当に意識が………………。

悲鳴が聞こえてくる気がした。

そこで俺の意識は完全に消えた。

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