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Universe~大人の俺から少年の僕へ~  作者: 藤堂栞弥
蒼の章
6/28

第6話 初めましての親友

 

 


失敗した...


 今、俺の眼下にはの幾つもの靴箱が並んでいた。

 自分が通っていた学校なのに失念していた...


 俺が通っていた学校神(しん)(らん)小学校は、とにかく生徒数が多い。


 全生徒数900人以上、人数が多いせいか何故か、2棟ある校舎。

 県内で一番の人数を誇っていた。そんな学校だ、クラスは覚えていても、流石に出席番号は覚えていない。


 本校者では、1、3、5、6年が主に使い、別校舎は、2、4年が使う。


 現在、藍は2年、俺は5年。

 数分前、校舎の分かれ道に差し掛かったときだ。


「おにーちゃんバイバーイ」

 そう言って藍はさっさと行ってしまった。


 今思えば、あの時引き留めておけばよかったか...。いや、アイツが俺の出席番号を覚えているわけが無いか、というか知らない可能性もあるな...


 取りあえず5年の靴箱の前までは来たが、クラスは確か星、、だったか。


 俺は、5の星と書かれているプレートの前まで行った。


「あっ!蒼太!!」

「「「え?」」」

とつぜん名前を呼ばれたことで思わず後ろを振り返る。

 するとあの時の3人の子供達がいた。


「蒼太!大丈夫か!!」

 そう言って近づいて来たのが元気そうなのが印象的な、赤みがかった髪の少年。大きな声でこっちにダッシュしてきて・・・、


「蒼太ー!ごめん!俺がしっかりしていればー!!」

 思いっきり抱きつかれている、なんだ、この状況は...。

 周りの視線が痛い...。


「取りあえず、離してくれないか?」

「ちょっと紅蓮(ぐれん)!あんた、会ったそうそう蒼くんに何してんの!」

「グーちゃんだけずるーい。わたしもソーちゃんギューするですー」

 そう言って近づいて来たのは、2人の少女。

 肩幅ほどの黒髪をツインテールにした、メガネをかけた気の強そうな子と外国の子か、綺麗な金髪をした明るい独特な話し方の少女。


「ギューーー。よしよし、なでなで、ほらーコロちゃんもおいでー」

 何故か俺は紅蓮と言うやつと一緒に撫でられてる..。.何故だ...。


「こらっメイ!男の子にベタベタしたらダメっていつも言ってるって、きゃぁ!」

「おい!メイ!俺の頭をなでるな!」

「そこに頭があったから?」

「そこに山があったからみたいに言うなー!」

「あー、頭の位置がちょうどいいからか...」

 この紅蓮と呼ばれている少年は俺や周りの子ども達より若干小ぶりだ。


「俺はチビじゃないー!」

「紅蓮、あなたは、チビよ...」

「ひでーな!?つうか蒼太!お前記憶喪失なのに、しれっといじってくんなよ!?」

「みんな〜待ってよ〜」


 そんなカオスの中、かけて来たのが、俺が唯一思い出せた少年。草薙翠が来た。

 体力が無いのか息を切らしている。


「遅いぞ、翠!」

「皆が速いんだよー」

「あっアオ!おはよう、お母さんに聞いたけど僕達のこと覚えてる?」

「・・・実は草薙の名前ぐらいしか、君たちの顔は何となく見たことある気がするんだが...」

「そっか...」

 気まずい空気が流れる。そりゃそうだろう仲が良かったらしい友人がいきなり自分の事を覚えていないんだから...

「じゃあ自己紹介からだな!!」

 空気を変えるようにそこ抜けた明るい声が響いた。


「忘れたならもう1回覚えろ!んで、さっさと思い出せ!」

「紅蓮と同意見なのは癪だけど蒼君頭良いし、早く私、コホン、達のこと思い出してね」

「心...お前喧嘩売ってんのか...」

「事実を述べただけよ」

「んだとー!」

「まあまあ二人とも落ち着いてね?」

「はやく自己紹介するですよー」

「む、じゃあ俺からだな!俺の名前は(えん)(じょう)紅蓮(ぐれん)!好きな物はリクジョウ戦隊キュウメイジャーだ!!」

 と言ってポーズを決めた。そういえば昔やってた気がするな。なつかしい。


「私は黒沢(くろさわ)(こころ)よ。趣味は裁縫かな。よろしく蒼くん」

「わたしはー(てん)(らい)メイですー。はーふって言うんですよー」


「僕は覚えてるんだよね?でもあらためて草薙翠だよ?ちなみにアオとは親友だね」

「あ!ずるいぞ翠!俺だって親友だし!」

「わ、私だって!」

「わたしもですよー」

 ガヤガヤと騒がしく話している奴らをしり目に俺は草薙に小声で話しかける。


「...草薙、お前こうなること分かって言っただろ?」

「えー、なんのことかな?」

 こいつ確信犯か...

 俺は呆れた目で草薙を見る。


「ソウ」

「んっ?」

「アオはね僕のことソウって呼んでたんだよ?」

「ソウ?」

「うん!だって僕達、親友だからね?」

 草薙、ソウはそう言って笑顔を向けた。


 ...過去の俺はこんなに恵まれていたのか。

 そのことを俺は少しだけ羨ましく思った。


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