真実?嘘?
「んっ………ぇ」
気づけば眠っていたようで覚めたばかりのぼやける視界でなんとか周りを見渡す。
自分がいる場所はなんかの部屋だった…ちなみに腕は後ろでロープかなんかで縛られててあしもしばられてるもんだからうごけない
あれ、あっれぇー……まさかの拉致っすか?あはは!まじかァァっ
アクイラはちっちゃい時も体験したかなぁァ??
うん、やばい、非常にやばいですあぁこれまた迷惑かけるやつだ……
いやだぁぁっ!!だめだ、逃げなければっ私には世界を救う役目が!!
うっし、一応チートなんでね!?大丈夫大丈夫ー
気持ちを落ち着かせて、力を集中させてぇぇ〜
がらっ
「っ!?!??!?」
もうちょいって所で途切れた!!うっわ、失敗した!!誰だよマジで……そう思いドアの方を見れば……
「目覚めたか?お姫さん♪」
クスリと目を細くしてにこりと微笑むなんとも不気味な…んー、例えるならピエロみたいな仮面をかぶっているような笑い方をする男がいた
「……なぜ私を捕まえたんですか??さっさと離してください!!」
そう言えば男がまた不気味な笑顔を見せた
「ふっ、なぜ?そりゃああのクソガキさんの大切にしてる物…盗み出す他ないだろ?」
クソガキ……?パンセ…?パンセが私を大切に………そう、そりゃいいこっちゃ……って、だから何でだよ!?
「言ってる意味がわからない、さっさと離して、というかなぜ私を捕まえたの?
パンセに、恨みかなにかがあるのかしら?」
そう言うとまたクスクスと笑い始めた……何がおかしいんだ!?
というかさっさと解放しろよピエロっ
「何を笑っているの!!離して!解放しなさい!!」
「なぁ、お姫さん…俺と一緒にいないか?
あのガキといるよりは楽しいと思うぜ?
何しろあいつの本性知ってるか?父親に似てすっげぇ冷徹なにんげんだぜ?」
本性…?冷徹?…………パンセが冷徹?……いや確かにゲームのバットエンドはまぁ色々とグロテスクだったけど…今の所フラグは立ってないはずだが?
「クッ…アハハハっ……想像出来ないみたいだな?いーさ、教えてやるよ…あいつはな────なんだよ」
「え………」
信じられないことを言われた…ウソ、嘘だよね…設定にも、ストーリーにもそんな事は書いてなかった……書いてなかったはずなのに…
「嘘よ……絶対に嘘!!!………っ…ぁ」
恐怖で体が震える…さっきまでニコニコと笑っていた目の前の男が真顔でその瞳にはなにも写してないから……ツーっと首筋に爪を立てられる
「っ……は、離してッ」
「ククク……まぁいい、一日の有余をやる…今夜、日付が変わる頃…迎えにいく
自分でよく考えるといい」
「ッ!!!」
目の前が光、眩しくて目をとじる、がすぐに目をひらけばさっき、私が連れ去られた場所……元の場所に戻っていた
真っ先っに聞こえたのはパンセの声
「アクイラ!!!」
「パンセ……ぇっ!!」
ガバッと抱きつかれた…強く、とても強く…………
「よかった、よかった、アクイラ……急に消えるから」
「…ぁ、ごめ…なさい」
抱きしめられ、暖かくて安心するはずなのにずっとあの男の言葉が頭の中にグルグルとまわる
情けない……あんな奴の言ったこと気にするな……そんなはずないんだから……目の前で私を見つけて嬉しそうに笑う少年が………冷徹で…
──人殺し──
…なはずが無い




