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レイハート公爵夫人の時戻し  作者: 風見ゆうみ


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54  元婚約者の末路 ⑥ ~ロガンSide~

 助けを求める僕を無視して、ソラリアはイライアス様や兄上と去っていった。

 暴れる僕を見つめる者たちは多かったが、誰も助けようとはしない。


「自業自得だ」


 と言う声が聞こえた時、カッとなって反応すると、騎士から「静かにしろ!」と怒鳴られた。

 どうしてなんだ。僕は僕が考えていた未来を取り戻したいだけだ。

 悪いのは、ソラリアの父やソレイユだ。

 どうして、みんなそれをわかろうとしないんだ?

 留置所に連れて行かれたあとも、僕は無実を訴えた。

 ソラリアは僕の恋人であり、馬鹿なことを言ったから注意をしようとしただけだと話した。

 騎士たちは話を聞いてはくれたが、信じてはくれず、僕は公爵夫人に付きまとう危険人物として、僕は少し変わった施設に送られることになった。

 施設内で働きながら、コミュニケーションをとることで、ある気づきが生まれてくるのだという。

 そこで僕は、とある女性と出会う。彼女は施設内で働く職員だった。

 とても可愛らしい見た目で僕の好みのタイプだった。彼女も僕を気に入ったようで、特に僕のことを気にかけてくれていた。

 これで、ソラリアのことを忘れられる。

 そう思っていたが、ある時僕は、彼女が他の男と仲良くしているのを見てしまう。


「浮気だ!」


 そう叫ぶ僕に彼女は言った。


「だって、施設長の命令なんだもの。仕方がないでしょう? 安心して、一番好きなのはあなたよ」


 この言葉を聞いた時、どこかでこんな感じの話を聞いたことがあると感じた。少し考えて、気づく。

 これは、僕がソラリアに言ったことと似ているのではないかと――。

 自分の身になってやっと、された側の――ソラリアの気持ちがわかった。

 浮気をした彼女に嫌気がさし、僕は距離を置くようになったが、彼女はしつこく僕に付きまとった。

 彼女がしつこければしつこいほど、僕はソラリアの気持ちを知り、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 どんな理由であれ、浮気をして開き直る人間のことなど、いつまでも愛することはできないのだ。

 僕ができることとすれば、ソラリアに泣いて謝り、許しを請うしかなかったんだ。

 それなのに僕はそれをせず、ただ開き直って、彼女に縋り付いただけ。

 このことに気がつくと、涙があふれて止まらなかった。

 神様。

 お願いだから時を戻してくれませんか。

 もし、あの時に戻れるのなら、僕は絶対にソレイユと浮気なんかしない。

 何度も願ったが、時が戻ることはなかった。


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