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狭山茶カフェの向日葵(2023.5.25)

 フルーツみつ豆に抹茶アイスをトッピングして、こしあん団子を二本、そして水出し狭山茶の煎茶とほうじ茶。行きつけの狭山茶カフェの、私お気に入りのメニューだ。

 アイスはみつ豆と一緒に食べるのもいいけれど、こしあん団子と一緒に食べるのもいい。ひんやり冷たいアイスとあたたかいお団子が口の中で混ざりあい、とろけてゆくのはとても心地よかった。そこに冷たいほうじ茶を流し込めば最高だ。私が美味しい甘味たちに舌鼓を打っていたときのことだった。

「お待たせ!」

待ち合わせをしていた彼女が向かいの席に座りながら言った。

「もー、またこんなに食べて。糖分とりすぎだよー」

「いいじゃん、ここしか居場所無いんだもん。貴女は何食べるの?」

「またそんなこと言って。まあここの甘味が美味しいのは認めるけどね。あたしは抹茶レモンソーダと抹茶ロールケーキにしようかな」

 彼女がレジカウンターで注文と支払いをしている間、私は彼女の綺麗な長い髪を見つめていた。ゆるくカールしたそれは艶々と、手入れが行き届いていることを感じさせて、私の丸坊主頭とは大違いだ。服装もお洒落で、それも私とは大違い。どうしてこんな美人が私と付き合ってくれているんだろうって、不思議になる。以前そのことを伝えたら、好きだからに決まってるじゃんって笑われたけど。卑屈でごめんって謝ったらそういうところ嫌いじゃないよって言われたっけ。

 私は彼女のことが好きだ。大好きだ。

 そう改めて思ったとき、彼女が席に戻ってきた。

「あたしのこと大好きだって思ってたでしょ」

 顔に書いてあるよ。

 ふふっと笑ってみせる彼女は、向日葵の花のようだった。

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