アーサーとボーマン
◯アーサー
ふと、アロアの声が聞こえたような気がしてアーサーは振り向いた。
「どうした?王子?じゃなくて、王様か」
そう言ってボーマンがにっと笑った。
「まだ、王子だ。鼻男」
「おい、その鼻男ってのやめろって」
アーサーは笑った。
「全く、性格はましになったけど、根本的なとこは変わってねえな。やっぱり、お前にはまだアロアが必要だったんじゃないか?」
「アロアには帰らなければいけない場所がある。私が王になるように」
ボーマンは、アーサーの背中をばんっとっ叩いた。
「いたっ!貴様、何を」
「元気出せよ。俺たちがいるじゃねえか」
アーサーは、一瞬目を瞬いたが、ふっと笑って微笑んだ。
「ああ。そうだな。ありがとう。ボーマン」
ボーマンは、少し照れくさそうに笑った後、ん?と顔をしかめた。
「お、お前、今、俺の名前」
「貴様は先に行ってろ。私は、ランスロットに用がある」
そう言ってアーサーはさっさと部屋を出て行った。
先に待ってるからなと後ろから声が聞こえてアーサーは部屋の扉を閉めた。
そんなアーサーの顔は少し綻んでいた。
「アーサー」
ランスロットが、きょとんとした顔でこちらを見ていた。
「ちょうど、お前を迎えに行こうと思って。何、笑ってんだ?」
アーサーは恥ずかしそうに、咳をした。
「なんでもない。それより少し私に付き合ってくれないか?ランスロット」




