第46話 襲来
昨日投稿しようと思っていて寝てました。すみませんorz
「団長もう少しで例の場所です。」
「わかった。」
その報告を受けカルは覚悟を決める。
彼らは幸運なのかフローズヴィトニルは消えていた。
「あぁ、よかった...」
その言葉からは安堵が感じられる。
けれども襲ったという事実が見て取れる。
現場には腕のみや上半身が欠損したもの、
顔が見えていてもその恐怖からか涙や鼻水で顔がぐしゃぐしゃになっている死体にバラバラになった馬車や樽や木箱、そして血が当たるところに散乱していた。
「くっ...」
その惨劇彼らは涙を流し祈りを捧げる。
紫乃はそんな光景を見てまた呪いにならない呪いが発動する。
『彼らの魂はどこある行ったのだろうか?
そもそも人間の魂はどこにあるのか?
死んだ先にあるものは何か?
生まれた時何故私だったのか?
生まれる前は何だったのか?
死んだら私という存在や記憶はどうなるのか?
何故私がまだ生きているのか?
etc...
..
.
』
などと彼女は考え思考がまとまらなくなり、呼吸も荒くなる。
その事にマカオは直ぐに気付くが人とは他人の思考をそう簡単に読めるものではなく、彼は紫乃がこの状況を見て混乱したと感じた。
「紫乃ちゃん。大丈夫よ、ほらあっちでアリドゥと、一緒に休みましょ?」
そう言って彼は紫乃の背中をさすりながら馬車で待機しているアリドゥの元へと誘導する。
「おねぇちゃん?大丈夫?」
馬車に着くとアリドゥにも紫乃は心配された。
それ程人の死は人に多大な影響を与える。
「マカオさん、アリドゥ大丈夫です...」
紫乃はまだ呼吸が乱れるが先程よりかは安定はしてきた。
「無理はダメよ!」
そう彼は言うと団長の元へと向かう。
「団長さん。この後この始末はどうするのかしら?」
商人というものに関して初でもあるが、この世界の供養の方法など知るわけがない彼は団長に聞く。
「あぁ、一般的にはきちんと埋めてやるんだがな...なんせフローズヴィトニルに食われ死んじまったらまだ埋めてやることが出来ねぇんだよ...」
それはこの世界で魂と言うものを何かに喰われるとその魂は喰ったものに宿ると言うとこからだった。
「このまま放っとくの?!」
「そうじゃない。壺に納めるんだ。奴がフローズヴィトニルが倒され魂が解放されるその時まで...」
「そうだったのね...」
それを聞き沈黙が流れる。
マカオは血が出んばかりに握りしめられた拳を見たからだった。
彼らは解放したいのだ。
供養出来ない彼らをその中から。
沈黙は突然破られる。
「グルァァァァァァァァァァァァァァア!」
鼓膜を破きそうな咆哮が聞こえる。
「おい、嘘だろ?!」
カルは空を見上げて畏怖する。
天には銀の翼を広げたフローズヴィトニルがこちらを見つめていた。
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