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第26話 前置きの長かった双子

あのさ、戦闘シーンで難しいね。うん。

「し、師匠?!」


私は思わず声を出してしまった。

すると師匠はこちらを振り返り


「お久しぶりですね、我が弟子」


そう言ってくれた。

この世界では教え終わったら師弟関係は終わりになるので普通はこんな会話はもうあり得ないのだが、そんなことはどうでもいい。


「紫乃ちゃん。この人知り合いなの?」


マカオさんが聞いてきた。


「この人は...」


途中途中は端折ったがこの人が私の剣の師匠ということとめっちゃ強いという事を教えた。


断罪剣のことは隠しておいた。

マカオさんがそれで私を斬ってとか言いそうだったし...


「さて、それにしても早かったですね。紫乃。」


早かった?


「それはどういうことですか?」


「門番に言伝を頼んだその日に紫乃が来たからですよ。」


つまり師匠も今日ここに来たばかりだったのか。


「さて、本題に移りましょうと言いたいのですが、ここじゃあれですし。私の泊まる予定の宿に行きましょう。」


そう言って私達はギルドを離れた。




私達は宿に着きさっきの話の続きを始めた。


「さて紫乃、実はここ最近この街で斬殺された死体が一夜明けるごとに出てきます。」


え?はぁ!

えっちょまってよ怖!いきなり話の内容怖すぎるんですけど...


ふとアリドゥの方を見るとマカオさんがしっかり耳塞いでた。

あっなんかマカオさん嬉しそう。

いやいやいやそっちちゃうわ


「それでですね、その死体のそばには謎の文字らしき字が被害者の血で書いてあるのです。それがこれです。」


そう言って師匠はその文字を書き写した紙を見せてきた。そこには


異世界人 死 紫乃 タロット 恋人


そう書かれていた。


「紫乃ちゃんこれって...」


マカオさんも私もこれが私達と同じタロット持ちの仕業であることはすぐに感づいた。


「師匠この件に私に預けて「ダメです!」


強く言われた。


「何故ですか!?」


そうこの件がタロット持ちの仕業ならばこれは私達の問題である。ならば、私達がやらなければならないことは私達は分かっていた。


「紫乃、貴方達の反応から見てこれが読めるということはやはり貴方達は...いえ、今はそこじゃないわ。そう、そこじゃない。

あのね紫乃この死体達の切り口は他の街でも起きていた殺人と全く一緒だったの。

そして何より彼らの姿を見たものはいないのよ。そんなところに貴方を行かせるわけにはいかないわ。それに私にはこの断罪剣がある。それに小さな子もいるわけだしあなた方は絶対に夜出歩かないでね。お願い。」


師匠の少し悲しそうな声で私は「わかりました」と言ってしまった。


何故だろう、私は人の悲しみを見ると弱気になる。癖なのかはわからないけども...


師匠の「ありがとう」を聞いて私達は自分たちの宿に戻った。


そのまま私達は眠りについた。




パリン、ドン!そんな音を聞いて目が覚めた。


「こんな夜中に何事?」


隣を見ると師匠がいた。


「師匠?!」


鎧には無数の傷があった。


「逃げなさい紫乃。」


少し掠れた声でそう言われた。


「え?」


私は師匠を抱えマカオさんと起こしアリドゥを任せた。


そしてギルドに向かおうとした。


師匠に「私は置いていきなさい」と言われたがそのまま直行することにした。


途中で師匠は抱き抱えられるのが恥ずかしくなったのかもう歩けますからと言って走った。

めっちゃ速い。


ギルドまでは次の角を曲がればのところで前に鎌が降ってきた。


「あー!やっと見つけた!ねーねーお兄ちゃん対象がいるよ?」


まだ幼い女の子はそう言ってはしゃいだ。


「そうだねユユカ。ここでまった甲斐があったよ。全くあのババァがいなけりゃも少し早く会えたかもなのに。あのババァほんといい迷惑!今度殺しちゃおうかね!あのきみ悪いモンスターどもと一緒に!」


こちらも、まだ幼い男の子だった。


男の子は青いマントを、女の子は赤いマントをしていた。

手には鎌が握られていた。


「さーて、お仕事しちゃいましょ?しちゃいましょ!」


「うんうん!パパからご褒美いっぱい貰える?貰える!」


二人は嬉しそうにそういう。


「ついでに断罪剣も持ち帰ろう!そしたら「いっぱいご褒美貰えるね!」」


そう言って二人は私に狙いを定め鎌を振り下ろしてきた。


私はシュシュを刀に変えながら。それを右へと避ける。


ドガン!


そんな音を立て、地面が割れる。


あたりには土煙が立ち込む。


「ねーねーユユカー避けられたよ?どうする?」


「そうだね、お兄ちゃん、あれやろっか?」


「そうだね!あれやろ!あれやろ!」


この二人はそんな作戦会議をしてまた私の方へとやってきた。


私は刀を横にし受け止める姿勢になった。



双子は私の体をする抜けた。


「やーい!引っ掛かったー」


「本当は後ろでーす!せーの!」


カン!そんな音を私の後ろからしてきた。


「弟子をそんなに簡単にはやらせません!」


やばい惚れそう。

違う違うそんなことを言ってる場合じゃない。

私は刀をモーニングスターに変え、鎌を飛ばした。


「形成逆転かな?」

私異世界転生であり得ないもの出すことが決定しちゃいました。はい。クソですね。


読んでくださってありがとうございます。

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