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約束の時間の
午後8時の少し前
僕と明宏は喫茶店に入った。
少し前に
俺のスマホには
今、店内に入ったと
鍋島から電話が来た。
それに対して
もうすぐ着くからと
俺は返事をしておいた。
さすがに
店内に入る時は
明宏も腕を組んでこない。
ただ
いつもは並んで
店内に入るものの
今夜の明宏は
俺の少し後ろから
付いてきている。
おそらく
少し離れた所から
まず鍋島の印象を
観察するつもりなんだろう。
俺が店に入ると
奥の方の席から
鍋島が駆け寄ってきた。
神崎!
久しぶりだな!
久々に会えて
本当に嬉しいよ!
と
鍋島と俺は
自然とハグしていた。
その鍋島の様子は
決して演技ではないと
俺には伝わってきた。
俺に会えたことを
鍋島は心から喜んでいる。
おそらく
近くで見ている
明宏も同じように
思っているはずだ。




