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さらには
万が一にも
組長室に思いがけず
誰かが入ってきた時でも
部屋の掃除を
自主的にやっていたとか
明宏のことだから
抜け道を用意しているはずだ。
つまりは
組の金を横領すると
誰にも思わせない対策は
明宏は講じているはずだ。
それでも
俺は不安になり
もしも
見つかったら
どうするんだよ?
お前、あの世行きだぞ!
と
明宏に聞いてみると
その時は
その時ですよ!
そうなったら
自分は、そこまでの
人間だっただけです!
と
明宏は平然と
俺に答えたんだ。
こいつは
肝っ玉が据わっている!
とんでもない
大物かもしれんな!
と
俺は明宏を
見直すことになった。
それと同時に
こいつに
自分の人生を
賭けてみよう!
と
俺は改めて思った。
というか
明宏の逃亡計画に
乗った時点で人生を
俺は託しているんだ。




