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今夜の明宏は
女装をしていない。
それゆえ
組事務所から
離れているものの
縄張り内にある
ファミレスで食事をして
その付近の喫茶店に入った。
それにしても
若の奴は将生兄貴に
酷いことをしやがる!
と
俺の顔の傷を
明宏は見ながら
さっきから憤っている。
それから
明宏は喫茶店内部を
観察するように見た。
おそらく
うちの組員たちには
絶対に聞かれたくない
話をしたいんだろう。
以前にも何度か
そういう仕草を
明宏はしていたことがある。
うちの組員が
店内にいないのを
明宏は確認できたようだ。
それでも
ヒソヒソ声で
ねえ!
将生兄貴!
若、則夫の野郎に
天罰を下してやりましょうよ!
と
明宏は真剣な顔で
俺に言ったんだ。
天罰?
どうやって?
と
俺は明宏に
聞いてみることにした。
その話しには
正直に言うと
俺は興味があった。




