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ただ
会いたいも何も
鍋島は明宏には
もう会っているんだ。
しかも
一時間も前から
明宏と向かい合っている。
とはいえ
目の前にいる
女装の明宏のこと。
彼女いや彼を
18歳の女の子だと
明宏は今の時点でも
信じて疑っていない。
そして
女装の明宏を
俺の恋人だと
鍋島は信じている。
2人一緒に
組から逃げることを
自分に依頼してきたと
鍋島は思っているんだ。
つまりは
俺か話している
頭のキレる弟分の明宏と
目の前にいる女装の明宏。
その2人を
別人だと思って
俺に明宏に会いたいと
鍋島は頼んできたんだ。
俺は再度
隣にいる明宏を
チラッと見た。
すると
まさに
してやったりの表情だ。
これまで
一時間以上
明宏と向かい合っていても
まだ鍋島は
明宏の女装には
全く気づいていない。
やはり
そのことには
明宏は嬉しいようだ。




