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無理やり主人公  作者: がっかり亭
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引っ越し

 ――数日後。北摘寺町二丁目。

 ここに俺の住む家がある。一人暮らしだが、貸家なので広々だ。一階が和室と食堂で、二階には二部屋ある。すごいっしょ?

 むろん金銭的余裕はない。そこで所有するオタクグッズを大量にネットオークションにかけて、資金とした。キン消しとか超合金とかな。

 虎の子のビックリマンシール第一弾フルコンプ(小学校の頃、卒業したとか言って飽きた奴らからもらってるうちに揃ってた)なんかはアホみたいな値段がついたから、正直リッチなくらいだ。

 昨日引っ越してきたばかりだから荷物はほとんどダンボールの中。ちなみにどうしても手放したくなかったサインつきとかのレアものマニアックアイテムは先に屋根裏に隠してある。

 地元なのに、実家からわりと近くなのに、お金ないのにオークションしてまで、無理して引っ越した理由は一つ。

「何で私が貴様と住まねばならんのだ」

 ま、こういうことだ。一緒に居る事で無理やり物語に介入するのだ。

「俺が怪しいんなら、へばりついて調べればいいだろ? 俺から言ってもつまらないしな。それに、ここなら家賃タダだしよ。ま、一人暮らしも飽きてきた頃でな」

 こんな感じで、数日かけて説得した。一度で納得はしなかったが、逆にそれを利用してその間に引越し関連の全てを済ませたのだ。向こうは向こうで、その間俺の様子を見てたようだが、当然超常的な何かが出るわけがなく、諦めて説得に応じたわけだ。

「妙な事を考えてるんじゃないだろうな?」

「洗濯板に手は出さねえよ……いてっ!」

 六角は無言で殴ってくる。

 気にしてるらしいな。

「……とにかく。好きな部屋を使っていいからな」

「誰が住むと言った」

「じゃあ何で荷物持ち込んでるんだよ?」

 六角はちゃんとボストンバッグ一杯の荷物を持って来ていた。先ほど、六角の家に寄ったのだが、その時六角は驚くほど素早く荷物をまとめて来た。

おそらく異動が多いんだろう。だからまとめるのに慣れてて、そんでまた荷物も初めから少な目にしてるのかもしれないな。

「これは……その……本部から支給が少ないし……」

 もじもじと口ごもる。どうやら家賃の捻出が大変らしいな。バイトするわけにもいかねぇだろうし。

「はいはい。いいから好きな部屋決めな」

「勘違いするなよ! これはあくまで調査だぞ……。できるだけ借りを作りたくないしな……私は屋根裏で構わんぞ」

「絶対に駄目だ!」

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