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無理やり主人公  作者: がっかり亭
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11/39

思惑

『馬鹿な!?』


 そして、その鎌を持つ、黒いフードを被った女も顔に驚愕の色を浮かべていた。

 そりゃそうだ。何の前触れもなく、まるで予知したかの如く俺が攻撃をかわしたんだからな。

 もし「疫病神だよ」の「だ」まで言ってたら、俺の首は飛んで、飛んだ首が「よ」って言って俺はおしまいだっただろう。


 勝った! 来ると思ってたぜこのタイミングでな!

 ジャンプの漫画なんかでよくある「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」と「()()()()()()()()()()()」パターンだ。前者は「ホラー映画でバカップルが真っ先に殺される」くらいの確率な気がする。


 黒フードの女は鎌が床に突き刺さって抜けず、あたふたしている。


「こらぁ六角! 何ぼさっとしてやがる! チャンスだろうが!」

「……はっ!?」


 突然の事に呆けていた六角だが、俺の声で正気を取り戻したようだ。


「我が傍らに在りしは霊なる剣! 来たれ! 中窪霊戮錬刀!」


 六角の手に刀が現れる。


『くそっ!』


 黒フードは未だに鎌が抜けないらしく相当焦っていた。


「天裂く雷、見えざる銀嶺、降り注ぐ流星――断て! 中窪霊戮錬刀!」


 六角は呪文を唱えながら突進する。

 一方黒フードもやっと鎌が抜けたらしく、それを振り上げる。

 だが遅い。既に六角の刀は黒フードの胸を貫いていた。


『かふっ!?』

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 六角は更に斬り上げた。


『ぐああああああああっ!』


 黒フードは胸から肩を斬り裂かれ、絶叫した。


『バカな……。クチク級たるこの死神バルフレアが……敗れるなど……っ』

「クチク!?」


 六角が驚いている。クチクってのは相当強いレベルらしいな。

 ……もしかしたら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……。

 もっとこう、物語が進んでから再戦して倒す系のさぁ……。ほら、よくゲームでも敵の幹部といきなり戦闘になって負けてもゲームオーバーにならないやつ。

 とはいえ、倒してしまったものは仕方ない。


「なんでそんなクラスがこんなところに来ているのだ! 目的を言え!」

『そ……そうか……そんな事もわからん末端トウレンシに負けたというのか……』


 バルフレアは血を吐きながらも口の端を吊り上げた。


『死神も落ちたものだ……くは……くははは……っ』

「答えろ! なんで貴様はここに……」

『くははははははははははははははっ!』


 バルフレアの体から紫の炎が噴き出し、その身は瞬く間に炎に包まれた。


「くっ!」


 慌てて飛びのく六角。


『はははははははははははははははははは…………』


 バルフレアの笑い声は、その身が燃え尽きるまで続いた。


「終わったな」


 俺は六角に手を差し出す。


「ああ」


 六角はその手を握る。

 固い握手――


「……って何握手しているのだ!」


 六角が俺の手を払う。痛えっすよ馬鹿力ちゃん。


「大体貴様何者なのだ! クチク級の攻撃をかわすわ、先ほどは私の名前を呼んでいたな? 何なのだ!」

「知りたいか?」

「良いから言え!」

「そんなに知りたきゃ四六時中監視すりゃいい。俺ん家に住んでもかまわんぜ?」

「は?」

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