表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

7話 黒竜討伐 1

 結局あの後何もせずに基地に戻ったのはいいのだが皆から心配されてもみくちゃにされたのは別の話。2日間は新人教育や黒竜討伐に向けての作戦会議をして過ごした。もしもの場合に備えないといけないのでしっかりと準備や作戦の指揮系統を細かく決めた。本日、黒竜がこの国に近づく予定だ。日が落ちる前に来るだろうと観察チームが予測を立てている。今は昼過ぎで俺は食堂にいる。


「あっ、隊長さん。こんにちはです」

「ウィズさん、こんにちは」

「席は……」


 昼過ぎではあるが食堂はいっぱいだった。ウィズさんはどこかに空いている席がないかを探してくれようとしていたが今日はここで食べるつもりはない。何故ならば弁当を頼もうと思ってきたのだ。これから準備しないといけないから移動しながら飯を食えるように何か軽食を頼もうと思ってきた。そのことをウィズさんに料理長に伝えてくれるとのことだったのでお願いした。


 自室に戻り今回のことを考える。雅人(まさと)廻之離(みのり)魔巫(まみ)ちゃんが現代にいる。雅人は“イシガミ”に封印されていて、二人は転生している。何が何だかわからなくなってきたぞ? 俺が故郷のみんなを虐殺した筈なのに……この手にあの時の感覚が鮮明に残っているのに何故、生きてる? あの兄妹は一体何を背負おうとしているのか。俺には一切わからない。まぁどうにかなるだろうから心配はないか。最悪の場合は龍装を使えば大丈夫だしな。


「嫌がらせに付けた名前だけど、愛着が湧いてくるな」


 この技術を龍装と名付けたのは、龍とそれを信仰している奴らに対しての嫌がらせで付けたのだが思いのほか、長い時間使っているだけあって愛着が出てきてしまった。龍装と竜装では技の範囲や消費するモノは全く違うから上手い感じに使い分けないといけない。それを間違えると終わるのはこっちの方だからなぁ。しっかりと切り替えてしないとな。それは置いておかないとな。


 黒竜が再度発見されてから被害が一切上がってこない。迷わずヘルアルイ王国に向かってきているとのことだしな。王都に向かって飛行中ってことだしもしかしたら何か目的があるのではないか? アレは階級が低い奴だから本来であれば好みの場所で破壊し続けるモンスターだ。理性が……本能に勝ったのであれば考えれることではあるが、先天性であれば過去にもそういった事例はある。


 後天性では一度もない。だからと言って可能性がないって訳ではないがものすごく低い。それこそ輪廻から外れた存在になるくらい低い。神ですら輪廻には抗うことはできないことを考えると本当に0%に近い確率だ。もし、後天性で理性が本能に勝った個体であるのであれば、部下にしたいな。王都の学者どもが気づく前に庇護がおかないとヤバい。


「失礼します。準備ができました」

「副隊長、ドラゴンってうちで飼える?」

「は? 頭がとち狂いましたか?」

「忘れてくれ」


 副隊長は頭を傾げているがそりゃそうだろうな。上司が急にドラゴンって飼える? って聞いてきたのだからな。まぁそんなことはどうでもいいか。どっちにしても討伐することには変わりないから上が何を言ってきても無視してその場の判断でするか。ロイが配信するって言っていたし……あのクソ貴族共にも分からせるいい機会だな。



◇◇◇

〔ロイ視点〕


 隊長さんの配信用魔道具の調整は上手くいったけどもゼロ基地の防衛システムは調整が上手くいかない。少し前に空が割れたり山が消し飛んだりした影響でここの防衛システムの一部がイカれたのだ。赤竜の襲来でもイカれなかったモノが余波でダメになるとは想定外だねぇ。それに……試作品も壊れてしまったしね。読み込もうとして壊れるとはねぇ。


「ロイ、この報告書はいっ_何があった?」

「おぉルイズじゃないか。作戦の方はどうしたんだい?」

「それは大丈夫だが……」

「試作品が壊れてしまったね」


 僕が壊したんじゃないかという目を向けてこられては心外だが、彼女の目からは何者かに壊されたように見えるのか。しかし僕が研究室から出ていないことを考えると壊されたというのはおかしいね。遠隔で出来る者がいるとしたらこの基地内にいるということになる。しかもこの僕に何も感知されずにコレを破壊できるのは不可能に等しい。


 隊長さんはもちろんのことルイズに何も反応されていないってことは二人よりも強いってことになると思うんだがね。ふむ、この髪の持ち主がよほど観られたくないってことだろうね。じゃないと説明がつかないからねぇ。まぁルイズの観察眼は確かなものではあるから何者かに壊されたって線で個人的に調べておこうかな。


「それで何しに来たのかな?」

「隊長の映像の解析したと言っていたな」

「それの報告書で何かあったのかな?」

「あぁここの部分なのだが」


 全くルイズは隊長さんのことになるとすごく楽しそうに話すなぁ。彼は今はフリーってことは分かっているはずなのにねぇ。あのマミって刻まれた墓標を見たら誰でも身を引いてしまうからね。一体誰の墓なのかは僕達には分からないが隊長さんが必ず毎年行っていることを考えるとよほど大切だった人だと思えるね。


「ロイさん、いますか?」

「あぁいるとも入ってきてくれ」

「頼まれていたサンドウィッチになるんですが……って本当に入ってよかったんですか?」

「もちろんだよ。このアホよりもウィズちゃんの方が大切だからね」


 やれやれウィズくんのことを妹のように思っているのは分かっているが露骨すぎるね。ふと時計を確認するとそろそろ黒竜が彼の下にやってくる頃だね。



◇◇◇


「うん、やっぱり仕事前は握り飯に限るな」


 俺はウィズさんにもらった握り飯を食べ終わりちょうどいいタイミングで来た黒竜に

「“魔竜装・抜刀_みだれ”」

刀に魔力を纏わせて斬撃を放つ。


【グオォォォ!!】

「さて、始めようか。黒竜退治だ」


・・・配信って出来ているよね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ