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「じゃあ武器を預かりますね。お肉沢山食べちゃって本当にすいませんでした。」
「いや、別に良いよ。一人だと少し多い感じもしたし。」
ご飯も食べ終わり、店を出た俺はミルファにブロンズソードと素材を渡した。
修理してもらう為のお礼としてペンダントを渡そうとしたら断わられる。
漫画肉をあんなに食べてしまったのに申し訳ないと言って受け取ってくれない。
それだとこっちも申し訳ないので何回かの押し問答の後、無理やり貰ってもらった。
何だかんだ言ってミルファも嬉しそうな感じなのでこっちも嬉しくなってくる。
今の時間では鍛冶場も閉まっているらしいので、明日直してもらうことになった。
昼前には出来上がるそうなので猫の日向亭で待ち合わせる事にする。
ミルファの張り切り様から期待してもいいんじゃないだろうか。
猫の日向亭でミルファと別れた後、俺は部屋に入り眠る事にした。
・・・
次の日の朝、俺はギルド1階の掲示板でクエスト依頼書を眺めている。
昼までは時間があるからクエストを受けようと思ったんだけど武器がないのでモンスターがいる所にはいけないし、今日は街中のクエストでもやろうかな、と考えたのだ。
掲示板に貼ってあったクエストで受けられそうなのは【屋敷清掃】と【木材運搬】【下水掃除】くらいだろうか。
最後のクエスト【下水掃除】ではモンスターが出そうなので無理かもしれないな。
昼にミルファと待ち合わせているので午前中で終わる仕事にしたい。
俺は【屋敷清掃】のクエストを受ける事にした。
この依頼は草むしりのクエストの時と同じ所が出した依頼みたいだ。
今回は屋敷内の掃除をしてほしいらしい。
冒険要素はゼロだがこれも立派なクエストだ。
よし、頑張ろう。
・・・
1回来ている場所なので迷う事もなく辿り着く事が出来た。
早くに来れたので昼前には余裕で終わりそうだ。
俺は屋敷に着くとベルを鳴らす。
「おはようございます。ギルドの依頼できました。」
「おや、あなたはこの前の。どうぞお入りください。」
前の時と同じゼパルが出てきたので挨拶をして屋敷に入れてもらう。
屋敷の中には豪華な壺とか絵とかが沢山飾られていた。
それでも悪趣味な感じがしないのは屋敷の主人のセンスが良いのか、それとも屋敷を管理しているゼパルの能力が凄いのか……
まぁ、どっちでもいいか。
「ではクロさんには廊下の掃除をお願いします。壺や絵画等は触らないように。窓の拭き掃除と床の掃き掃除だけで結構ですので。」
「わかりました。」
多分壺とか絵画は特殊な手入れの仕方があるんだろう。
あとは高価な壺とかを壊されたくないんだろうな。
俺は掃除用具を受け取ると細心の注意を払いながら掃除を開始した。
・・・
「この屋敷、広すぎだろ。」
掃除は窓ふきと軽い掃き掃除だけで良いということだったので簡単だと思ったが、意外にキツイ。
常に掃除されているからだと思うけど、屋敷は掃除をする必要がない位キレイだ。
これだけ聞くと掃除も楽そうだけど、キレイだからこそ結構神経を使う。
それに高級そうな壺やら花瓶が沢山あるのでかなり緊張する。
あと屋敷が広すぎる。何回も言うが広すぎるのだ。
2時間は掃除をやっているのに全然終わる気配がない。
一応2階の方は終わらせて、ゼパルに確認もしてもらいOKを貰ったので残すは1階だけなんだが、2階だけで2時間近く掛っているから1階も同じ位かかるんだろう。
「まさか本当に午前中ずっと掃除をすることになるとは……」
ゲームなのに普通にバイトをしている感じになってしまっている。
まぁ、愚痴っても仕方ないし急いでやってしまおう。
午後になっても終わらないのは嫌過ぎるからな。
結局掃除が終わったのはそれから2時間後の12時だった。
ま、まさかこんなに時間が掛るとは。
だけど報酬は3000ゼニーとかなり高額だった。
高額だったけどもう2度とやりたくない。もうやらない。
・・・
屋敷から出て猫の日向亭に向かう。
昼前に余裕で終わると思っていたが終わったのは昼を少し過ぎていた。
「もうミルファは来ているんだろうなぁ。急がないと。」
猫の日向亭の前には既にミルファがいた。どうやら待たせてしまっていたみたいだ。
ミルファは鍛冶を終えて直ぐにここに来たみたいで服や髪が黒く煤けたままだ。
急いできてくれたみたいなのに待たせてしまって申し訳ない気分になる。
「ごめん、クエストが終わらなくて。」
「あ、私も今来た所ですよ。武器修理が面白くて夢中になっていたら時間ギリギリになっちゃって。」
ダッシュでミルファに謝るが、彼女はそこまで怒っていないみたいだった。
本当に良い子だなぁ、この子。
「あ、武器なんですけどかなり良い出来になりましたよ!」
ミルファはそう言うと自信満々と言った感じでブロンズソードを渡してきた。
見た感じはそんなに変わっていないが武器の名前が【真・ブロンズソード】になっていて性能も倍近くまで上がっている。
「凄いでしょ?耐久値が少し下がっちゃいましたけど、他の性能は倍近くになったんですよ!」
「こりゃ凄いね。俺には勿体ない位だ。」
本当に凄いと思った。
ブロンズソードなのにゴブリンソード以上の性能になっている。
普通に直してくれればそれでいいのに予想以上だった。




