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──自炊が楽しくなってはや数ヶ月が経つ。
俺は仕事を辞め、いまは規則正しい日々を送っていた。朝に朝食を取り、昼に絵を描いたり、文章を書いたり、効率で縛られた生活とは無縁の日々である。
──そんな俺に運命的な出会いが訪れる。
恋愛云々ではないが自身の生活サイクルを構築する重要な変換期である。
それははじめ、ゲームの再現料理からの挑戦だった。
ハムとベーコン、チューブバターを買い、フランスパンを用意した。某ゲーム風サンドイッチにして食べていたが、サンドイッチでは手軽に食べるにはやや向かない。
そこで編み出したのがコッペパンである。ここから俺のコッペパンの可能性が広がっていく。
コッペパンはヤマザキのお手軽ホットロールを採用した。5個入りで使い切り易く、かつフランスパンより柔らかく、切れ目が最初からあり、包丁を使わず、調理出来るメリットがある。
最初に作ったのはハーフベーコンとハムを使ったシンプルなものであった。味塩とバターで味を加え、シンプルなベーコンとハム──シンプルだが間違いのない組み合わせだ。
バターの濃厚さと塩味、それらを引き立てるベーコンとハム、そして、コッペパン。
それらを堪能したあとにデザートにセブンイレブンで購入した豆腐スイーツバーのカフェラテ風味を挟んだコッペパンを齧りつつ、その控えめな甘さを味わいながらコーヒーで流し込む。
今日も1日何事もなく、終わりを迎えたが、ささいな幸福感に満たされながら、俺は知らず知らず、コッペパンの可能性に惹かれていたのだろう。
──コッペパンには無限の可能性がある。それは比喩表現とも誇張とも取れるだろうが、その時の俺はコッペパンのその可能性に薄々ながら気付いていたのかも知れないが、いまとなっては解らない事である。
俺はお気に入りのライバーの配信を見て、アナログイラストでそれを模写をして誰かへのメッセージとして、それを昇華する。いつか、誰かの応援になる祈りを込めて、俺は鉛筆を手にA7サイズのメモ帳に最初の線を描くのであった。




