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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
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あれから二週間程経ち、イゼリアの一歩手前までやって来た。ここまでは、特に何もなく、順調に旅をしていた。まぁ部屋や飯のことをもめたりとかはしたがいたって安全だった。そしたらいきなり、ふなりの女に急襲された。一人は赤い短い髪をしていて一見、男に見える。堂本に似ているな。頭が残念な感じだ。もう一人は緑色の長い髪でかなり綺麗だ。頭がかなりキレそうだ。ただ、構えに隙がない。おそらく、こっちの方が強いだろう。


「お前ら、グロリアの騎士だろ。許さんぞ!」


「何を言っている。俺たちは騎士じゃない。」


「その防具に国旗がついてるだろ。嘘を言うんじゃない!」


「これは騎士から奪ったものだ。」


「問答無用!!!」


と難癖をつけられた。


「瞬と凛はあの赤髪をやれ、緑の方は俺がやる。」


「わかった。けど、なんでそっちなんだ…?」


「おそらく、緑の方が強いだろう。それにスキルもなんか、強いのを持っているだろう。それだったら相性が俺の方がいい。」


「よし、凛行くぞ!」


「私に命令しないでよ。」


「癒沙もあっちを頼む…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


さて、私はあの子とやるようね。


「『鑑定』」


鑑定

相手のスキルとステータスが確認できる。ただ、距離が遠いと見ることができない。


早川 瞬 16歳 男

レベル65

体力:960

魔力:768

筋力:1440

敏捷:1152

耐性:960

運:50

スキル

《剣術》《土属性》《身体能力強化》《加速》


黒木 凛 16歳 女

レベル71

体力:1050

魔力:2100

筋力:840

敏捷:1050

耐性:840

運:150

スキル

《念話》《遠視》《風魔法》《魔力探知》


中山 癒沙 15歳 女

レベル59

体力:435

魔力:870

筋力:435

敏捷:435

耐性:435

運:200

スキル

《治癒魔法》《魔力強化》《魔力回復速度強化》


(あの一番前にいる子のステータスが見れない!どういうこと?)


「ランシェ、あの一番前にいる子は特に気をつけて、鑑定が出来なかった…」


「えっ、冗談だろ。」


「本当よ。ヒーラーを除く二人はあなたよりステータスが高いわよ…気をつけてね。」


「なんだと、もしかして俺たち、厄介な奴らに喧嘩売ったんじゃねぇの?」


「そうね、そこには私を入れて欲しくないけどね。まぁ、いきますか。『認識阻害の歌』」


その瞬間、歌が流れた。


認識阻害の歌

自分が対象にした者が歌を聞いた時に自分のことを認識出来なくする魔法。ただ、軽い一撃でも貰うとすぐに解けてしまう。


その瞬間、メルエールは走り出した。


(先手必勝、暗殺術で一気に終わらせましょう。)


練の首に剣で刺そうとしたら、防がれた。そして、蹴りを貰ってしまった。その瞬間、魔法が解けてしまった。


「な、なんで、わかったの?」


「企業秘密だ。お前のスキルも物騒なのを持ってるな?」


「知らないわ。」


(ヤバイわね。こんなにヤバイとは思わなかった。ランシェの方も苦戦してるし、なんとかしないと。もう一度、)


「『認識阻害の歌』」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「こっちも行くぜ!『チャージ』」


チャージ

これを唱えてから最初の攻撃までの時間により最初の攻撃の威力が変わる。長ければ長い程威力が上がる。


「『土槍』」


「オラっ」


そしたら土槍が砕け散った。


「マジかよ。」


「手加減してたらやられるわよ…『風弾』」


「当たるかよ。」


かなり身軽のようで技が当たらない。


「『小刃・乱舞』」


「くっ」


(こいつら本当に強いな…質より数で勝負されるとキツイんだよな。)


「『岩槍激流』」


「『爆裂拳』


爆裂拳

殴った物を爆発させて壊す技


「『風刃』」


「ぐはっ」


(食らっちまった…これ、本当に風刃か…威力がおかしいだろ。)


「まだ、戦えるぜ!」


「おい、後ろを見て見ろよ。」


(何のことだ?罠か?でも罠には見えねぇな…)


恐る恐る、後ろを見た。そしたらメルエールがもう、傷だらけで倒れてた。


「なっ!嘘だろ…」


(メルエールがやられるとか、こいつ何者だ⁉︎しかも無傷じゃねぇか…)


「おい、お前!」


「なんだ?」


「俺たちは騎士ではない。話し合いをしないか?」


(この状況で話し合いとか、ほぼ脅迫じゃねぇか…)


「わかった。」


「癒沙、話せるぐらいこいつらを回復させろ。」


「お前、バカなのか?敵を回復させるとか…」


「別にいい。どうせ、全快のお前らを相手にしてもいつでも倒せる。」


「そうか。」


「そういえば、まだ疑ってたよな…」


「ああ…」


そしたら防具の国旗に剣でバツをつけた。


「なっ!お前、その意味がわかってるのか⁉︎」


「この国は見た目はいい国に見えるが芯が腐ってるからな。」


(こいつ、何の躊躇もなくやりやがった。)


「お前らの目的はなんだ?」


「お前らの事情と目的を教えてくれたら教えてやるよ。」


(この状況で逃げられるわけがないか…メルエールを見捨てるわけにはいかないしな…)


「わかった。メルエールが気がついたらでいいか?」


「ああ、わかった。手加減しといたからすぐに目が覚めるだろう。」


(こいつメルエールに手加減して勝ったのか…しょうがない。素直に従おう。)


「わかった。」


それから十分くらい経って、


「ううっ、ここはどこ?」


「メルエール、無事か⁉︎」


「ええ、なんとか…けど、あまり力が入らないわ。どういう状況なの、これ?」


「こいつらは騎士じゃなかった。普通に国旗に傷をつけた。」


「えっ⁉︎」


流石に驚いたのか、動揺している。


「それで俺らがなんで襲ったのか、事情を聞かせろと…メルエール任せる。俺は説明は苦手だ。」


「わかったわ。えっと、なんで騎士を襲ったのかということよね。」


「ああ、嘘は付くなよ…すぐにわかるぞ。」


「この状況で嘘をつくならそいつは馬鹿ね…まず私達はグロリアの魔界側の端にある街に住んでたの…平和だったわ。けど、魔界からの大侵攻が始まったの初めは、国からの援軍も来て耐えてたわ…けど将軍がやられたと同時に街を放置にして撤退、街の人を囮にして騎士が逃げてったの…その街の生き残りが私たち…他にも生きてる人はいるかもしれないけど、わからないわ。」


「じゃあ、お前らは国を恨んでいるのか?」


「当たり前だろ!親が生きてるのか、死んでるのかすらわからないんだぞ!!!」


「そうか…俺たちと一緒だな…」


「えっ、どういうこと?」


「一つ聞いてもいいか?」


「何かしら?」


「この返答次第では俺らの事情を教えてやる。」


「わかったわ。」


「お前らは国を変える気はあるか?」


「どういう意味?」


「だから、この腐ってる国を変える気はあるかと聞いてる。」


「そんなに腐ってる感じはしないけど…」


「メルエール、こいつらの目、本気だよ。本当にこの国が腐ってると思ってる。」


「ランシェ、どうする?」


「俺はこの国を恨んでいる。けど、俺たちには力がない。だから何もできない。変えられるなら変えたいが、力がない。もう、俺たちみたいな奴らをなくすために…」


「そうか…なら俺たちと来るか?」


「えっ、なんで?」


「俺たちの目的は魔王を倒した後、革命を行うためだ。」


「「ッッ」」


「ほ、本気で言ってるのか?」


「そんなの夢のまた夢よ⁉︎」


「知らん。俺たちがそう決めたんだ。だからついて来るか?」


「メルエール、ここが俺たちの人生の分岐点だよ。」


「ええ、そうね。」


「こいつら、バカには見えないし…どうする?」


「じゃあ、ついて行ってみる?どうせ、ここで死んでたわけだし…」


「じゃあ、そうするか…」


「で、あなた達の事情も聞かせてくれるのかしら?」


「ああ、いいぞ。」


それから、自分達が異世界から来たこと、クソ豚の悪行やどうやっていくのかを話した。


「ということだ。」


「いろいろ、あり過ぎて困ってるんだけど、それでどうして革命になるわけ?第一王女か次期王様が改革すれば済むじゃない。」


「それが第一王女はわがままな女王様でおそらく勇者が次期国王になる確率が高いんだが頭は回るがバカなんだ。特に女の言うことは必ず信じて従ってしまうバカなんだ。大事なことだから二回言ったぞ。」


「じゃあ、第二王女が継げばいいんじゃないのか?」


「第二王女はかなり、有能なんだが、継ぐことはありえないらしい…」


「だから革命となったのね…」


「それで俺らはどうしたらいい?自慢じゃないが金は全然、持ってないぞ…」


「本当に自慢じゃないわね…」


「とりあえず、俺たちのクランに入れ…そのあとはイゼリアを拠点としてまずは、イゼリアで有名になる。そして頼られる感じになったあと、研究所を破壊する。そして、研究所のことを国民に言う。あとは商人にでも広めてもらう。イゼリアの周りの研究所を破壊する。でどんどん自分たちの領土を増やして、次々、仲間を増やして、先に魔王を倒す。そのあとは革命だ。それまでに王都以外はほとんどこっちの物にしたいな。」


「本当に上手くいくのかな?」


「じっとしているよりはマシだ。それにすぐは魔王を倒せないだろう。国が魔王を警戒している間にこっちは準備をする。」


「じゃあ、とりあえずまずは有名にならないとね。」


「ああ」


「一旦、イゼリアに向かうか…」


こうして新しい仲間が二人加わった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


宿に入ってみんなで集まって話していた。


「そういえば、なんで鑑定であなたのステータスが見えなかったの?」


「ああ、それは俺のスキルにスキル無効があるからな。」


「なるほど、あなたのステータスを見せてくれない?」


「いいぞ。」


無坂 練 16歳 男

レベル96

体力:950

魔力:950

筋力:3800

敏捷:3800

耐性:1425

運:50

スキル

《心の声》《スキル無効》《統率者》3人《気配察知》


「「・・・」」


「どうした?」


「私達が勝てるわけがない…」


「本当に運が良かったよ。」


「その二人に統率者のスキルを使おうよ。」


「統率者って何?」


「えっと単純な話、1.5倍強くなること。」


「成長も1.5倍早くなる。」


「何、その効果、ズルくない⁉︎」


「『契約』」


ランシェ・マグナス

レベル53

体力:624

魔力:780

筋力:624

敏捷:936

耐性:624

運:30

スキル

《爆発魔法》《体術》《チャージ》


メルエール・シングンクト

レベル51

体力:400

魔力:1125

筋力:400

敏捷:1125

耐性:400

運:50

スキル

《歌魔法》《暗殺術》《鑑定》


「急に強くなったわ…」


「本当だな…」


「けど、練に対しての信頼がなくなると消えるから気をつけなさい。」


「わかったわ。」


「これからのことを話合うか…」


「いや、一旦、自由行動にしよう。俺はウィーン商会に行きたいからな。」


「なら、私は着いて行くわ。」


「もう、完全にストーカーだ…」


「もう一度、言ってみなさい…もう二度と男として生きていけなくするわよ…」


「なんでもありません!!!」


「凜、流石にそれはやりすぎだ。」


「練君が言うならやめる。」


「(おい、まさか凜は練にベタ惚れなのか?)」


「(はい。練君がいないと生きていけない程に…)」


「(重症だな…もし邪魔をしたら殺されるかもしれんな…)」


「(ええ、気をつけてください。)」


「よし、なら残りのメンバーでダンジョンに行こうぜ。軽く上層部に…」


「なんでわざわざ、ダンジョンなんですか?」


「いきなりステータスが跳ね上がったから体に馴染ませたいのと俺たち、二人でしか戦ったことがないんだよね。だからかな…あとはお互いのことを知るべきだろ。陣形とかな…」


「それもそうだな…じゃあ俺たちはダンジョンに行くか…」


「そうか…凜、行くぞ!あ、あとダンジョンで手に入った魔石はギルドで売るなよ?」


「なんでだ?」


「商会に買って貰うからな。」


「おいおい、大丈夫なのか?」


「別に構わん。ギルドは国と繋がってるって噂だしな。」


「なら、ギルドになんかに売らなくていいわ。」


「心変わり早いな…」


「じゃあ、行くか…」


それぞれ、目的地に行った。


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