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「商会の場所はここか…」
「そうね…大きいわね。」
本当に大きいのだ。一時期とはいえ、城に住んでたのにそれとあまり変わらないというのはスゴイと思う。
「とりあえず、入るか…」
「ええ」
「ちょっといいか?」
「はい?なんでしょうか?」
「実はこの商会のウィークリーという人からここにこれを持っていけと言われたんだが…」
「ウィークリーさんですか⁉︎ちょっとお待ちください。」
そう言いながら、手紙を確認する受付。
「では少しお待ちください。すぐに呼んでまいります。」
「わかった。」
(一体誰を呼ぶんだ?)
「あなたかしら、この手紙を持って来たのは?」
「ああ、俺だ…」
「私はウィークリーの妻のリリィよ。よろしくね。」
そう言って出て来たのは茶髪で身長は160くらいしかないが何か、カリスマ性を感じる女性だった。
(この人、凜になんか雰囲気が似てるな。おそらく、ウィークリーは尻に引かれてるな。)
「俺は練、こっちは凜だ…よろしく」
「よろしくお願いします。」
「じゃあ、こっちに来てくれるかしら?」
そうしてなんか応接室みたいな所に通された。
「で、この手紙に書かれてることは本当かしら?」
「俺には手紙の内容がわからないんだが…」
「えっと、単純な話、こっちにいろいろ売ってもらえるのか、ということよ。」
「ああ、それでいい。」
「本当なのね…この手紙を見たとき、嘘かと思ったわ。」
「そんなに珍しいのか?」
「ええ、誰も国を敵にしたくないでしょ?」
(やっぱり、ギルドは国と繋がってるのか…それにこの人、俺のことを試してるな。)
「まぁな。でも、お金的にこっちの方が得だ。」
「もちろん、それだけじゃないでしょ?」
「どうだかな…」
(こいつ、かなりやり手だな。こっちの思考が読まれてる。それに心の声を使っても何も聞けないということは何かしらの確信があって話してるな…できれば敵にはなりたくないな。)
「それでこの件は良いのか?」
「こちらとしては良過ぎる提案だから良いんだけど…」
「なら話し合いは終わりだな。あとはこれを買い取ってくれないか?」
そう言って魔物の素材を出した。
「他にもたくさんあるんだが、解体ができないから放置されてるんだ…解体の料金は引いていいから売れないか?」
「わかったわ。じゃあ、移動しましょうか?」
「ああ」
「どのくらいの量の魔物を売ってくれるの?正直、正規のルートじゃ手に入らないのよ。」
「とりあえず、ここまで旅して来た途中に遭遇した魔物を全部頼む。かなりの量だが大丈夫か?」
「ええ、多い分には大丈夫よ。」
(どうせ、百体ぐらいでしょ…)
(少なくてもそれの二十倍はあるんだな。)
ムースの街で倒した二千体とそれ以外に倒した魔物があるからかなりの量になるのだ…
「じゃあ、ここに出せば良いのか?」
「ええ、お願い。」
珍しいのか、周りに部下や職員が見に来てる。そして、どんどん、出して行ってるうちにリリィの顔が真っ青になっていた。五百体を超えたあたりか…
「ちょっと待って!」
「なんだ?何か問題があったか?」
「あと、どれくらい出すつもりなの⁉︎」
「これの四倍くらいかな…」
「四倍…ちょっと、今日はこのくらいにしてくれない?また今度、持って来てくれたら良いから…そうしないと今日中に終わらないから。」
「そうか…わかった。金はどうすればいい?」
「じゃあ、今度、来た時に渡すでいいかしら?」
「わかった。今度来た時にまた、売りに来る。その時に金も貰えば良いんだな?」
「ええ、それでお願い…」
(今じゃ商会にあるお金がすっからかんになっちゃうわよ。)
ちょっと安心をしている。
「じゃあ、今日の所は帰る。」
「ええ、またね。」
「ああ、また。」
それで商会から出て行った。
「思ったより時間が余ったな…」
「ええ、これから、どうするの?」
「あいつらは今、何をしてるか、見えるか?」
「えっと『遠視』…まだダンジョンで戦ってるわ…」
「なら、一緒にこの街を散策するか?」
(これはもしかしてデート⁉︎)
「行きます!すぐに行きましょう!!!」
(すぐに帰って来たら、後で殺す。)
クシュん
「誰か瞬の噂してるのかなぁ〜」
「いや、噂とかそんな優しいもんじゃないな…」
「怖っ!」
「ほら、次の敵が来るわよ。」
そして、新たな三体の敵が現れた。
「わかってるって!瞬!」
「おう…『土槍』」
真ん中の敵を土槍で貫き、そして、メルエールが左、ランシェが右の敵に向かっていく。
「『爆裂拳』」
「『縛の歌』」
縛の歌
対象とした者を動けなくする。ただし、スキルや魔法は使うことができる。
その瞬間、瞬が切り伏せた。
「その魔法、本当に厄介だな。」
「確かに効果は良いんだけど、小石一発でもくらうと解けちゃうのよ。」
「全てが便利なわけじゃないんだな…」
「ええ…それに練には効かなくてボコボコにされたし…」
「あれはしょうがないだろ。だいぶ、息があってきたな。」
「そうだな…あと、ここに練と凜を加えたらかなり良くなるな…」
「けど、あの二人は急に入って息が合うでしょうか?」
「練は前衛だし、凜は後衛で属性も風だからそこまで苦労はしないだろ。」
「今まで通り、厄介な敵が出てきたら練がとりあえず突っ込んで対応してけばもんだいないだろ…」
「他人に頼り過ぎですよ。みなさん。」
「俺らのリーダーならそれくらいやらないとな…」
「さて、もうちょっと狩ってとくか…」
「おう…それを左に曲がると五体いるぜ。」
「行きましょうか…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(まだ、探索を続けるみたいね…なかなか空気が読めるようになってきたじゃない。さて、今はデートに集中しましょうか…)
「凜、どうした?なんか変だぞ⁇」
「な、何でもないの…あそこの宝石店に入らない⁇」
「なるほど、良い店を探してたのか…いいぞ、行くか…」
「ええ…」
(なんとか、誤魔化せた。それにしても鋭いわね。)
「いらっしゃいませ。今日はどうようなご用でしょうか…」
「いや、この宝石店が良さそうだから寄らせてもらったんだ。」
「それはありがとうございます。」
「青い宝石ってあるか?」
「練君、なんで青なの⁇」
「お前に一番似合う色だと思ったからだ…ダメか?」
「ううん、全然良いよ!」
(練君が私のために選んでくれてる…)
「では、これとかよろしいのではないですか?」
そこで店員は青い宝石が入った指輪を持ってきた。
「これはどこで取れたものなんだ?」
「これは、イゼリアにあるうちの一つに海をイメージされたダンジョンがありまして、そこで取れた宝石です。」
「魔石じゃなくて宝石が取れたのか?珍しいな…」
「はい…ただ、数があまりないので、高くなってしまい、あまり売れ行きは良くないです。今は見栄を張りたい人は買いますが、普通の人は魔石を使っているものを買います。」
「で、これはいくらなんだ?」
「はい…金貨一枚になります。」
(金貨一枚って百万円⁉︎高っ…学生が買える物じゃないよ…)
「魔石を使っているやつはいくらくらいなんだ?」
「だいたい銀貨二枚から高くても銀板一枚です。」
「なるほど、たしかに一般人はそっちを選ぶな…指輪じゃなくてネックレスはないのか?俺たちは冒険者だから指輪は邪魔なんだ…」
「はい…でしたらこれはどうでしょうか…」
「やっぱり、輝きが違うな…」
「ええ、それは値段に比例してます。」
「じゃあ、宝石のネックレスを買うから持って来てくれ。」
その瞬間、周りにいた客がびっくりしていた。当たり前だ、値段が十倍以上違うのだ。
「練君、私、魔石のやつで良いよ⁉︎」
「別に良いだろ…どうせなら良いのを買った方がいい。それに俺が初めてあげる物だしな。」
「でも…」
「俺が買った物を黙って貰っとけ…ここで断られると男のプライドが傷つくぞ。女ならそれくらいの器量を持てよ。」
「その、ありがとう。」
「そう、それで良い。」
(本当にかっこよ過ぎ…なんか、周りの女の人の目がハートになってる気がする。絶対に隣は渡さないんだから!!!それにあなた達の隣にボーイフレンドがいるでしょ!)
「では金貨二枚です。」
「値段が上がったな…やはり大きさか?」
ネックレスについている宝石は指輪の二倍近くあった。
「大きさもそうですが、透明度が違います。」
「金貨二枚だ。」
そう言って、金貨二枚を置いた。
「ありがとうございます。ではこれをお包みしますので、お待ちください。」
「いや、いい。彼女に付けて帰るから大丈夫だ。」
「はい、わかりました。ではこれを…」
そう言って、渡していた。
「ほら、もっとこっちに来い。付けてやるから…」
「えっ、良いの⁇」
「早く来い。」
そう言って、私にネックレスを付けてくれた。
(こんなに顔が近いなんて…幸せ過ぎて死ぬかも…)
「これで良いな…やっぱり、似合ってるよ。」
練は普段、笑わないのに笑顔で言ってきた。
(もう、倒れるかも…)
「おい、大丈夫か?じゃあ帰るか…世話になった。また来る。」
「はい、ありがとうございます。」
その日に来ていた客はみんな、負けないように高いのを買って行ったためにその日の売り上げが何時もの二十倍に登っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ただいま〜」
「お帰りなさい!!!」
みんな、何事かと思って見てる。
「おい、凜のやつどうしたんだ?」
「なんか逆に気味が悪いぞ…」
「いや、ただ単に機嫌がいいだけだぞ…」
「何をしたんだよ。」
「鼻歌歌っちゃってるぞ。」
「ああ、実は商会のことが早くすんでそれからお前らが帰ってくるまでの間に宝石店に行って買ってやったらああなった。」
「なるほどね…」
「早く帰って来なくてよかったわ。」
「本当ですね。」
「もし、最悪のタイミングで帰ってきたらまず命はないな…」
「そっちはどうだった?」
「まあまあだな…」
「一応、レベルがあって全部で星が一から十まであるらしい。だが星一ですら完全、攻略は出来てないらしい。過去最高は89階だったらしいが今では攻略本が出てるにもかかわらず、誰もそこにすらいけてないらしい。」
「もし星十なら一階で取れた魔石で一生暮らせる程らしい。何人も挑戦をしたが誰も帰って来なかったみたいだ。」
「なら、まずは星一から完全攻略するか…」
「その方が良いな…」
「メンバー集めは俺がやるからちょくちょく自由行動にするぞ。後、必ず一人にはなるなよ。絶対に二人以上で行しろ。」
「ああ、わかった。」
「ええ」
「じゃあとりあえず、飯食って寝るか…」
「クランの本部はどうする?」
「とりあえず、星一をクリアしたらで良いだろ…そうしないと、周りから何か言われるぜ…」
「そうだな…じゃあ飯を食いに下に行くか…」
飯を食いながら話していた。
「魔石は後で俺に渡してくれ。また、商会に行ったついでに売ってくる。後、飯代と宿代はクランのお金から出す。」
「そんなにお金、あるのか?結構な額だぞ?」
「大丈夫だ。クソ豚の金庫から白金貨200枚以上持って来たから…」
「そんなに取って来たのか⁉︎」
「当たり前だ。本当なら全部、取って行きたかったくらいだ。」
「まだ、余ってるって王様の金庫ってヤバイな…」
「それを平気で取って来る方がヤバイだろ。」
「そうだ…商会では冒険者ギルドの約二倍の額で買い取ってくれるから普段ギルドで売っている額を自分の手元で他をクランのお金とするぞ。」
「まぁ、宿代と飯代をタダなんだから良いんじゃない?」
「ああ、宿代は意外にバカになんねぇからな…」
「これからは週に六回探索、一日、完全自由行動で帰りに毎回商会によるぞ。多少、狂ったりするかもしれんが、基本がそれだ。」
「明日から大変になるな。」
「今までと比べたら全然楽ですね…」
「そうなのか?」
「あいつの訓練はおかしかったからな…」
「ええ、朝にダンジョン、夜にダンジョンをずっと繰り返してたから…」
「なんか、お前らが強い理由がわかった気がするわ…」
「さっさと食べて明日に備えるか…」
「そうね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おいメルエール、このベッド超スゲーぞ!」
「本当ね。こんなに柔らかいの初めて見たわ。」
「おい、練と瞬そこをどけよ!俺たちが寝るから!!!」
「ダメよ!こっちのベッドは私と練で寝るから!!!」
「おう、そうか…なら瞬、あっちのベッドで寝て来い。こっちのベッドは俺とメルエールと癒沙で寝るから!」
「おい、一応そのベット俺のなんだぞ!」
「女に譲れ!!!だいたい三対一で敵うと思ってるのか⁉︎」
「いや、まだわからないぞ!そこに天使がいるから二対二かもしれんぞ!」
「瞬君、ごめんなさい。」
「なんだと…俺がベットに負けた…」
「残念だったな…ほら早く隣の部屋に行け。それともあそこに行ける自信があるなら行って来い。」
そう言いながら、練と凜の方を指さした。
「おい、凜。もう少し離れろ。」
「別に良いでしょ。夫婦になる前の練習だと思って…」
「・・・無理だ。もし行ったら、殺される。」
「じゃあ、決まりだな。」
「なんか、すごい横暴だと思うんだが…」
「なら凜の所に行って来いよ…そしたら変わるかもしれんぞ。」
「いや、だから無理だろ…本当に死ぬぞ!」
「自分が凜より弱いことを呪うんだな…」
「何も言えねぇのがまたツライ」
とか言いながら隣の部屋に行った…
「癒沙、あいつらはいつもああなのか?」
「はい、ほぼ毎日です。」
「お前らも大変だな…」
「はい、空気を読むのが大変ですけど、もし間違えたら何が起こるかわかりません…」
「明日から部屋を違くするか…おそらく、凜は賛成してくれるから多分大丈夫だろ。その方が俺たちのためだ。」
「はい、明日、相談してみましょう。」
「さて寝るか…メルエールは速攻寝たな。多分疲れてたんだな…じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい。」
あと、もう少しで一日でPV1000を突破します。よろしくお願いします。
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