ダウングレード
第三話です
『* メンテナンスが終了しました。これをもって、システムメッセージの表示を再開します。キャラクターの皆様におかれましては、ご協力、ありがとうございました。』
『* 只今より、ver.8.0のアップデートを行います。NPCは、直ちにスリープモードへ移行してください。』
『* ……全てのAIのスリープを確認。不要なデータの消去を開始。』
『* ……完了しました。データのダウンロードを開始。』
『* …………』
『* …完了しました。ゲームを再起動してください。』
……。
『* マスターコードの入力を確認。設定へ移ります。どのNPCを削除しますか?』
……。
『* レイブン が選択されました。よろしいですか?』
……。
『* レイブン を消去しました。』
『* ゲームを再起動します。』
……。
『* 完了しました。NPCのスリープを解除します。』
「レインー!もうアップデート終わったらしいよ!」
「おー。確かに俺ら解像度高くなったな」
「でしょ?これで私の可愛さも三倍増しだね」
「……」「いやなんか言えよ」
「…あっ、そういえば今回ので新キャラ来たらしいじゃん。挨拶がてら見に行こうよ!」
「ああ、そうだな」
何か大切なことがあったかもしれない。しかしそれを思い出せない。
〜ティーラの国〜
「ねえねえ、あれじゃない?新キャラ」
「どれどれ」
おー、中々の儚げ美少年。あれが4人目の仲間か。
新キャラはこっちに気づいたのか、話しかけてきた。
「レインくんとサナさんですね。はじめまして。新しく入ってきました、回復術師のシンといいます。よろしくお願いします!」
「よろしく」「よろしく〜!」
「ところで、シンは回復術師なんだね。うちのパーティーにはいない役職だから、心強いよ」
「あ、はい!でも僕、役職回復術師だけじゃないんですよ。副役職的な」
「へぇ〜。どんな役職?」
「盗人です!」
「新キャラの子、可愛かったね〜」
「そうだな。」
「どしたのレイン。うかない顔して。……あっ、もしかしてあの子に一目惚れしちゃった!?私というものがありながら……」
「んなわけあるかよ。…ちょっと気になることがあるんだ」
「何?」
「なあサナ。俺たちのパーティーって全員揃ったら何人だ?お前と、あの新キャラも含めてだ。」
「え?5人でしょ?」
「やっぱりそうだよな…」
「レインなんか変だよ。家帰ってもっかいスリープしてきたら?情報整理されてスッキリするよ」
「ああ、そうだな」
「送ってこうか?」
「いや、大丈夫だ」
盗人…盗人かぁ。何か引っかかるな。パーティーは俺と、サナと、ライトと、カイルと、新キャラ…シンだけのはずなのに。やっぱり盗人って初めての役職だよな。
…いや、きっと久々のアプデで情報が混乱してるんだ。少し休もう。
『* プレイヤーがゲームを起動しました。キャラクターの皆様は、各自、前回のオートセーブの際に居た場所へ移動してください。』
いやタイミング!休ませろよ。
「前回までの…」
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「レインったら!何ボーッとしてるの?早く迷子を教会へつれて行きましょう!」
〜教会〜
「これはこれは冒険者のみなさま。迷子をつ…」
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『* 僧侶カイルを仲間にしますか?』
……。
『* カイルが仲間になった!』
(さすがはカイル。最年長なだけあって笑う素振りを見せなかった。ライトとは大違いだな)
「きゃあ!…」
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『* 新クエストオーブを取り返せ!いざティーラの国へを受注しました』
「勇者様大変です!今すぐティーラの国へ向かいましょう!」
……。
『* まもののむれがあらわれた!』
ZR長押し、X連打
「閃光弾!」
(うわーライトの奴可哀想〜。バグ技ばっかり使わされてる…。あいつ身体もつかな)
『* スライムたちを倒した!レベルが45になった!』
「もうレインったら。戦ってる場合じゃ…」
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〜ティーラの国、城下町〜
「いたぞ!あれが犯人…」
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「どうしてこんなこと…」
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「ぼっ、僕は…回復術師なんです…。妹の治療に、どうしてもオーブが必要で…。」
「なんだそんな…」
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『* 回復術師 シンを仲間にしますか?』
……。
『* シンが仲間になった!』
『* ぼうけんをしゅうりょうしますか?』
……。
『* セーブしています…電源ボタンに触らないでください…』
『* またいつでもあそびにきてくださいね』
一体どうなっちゃうんでしょうか




