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化物  作者: 井平カイ
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考察

 それから杉谷は、復讐を遂げることだけを考えた。今の世の中、ネットを検索すれば分からないことなどない。そして変えない物などないのだ。犯行に使用する道具を片っ端から買いあさり、入念に準備を進める。

 あれだけ社会を騒がした少年達の居場所など、ネット上の掲示板を見ればどこに住んでいるかなどすぐに調べることが出来る。その気になれば、素人でも調べることが出来る。現に杉谷は、転居したはずの少年達の居場所を正確に掴んでいた。


 四人を殺害した後、杉谷は近くの警察署に自首した。彼は一切包み隠さず、全てを警察、検察に供述した。そしてその供述通り遺体、犯行用具が次々と見つかる。当然ながら、マスコミは連日報道を繰り返した。


 “復讐殺人”

 “少年達の因果応報”

 “残虐な殺人鬼の出現”


 面白おかしく報道するテレビ、ニュース。ネット上でも、様々な物議を起こす。

 当然の復讐という意見。杉谷がやり過ぎだという意見……ありとあらゆるところで、日本は揺れていた。余りにも常軌を逸した殺害方法。それを執り行ったのは、極々普通の男性。そのギャップは、世論の意識を引く格好の餌だった。

 そして今日、全ての判決が下ろうとしている。

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