七話 神が説明する時の凪視点
神に案内された部屋は壁と床と天井がオレンジに塗られた部屋だった。そこはテーブルが一台と椅子が五脚あるだけのシンプルな空間だった。
「腰掛けるんじゃ〜」
「神様は座らなくていいのですか!?」
颯が神の足腰を気にしている……? どこまで優しいんだ……
「わしはいらんぞい。お主らに比べて体がでかいからのう。いいから座るんじゃ〜」
僕たちは神様に言われるがまま、椅子に腰を下ろした。
「早く明日にならないかなぁ。ナンパしてぇ〜」
こんな状況でまだ女子と会いたい気持ちがナンバーワンなんだ……
「座った所で説明するとしようかのう!」
神様がテーブルに何かを置いた。それは世界地図のようなものだった。
「まずこの世界の名は海と言うのじゃ!」
海……世界名シンプル過ぎる。
「そしてわしらが今いる場所じゃ! ウニ神殿と言う!」
ウニ神殿か……部屋が黄色だったりオレンジだったりしたのはそのウニの色をイメージしたからか……
「ウニ神殿は過去にウニと言う名の方が住んでおったからウニ神殿なのじゃ。そしてウニ神殿は海水を除けば世界で一番東にあるスポットなのじゃ!」
ウニって髪型がトゲトゲしてた人だったのかな。勝手に想像したけど。
「海の世界は真ん中にメインとなる一つの大陸がある。この世界の海は地球のような球体ではなく、海が横に広がっているのじゃ!」
つまり……この世界は球体ではないってことか……
「そういやぁ魔法はどうやったら使えるようになるんだ?」
「それは魔法都市サザエと言うところに行けばよいぞい」
ウニの次はサザエ……
「ネーミングの話をしようかのう。この世界の名称などはだいたい生き物に関する名前なのじゃ。建物も人名ものう。じゃがみな知っている犬や猫などの動物は普通におるぞい」
なるほど……けど、さすがに異世界にしかいない生き物はいるだろうね……
「あと病気なども普通にあるのじゃ。病気には魔法は効かないから健康には気を付けるのじゃぞ!」
「はい!」
元気印の颯だけ返事した。なんでも魔法で治せるなら楽だけど……そうなると、だらけきった世界になりそうだしね。
「あとは……季節に関してはお主らが住んでいた日本と同じじゃ」
「日本と同じ? どういうことだ?」
「十二月は寒いってことですか!?」
颯のなんだその質問……他の言い方ないのか……
「そうじゃ。ちなみに今日は……三月三十一日で春じゃな」
「……ってか、明日から出会いの四月なんだった!」
「とにかく明日、五人は近くのサンゴ町におる転生者を案内する仕事をやっておる人に会うのじゃ」
転生者を案内する人……確かにいきなりこの世界に放り込まれても、どうしたらいいか分からないだろう。僕もまだ気持ちが落ち着いてないし。
「な〜んで明日まで待たなければいけないんだ……」
「今はもう夕方じゃからのう。夜に町や神殿の外を歩くのは危険じゃ。じゃから今日はウニ神殿でみんな泊まるのじゃ。分かったかの?」
「へぇ〜い〜……」
◆
「やっと外に出れた……!!」
翌朝、ウニ神殿の草原が広がる外に出た僕は深呼吸をした。空を見ると雲があって太陽があり、そして少し遠くに町らしきものが見える。
「ここから真っ直ぐ歩いた先にあるのがサンゴ町じゃ。気をつけて行くのじゃぞ!」
「神様! ありがとうございます! お世話になりました!」
「世話になった」
「機会があればまた会おう」
「あばよ神様!」
今は……颯・海・潮・爽の順番で挨拶した……もう名前覚えた。あ……僕も挨拶しなきゃ。
「説明ありがとうございました神様」
「また機会があったら会おうのう!」
手を振る神様に見送られながら五人は町に向かって歩き始めた。




