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元聖女の恋  作者: 吉野
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『後日談』 聖女宮にて


「随分と急な婚約でしたのね、お姉様」


「確かに、唐突なご婚約であったな。

まぁ、めでたい事ではあるが、どうせ…」



上目遣いにジトッと見つめるシア、ことレティシア様と意味深な笑みを浮かべるミリィ、ことエミリア様。


久しぶりに赴いた聖女宮で私を迎えたお2人の事を、愛称でお呼びするのは実はまだ慣れない。


そして『お姉様』と呼ばれる事も。




ロイにもいまだに驚かれるのだけど…。

共に王都へ帰還し何度か行き来するうちに、私達はすっかり意気投合してしまったのだった。


そんな彼女達に相談する間も、報告する間もなく決まってしまった今回の婚約。


事後報告になってしまった事は、申し訳ないと思うのだけど。



「なぁに?

貴女達、そんな事を言うためにわざわざ呼びつけたの?」


そちらがそうなら、こちらだって。


すこーしだけ意地悪く言ってみる。



シアとミリィはお互い顔を見合わせ、そしてふふっと笑った。



「すまんな。

しかしあまりにも突然だったから」


「ごめんなさい、お姉様。

でもいつの間にあんな事になってらっしゃったのですか?」



王宮での褒賞のアレは、今思えば大変な赤面モノだった。


勿論その時は必死だったし、後悔は全くしていないのだけど…ねぇ?



「いつの間にって、そうね。

先日ミリィがミツルギ様のお屋敷にいらした日の晩、かしら」



今思えばあの日から、目まぐるしく一度に色々な事が動き出したのだった。



「えー?ずるい!

エミリア様、抜け駆けはなしですよ」


「すまんな。

しかし貴女の都合と私の都合を合わせるとなると、数ヶ月はマリアに会えないから」



結構本気で悔しがっているシアと、口ではすまんと言いながら顔は笑っているミリィ。



ほっておくと言い合いが続きそうなので


「ほらほら、そんな事より今日は新作のチーズタルトとアップルパイを買ってきたのよ。

聖女宮の皆さんの分もあるから、皆でいただきましょう?」


美味しいもので釣ってみた。



もちろん、効果はてきめん!


美味しいものの力って、偉大よね。



***



今日、聖女宮へ来たのはシアに招待されたから。

だけど、実は私にはもう1つ目的があった。



長年お世話になった聖女宮は、私にとっては我が家、そこで暮らす皆は家族も同然。


それなのに、7年前義理を欠いた去り方をしてしまった事を、ずっと申し訳なく思っていた。

それでも、今回温かく迎えてくれた聖女宮のかつての仲間達。


そんな彼女達に自分の口から報告と…改めて直接お詫びがしたかったのだ。



なのに、当時1番指導の厳しかったアリシア様に抱きしめられた途端、涙が止まらなくなってしまった。



「…本当にごめんなさい」


子供のように、手の甲で涙を拭い鼻をすする私の背を、アリシア様はずっと摩り続けてくれた。



「貴女が謝る事なんて、1つもなくてよ。

それよりもマリア、よくお顔を見せてちょうだい」


記憶の中よりも、目尻の皺も白髪も増えたけれど。

相変わらず背筋がしゃんと伸びて、凛とした気品漂うアリシア様。


そして見渡せば懐かしい面々。


その誰もが微笑んでいて、ようやく皆に会えたのだと…聖女宮へ戻ってこれたのだと実感できた。



「さぁ、マリア。

泣くのはそれくらいにして。

それよりも、素敵なお話がおありなのでしょう?

ぜひ聞かせてほしいわ」



——出た!

昔から、誰も逆らう事の出来なかったアリシア様の問答無用スマイル!



だから私も覚悟を決めたわ。




美味しいお茶に美味しいスイーツ。

そして気の置けない友人達との、気兼ねないお喋り。



女の子ですもの!



スイーツ大好き!


おしゃべり楽しい♪


恋バナ?大好物ですがそれがなにか?



~fin~







作者としては、もう少しジレジレな恋人期間の様子を綴りたかったのですが…。

主にロイの暴走っぷりにビックリです(汗)


若干ハイテンションなラストになってしまいましたが、これをもちまして『元聖女の恋』は完結でございます。



最後までお付き合い下さいまして、ほんっとうにありがとうございました!


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