第3話
あの事件の次の日
山田は例の少年のことを調べていた。
そしてわかった事はただひとつ。
彼は一般人だという情報のみ。普通の人はそれで納得するが山田はそうは思わなかった。
それはとてもおかしくないのだ。
なぜなら「裏」に住む人は皆、情報秘匿を確実にしている。それは山田、カイトもそうだ。
彼らは名前こそ知られているが過去に何があったかまではわからないのだ。
だからこそ山田は思う。
(彼ほどの腕を持つなら必ず名前ぐらい聞いたことがあるはず。しかし彼のことは如月 晃という名前…偽名のみか)
山田は「裏」で如月 晃の名を聞いたことがなくあんなすばらしい実力者の名前が知られていないのはおかしいということで偽名と判断したのだ。
またあんな実力者なのだから情報秘匿も一流という風に思ったのである。
残念ながらそれはとてつもない勘違いなのだが…
もう一人、彼に邪魔をされターゲットを殺害できなかったカイト
彼もまた同じように情報を探していたのだ。
pipipi…
「…という訳なんだがそいつの情報はないのか?」
「それが私を持ってしても無理なのだが本当にそんなやつなのか?勘違いじゃないのか?」
「いや、そんなことはない。あいつは間違いなくマスタークラス(達人)だ」
「そんなら私の情報網に引っかかるはずだが…」
「ふん、じゃあ相手は「裏」でもトップクラスということか。恐ろしいな」
彼女は「裏」においても名をしられている情報屋で「東の魔女」として知られている。
武力も実力さることながら情報を巧みに操り相手をおとしいれる手腕は魔女のごとく…
しかしそれでさえあの少年についてわからないということは、それはトップシークレットと言えるだろう。
「ふざけんじゃないよ。私がそいつのことをきっちり調べてやるよ。」
カイトはくすみ笑いを隠せない状態で「おぉ、それは頼もしいなぁ」という。
どうせ無理だと彼は思ってるようだ。
さて話はまた「東の魔女」へ…
まず最初に彼女特製カスタマイズパソコンを用いて日本国家総資料部へとクラッキングをかける。
彼女ほどの腕になるとわずか120秒ですべての如月 晃に関する情報を…もちろん彼女とてこれがすべて本物でないと確信している。
いわばこれは肩慣らし。この後、さらに大量の機密がある日本国家情報部暗部組織に接続する。
「やっぱここは何度来てもスリル満点だね。まぁそのほうがやりがいがあるんだけどね」
そんなことを言いながらもも彼女の手は止まらない。
そしてすべてを探し終えて「ちっ、やっぱないか。そうするとその情報はlevel5クラスか…」
情報クラスlevel5
それは日本最重要機密で「東の魔女」でも調べることは不可能に近い。
「こんなものに命はかけられないな。割に合わない」
溜息をつきながら彼女は調べることを止めたのだ。